東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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五輸穴⑤

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こんばんは。齋藤です。

 

 

 

そろそろクリスマスですね。

 

 

 

街はイルミネーションで彩られ、年末だなぁとしみじみ感じる、今日この頃です。

 

 

 

それでは、前回の続きです。

 

 

 

前回の話はコチラ

 

 

 

「黄帝曰、諸原安合以致六輸。岐伯曰、原独不応五時、以経合之、以応其数、故六六三十六輸。」

 

 

 

陰経の場合は、五臓と五時で応じています。

 

 

 

しかし、陽経の場合は六腑の為、原穴が加わります。

 

 

 

その為、六腑の治療の際は、本経の原穴を使用すべきと書かれています。

 

 

 

「黄帝曰、何謂蔵主冬、時主夏、音主長夏、味主秋、色主春。願聞其故。岐伯曰、病在蔵者、取之井。病変于色者、取之榮。病時間時甚者、取之輸。病変于音者、取之経。経満而血者、取之於合、故命日味主合。是謂五変也。」

 

 

 

現代語訳は以下の通りです。

 

 

 

蔵は冬を主り、時は夏を主り、音は長夏を主り、味は秋を主り、色は春を主るとは、何を言うのか。

 

 

 

病が蔵にある場合は、邪気が深く侵入しているので、治療に際しては井穴を刺すべきです。

 

 

 

疾病の変化が顔の色に現れている場合は、治療に際しては榮穴に刺すべきです。

 

 

 

病状が軽くなったり、重くなったりするものは、治療に際しては輸穴に刺すべきです。

 

 

 

疾病の影響が声の変化に現れるものは、経穴を刺すべきです。

 

 

 

経脈が満ちて瘀血があるもの、病が陽明胃経にあるもの、及び飲食の不摂生による疾病は、治療に際してみな合穴に刺すべきです。

 

 

 

それゆえ、味は合を主るというのです。

 

 

 

以上が、五変の表す異なる特徴と、五輸と相応する鍼治療法であります。

 

 

 

五行の五輸をしっかりと意識して説明されていますね。

 

 

 

歴代の医家である馬蒔先生は「五変以て五輸を主る」に関して、以下の様に説明しています。

 

 

 

五臓は冬を主るので、およそ病が蔵にあれば、必ず五臓の井穴を取るのである。

 

 

 

例えば、肝なら大敦に取り、心なら少衝に取る。

 

 

 

色は春に生ずるので、およそ病が色に在れば、必ず五臓の榮穴に取るのである。

 

 

 

例えば、肝なら行間に取り、心なら少府に取る。

 

 

 

という様な感じで、説明しております。

 

 

 

霊枢「順気一日分為四時篇」では、五変の意味と、五変が病を決定する事、鍼治療の五輸との相関関係を説明していて、その運用に合わせて配穴を決定していることを説明しています。

 

 

 

井穴=心下満だけではなく、こういった色々な考え方を頭に入れて、色々な方面から考えていくことが大事だと思います。

 
 
 
 
 
参考文献 

『現代語訳 黄帝内経霊枢 上巻』 南京中医学院編 石田秀実監訳 (東洋学術出版)

『意釈黄帝内經霊枢』 小曽戸丈夫+浜田善利共著 (築地出版)

 

 

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手足のしびれ

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は前回の続きで、手足のしびれについて、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

前回までのお話はこちら!

手足の痛み

手足のだるさ

手足のほてり

 

 

 

皮膚の知覚が麻痺することを麻木といい、手足がしびれることを四肢麻木といいます。

 

 

 

また、皮膚の正常な感覚の欠如やしびれを肌膚麻木といい、麻痺のことを不仁といいます。

 

 

 

知覚が麻痺している不快な感覚を「しびれ」として訴える場合もあります。

 

 

 

問診では、まず始めに症状が

 

 

 

・左右どちら側で起こっているのか

 

・どの経絡上で起こっているのか

 

 

 

を確認し、見極めていきます。

 

 

 

四肢麻木の弁証分類は、主に6つあります。

 

 

 

まずは外感により四肢麻木が引き起こされる場合の分類です。

 

 

 

1.風中経絡

 

 

 

風邪や風寒邪が侵襲して、経脈が濡養されず気血不和となってしまい、四肢の麻木を発症します。

 

 

 

遊走性の麻木で軽度の口眼喎斜を伴っていた場合は、風邪中心

 

 

 

固定性の疼痛、四肢の冷え、悪寒を随伴していた場合は、寒邪中心であることが分かります。

 

 

 

そして次の5つは、内傷により四肢麻木が引き起こされる場合の分類です。

 

 

 

2.気血両虚動風

 

 

 

過労などにより、気血が損耗してしまい、経絡の気が虚すことで風が生じて発症します。

 

 

 

この場合、四肢に力が入りづらかったり、気虚や血虚所見を伴います。

 

 

 

3.気滞血瘀

 

 

 

精神的ストレスがかかるなどの情志の問題や外傷、慢性的な疾患によって邪が経絡に侵襲して気滞血瘀が引き起こされますが、

 

 

 

そのことによって経絡の通りを阻害してしまい、濡養失調を引き起こして発症します。

 

 

 

麻木に軽度の痛みを伴い、痛み方に波がある場合は、気滞中心

 

 

 

固定性かつ持続性の疼痛を伴い、他にも瘀血所見がみられれば、瘀血中心である可能性が高くなります。

 

 

 

4.肝陽化風

 

 

 

喜怒が激しいなど肝気が旺盛な状態では、化火生風して四肢の麻木を発症することがあります。

 

 

 

この場合、風による振戦を伴い、煩燥して怒りっぽくなるという特徴があります。

 

 

 

5.風痰阻絡

 

 

 

痰飲を長期間溜め込んでいると、内風を生じたり、外風をきっかけにして、

 

 

 

風痰に変化して経絡の気血の流れを阻害して発症します。

 

 

 

この場合も風が関与することで、振戦がみられますが、掻痒感や頭暈を伴うことが多いという特徴があります。

 

 

 

6.湿熱鬱阻

 

 

 

甘味、脂物、辛味、酒を摂りすぎてしまう等の飲食不節や多湿となるような天候の影響により、

 

 

 

身体に湿熱が溜め込まれてしまい、それが経絡を阻害して四肢の麻木を発症します。

 

 

 

灼重感を伴うことが特徴で、特に足に顕著にみられ、冷たいものに触れることで緩解します。

 

 

 

手足のしびれについては、以上です。

 

 

 

次回は、手足の震えについて、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

院長 関連ブログ

スタッフ 関連ブログ

 

 

 

つづく

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

 

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