変形性腰椎症による腰痛、臀部痛、右下肢痛、歩行困難
60代 女性
病院で、背骨の軟骨の右側片方が変形していると診断され、それにより腰から右足に痛みがあり家事、歩行が苦痛でした。
整形外科で電気治療を受けていましたが、日に日に痛みが増加してしておりました。
そんな折、古くからの友人の紹介で清明院を知り、竹下先生の治療を受ける事になりました。
夫や娘は、すでに、他の鍼灸院で鍼治療を経験しておりましたが、私は鍼に対する怖さが先に立ち、これまで敬遠しておりました。
初回の、竹下先生の一時間以上に及ぶ問診の間に、先生のお人柄にふれ、安心して治療を受け始める事が出来ました。
現在六回目の治療を終えた所ですが、頭頂部にたった一本の鍼を打つだけの治療ですが、腰、足の痛みがほとんど無くなりました。
私にとっては毎日家事とパートで時間に追われる生活をしておりますので、治療中は、心身共にリラックス出来、治療の一時間は至福の時です。
帰りは、精神面まで治療して戴いたように感じられ、感謝の気持ちで一杯になります。
これからも、何かありましたら先ずは先生にご相談させていただこうと思っております。
清明院からのコメント
この患者さんは、平成23年の初め位から、特に思い当たるきっかけもなく腰痛を発症し、整形外科では「腰椎(腰の部分の背骨)の変形」と診断され、
湿布、痛み止めなどが処方され、電気治療を継続するも、痛みは一向に改善せず、むしろ徐々に悪化し、清明院に来院される10日ほど前からは、
立ち上がり時に臀部に強い痺れ感を自覚するようになり、普通に歩くこと、立って作業をすることに障害が出てきたので、
古くからのご友人(清明院の患者さんの御家族です。)の強い勧めもあって、これまで敬遠していた鍼灸治療をようやく受診することとなりました。(苦笑)
腰の痛みの原因を、腰の部分の骨の変形と考える、というのは、西洋医学の、整形外科の立場から診た場合のしっかりとした見解です。
もちろんそれを否定するつもりはありません。
我々は、もちろんそれも参考にしますが、問診と体表観察によって、「東洋医学的に」痛みの原因を考えます。
この方の場合は、若い時分から、子宮筋腫、卵巣嚢腫等の、婦人科疾患の既往が多いこと、また現在、プライベートな問題で、
肉体的、精神的に極めてハードであること、また、以前から、甘味やカフェイン類の過度の飲食、慢性的で極端な運動不足など、生活自体に様々な問題があることが分かりました。
そこで「肝胆湿熱(かんたんしつねつ)、右上への気の遍在」と証を立て、治療を開始すると、1回目からビックリするような効果が出て、
4回ほどで日常生活に問題なくなるほどに回復されました。
しかし、こういう、生活習慣、もともとの体質の問題等が複雑に関わり合っている病の場合、それでめでたしめでたし、とはいきません。
予想通り、多少のぶり返しがありましたが、慌てず騒がず、治療と養生指導を続行し、現在では、この患者さん自身が、
東洋医学的な痛みの原因とメカニズムについて理解され、自分から進んで養生なさるようになりました。
「痛みの原因」というものに関して、「腰椎の変形」と言われても、患者さんはどうしたらいいか分かりませんもんね。
仮に「腰椎の変形」があっても、腰に痛みのない人もいます。
この違いは何なのか、それを細かく細かく考えることが、非常に重要と思います。