突発性難聴による聴覚障害、花粉症
30代 男性
ある朝目が覚めると、耳がくぐもった感じでした。何の前触れもなく、突然です。
中耳炎にでもなったかな?と、軽い気持ちで耳鼻科に行ってみました。
ところが検査してみると、鼓膜に異常はなく、いわゆる「突発性難聴(とっぱつせいなんちょう)」ではないかとのお話。 耳の奥の「うずまき」が機能不全とのことで、症例は多いが原因がわかっていない病気だそうです。
とりあえず、有効とされているステロイド剤や、血行を良くするビタミン剤、むくみをとる利尿剤などを処方され、様子をみることになりました。
薬は多少は効くようでしたが、完治するまでには至らず、このままステロイドを飲み続けるのもどうかと思い、妻の勧めで清明院を訪ねました。
まずは問診。
今回の症状についてだけでなく、生活や体質なども詳しく聞かれました。そして鍼。
驚いたのは、耳とは程遠い、手の脇に一本だけ打ったことです。
感触は、ほとんど分からない程度でした。
「耳の近くや、全身にある『耳のつぼ』に何本も打つ(そして痛い)」という先入観を、見事に覆されました。
施術が終わってみると、症状は変わらないものの、肩や背中が明らかに柔らかくなっています。
症状に直接対処するのではなく、全身の総合的な流れ(と、いうのかな?)を整えることで、結果として改善されるということなのかなぁ、と感じました。
そして、週1~2回ペースで通うこと約1ヶ月。
症状は徐々に改善され、いつのまにか普通に聞こえるようになっていました。
突発性難聴は、定着してしまうと戻らない可能性が高く、とにかく早い対処が必要といわれています。
ギリギリのタイミングで清明院に出会い、無事完治することができ、本当に良かったと思います。
なお余談ですが、毎年悩まされている花粉症が今年は出ないことと、妙に食欲が出てやや太ってしまったこと(苦笑)がオマケとしてありました。
清明院からのコメント
本患者さんは、実は大変頭脳明晰な方でして、さすがにシンプルに要約して、この医学の特色、経過を述べて下さいました。(笑)
非常によくまとまった文章を書いて下さり、ありがとうございます!!
本患者さんが述べて下さったように、「突発性難聴(とっぱつせいなんちょう)」という病気は、近年特に多い割に、 西洋医学の耳鼻科の先生方も手を焼いておられる病気の一つではないかと思います。
しかもそれが東洋医学、鍼灸でよくなる、ということが、あまり知られてはいません。
つまり、耳が聞こえない、聞こえにくい不安を抱えて、耳鼻科の薬で治療してもよくならずにさまよっている患者さんが多い疾患だ、ということです。
中には完全に聞こえなくなってしまう方もおられますし、鍼灸サイドから考えても、発症してから時間が経ってしまったものほど治りが悪いように思います。
この患者さんの場合も、もともと奥様が清明院の患者さんであり、早い段階で奥様の方からご相談いただいたため、 早期に着手することが出来た、ラッキーな症例だったと言えます。
「肝欝気滞(かんうつきたい)>腎虚(じんきょ)」と証を立て、治療を始めると、1回目から効果が表れ、約1カ月後、7回の治療で、ほぼ症状は消失しております。
今回このように「患者さんの声」を書いていただいたことで、同じ病に苦しむ一人でも多くの患者さんが救われるきっかけになれば、と思います。
また、もともとお持ちであった花粉症も改善されているという事実も、注目に値すると思います。
これは我々東洋医学の立場からすれば、この方の生活習慣、体質的な弱点を意識し、全体のアンバランスを是正しながら、 今回の依頼内容である「耳の聞こえにくさ」を治療する、という我々にとって「普通の」方法を取った結果であります。
こういうことが出来るのが、東洋医学なのであります。