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頭が痛いと言っても

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こんばんは!樫部です。

 

前回までは、髪の毛についてお話をさせていただきました。

前回のお話はこちら

 

 

 

本日は、頭痛についてお話をしていきたいと思います。

 

 

 

「頭が痛いんです…」と一口に言っても、どういう症状とともに、頭のどの部位が、どのように痛むのか問診することで、弁別していくことができます。

 

 

 

後頭部が強ばるように痛む際、風邪症状が出ていた場合は、風寒邪侵襲の可能性があり、

 

 

 

痛みの質が、重く痛むのであれば、風湿の可能性があります。

 

 

 

身体の後面を流注する足太陽経は、目とも関連がある為、目の症状や「目の奥の痛み」を訴えることもあります。

 

 

 

もともと肩こりや後頚部のこりが強いと、この場合の強ばりや痛みを自覚することが難しくなる為、発症状況を確認したり、随伴症状を確認する等追加問診が必要となります。

 

 

 

また、額を含めた頭には下記のように多くの経絡が流注しています。

 

 

 

手陽明大腸経(経筋)、足陽明胃経(経脈)、足太陽膀胱経(経脈)、足少陽三焦経(経脈、経筋、経別)、足少陽胆経(経脈、経筋)、足厥陰肝経(経脈)、督脈

 

 

 

頭と言っても、実際にどの部位が痛むのか確認することが大切になってきます。

 

 

 

発生状況や随伴症状を確認していくことで、問題のある臓腑を絞っていくことが可能となります。

 

 

 

例えば、イライラや緊張により頭部全体、頭頂部、こめかみが痛む場合は、気逆化火内風の可能性があります。

 

 

 

足厥陰肝経は眼球にも関わる為、同時に眼球痛や眼の違和感を訴えることがあります。

 

 

 

この場合、肝気逆、肝鬱化火、肝火生風、肝陽上亢、心肝火旺によるものが疑われます。

 

 

 

飲食不節が続いた際に、前頭部痛みが出た場合は、湿痰湿熱が陽明経経気の通りを邪魔している可能性があります。

 

 

 

この場合は、脾虚湿盛、痰濁上蒙、胃気逆などが考えられます。

 

 

 

睡眠不足や過労によって頭部が鈍く痛む場合は、肝陽上亢、気虚、血虚、気血両虚、肝腎陰虚などが候補に挙がります。

 

 

 

固定性の刺痛が夜間に悪化する場合は、気滞血瘀、瘀血により引き起こされている可能性がある為、外傷の有無の確認も必要となります。

 

 

 

痺れるように痛んだり、頭が重い感じで鈍痛がある場合は、湿邪の関与が考えられます。

 

 

 

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スタッフ 関連ブログ

 

 

 

つづく

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

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髪の毛について②

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は、前回の続きのお話をしていきたいと思います。

 

前回のお話 髪の毛について

 

 

 

脱髪や髪質異常が起こる場合、下記の点がポイントとなるということでした。

 

 

 

血が不足したり、停滞したりしていて頭部を濡養できない原因は、

 

 

①上焦(頭部など)にこもった熱・湿熱により血が暗耗している

 

②全身または頭部の血虚がある

 

③瘀血や湿痰によって気血の巡りが邪魔されている

 

 

主に上記の3つでした。

 

 

 

では、それぞれのパターンを弁別するためには、どのような点に気を付けて確認していかなければならないでしょうか?

 

 

 

脱髪の弁証分類には、主に4つのパターンがありますので、それらを例にみていきたいと思います。

 

 

 

1.血熱生風

 

 

 

円形や楕円形の脱毛が突然起こります。

 

 

 

これは、精神的刺激で心神が乱れるようなことがあると、心火が盛んになり、血熱が内風を生むことで脱毛が起こります。

 

 

 

火は上に燃えあがる性質があることから、身体の上部に影響を与え頭部に症状を引き起こしますので、①に含まれます。

 

 

 

2.肝腎陰虚

 

 

 

成人に多く見られ、好発部位は頭頂部や両額角で、頭皮は油っぽくなりやすく、落屑・痒みを伴うこともあります。

 

 

 

徐々に発症して持続的に脱毛部位が拡大していく特徴を持ちます。

 

 

 

陰血が不足し、血虚が起こりますので、これは②に含まれます。

 

 

 

また、気虚と血虚所見があれば、

 

 

 

3.気血両虚が疑われますので、詳細を確認してみなければなりません。

 

 

 

これは年齢に関係なく引き起こされやすく、発症前に慢性的な疾患を患っていたり、出産で多くの気血を消耗していたり、食事を上手く取れておらず、気血が上手く作られない場合に見られます。

 

 

 

上記のような状態に陥ると、毛髪は乾燥して艶がなくなり、切れやすくなります。

 

 

 

さらに、頭部全体的に脱毛して、まばらになり、慢性的に経過する特徴があります。

 

 

 

これは②に含まれます。

 

 

 

追加問診を行い、何が気血を損なっているのか、確認が必要です。

 

 

 

さらに、瘀血所見があれば、

 

 

 

4.瘀血が停滞している可能性があり、これは③に含まれます。

 

 

 

ただし、所見だけをみて断定はできない為、生活状況を聞き、弁別していく必要があります。

 

 

 

「脱髪が発症する前は、どのような生活をされてましたか?」と質問してみて、

 

 

 

七情に問題が無かったか、肉体的に大きな負荷がかかるようなイベントがなかったか、飲食に乱れがなかったか、その際の二便等の状態を伺うことで、

 

 

 

症状発症前後の病の一連の流れに加え、最も髪の毛に大きな影響を与えている原因を突き止めていきます。

 

 

 

 

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つづく

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

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『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

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