東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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体重の増減がある②

 

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は前回の続きで、消痩の弁証分類について、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

前回のお話しはこちら!

体重の増減がある 肥胖の弁証分類

 

 

 

消痩の弁証分類は主に6つあり、病因は全て内傷に分類されます。

 

 

 

1.脾胃気虚

 

 

 

後天の栄養不良や思慮過度による脾胃の損傷によって生じます。

 

 

 

この場合、食欲不振、食後の腹満、軟便、泥状便、疲労倦怠感、息切れ、懶言がみられます。

 

 

 

2.気血両虚

 

 

 

過労や病後の失調により、気血の生化不足により生じます。

 

 

 

顔色が萎黄で艶がなく、疲労倦怠感、息切れ、懶言、頭暈、眩暈感がみられます。

 

 

 

3.肺陰虚

 

 

 

長期の咳嗽による肺の損傷や肺を傷害するなどの原因により、肺津、肺陰が消耗することで生じます。

 

 

 

乾咳、少ない痰、痰に血が混じったり喀血がみられる、口咽の乾燥感、潮熱、盗汗、午後の頬部紅潮がみられます。

 

 

 

4.胃熱

 

 

 

辛辣物、甘味や脂物の過食による化熱や、熱邪が津液を消耗して生じます。

 

 

 

口渇、喜冷飲、多食しても飢餓感がある、胸やけ、口臭、尿が濃い、硬い大便がみられます。

 

 

 

5.肝火

 

 

 

陰虚体質あるいは抑鬱、怒り、悩みによる肝鬱化火で肝火が亢盛となり営陰が消耗して生じます。

 

 

 

イライラ、易怒、頭暈、眩暈感、脇肋部の灼熱感と疼痛、口苦、目の充血、尿が濃い、硬い大便がみられます。

 

 

 

6.虫積

 

 

 

不潔な飲食物に寄生虫が生じ、胃中不和や脾の運化失調が生じたために引き起こされます。

 

 

 

顔色萎黄、胸やけ、臍周囲の発作性の疼痛、食欲不振または異食症、軟便がみられ、

 

 

 

この場合、まずは寄生虫を除去するための治療を行うべきとされています。

 

 

 

消痩についてのお話しは以上です。

 

 

 

次回は「顔面神経麻痺」について、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

 

 

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疲れやすい

 

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は「疲れやすさ」について、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

精神的、肉体的な疲労感を「疲乏」といいます。

 

 

 

「疲れやすい」という表現には「神疲」「乏力」の2種類があります。

 

 

 

神疲は、精神的に萎えることで、精神力の欠如を指します。

 

 

 

乏力は、肉体的に倦怠することで、体力の欠如を指します。

 

 

 

「疲れやすい」という場合、このいずれか、または両方に該当するのかを問診ではっきりさせていきます。

 

 

 

そのためには、患者の生活習慣、仕事内容、肉体的・精神的負荷の程度、趣味などを絡めて問診していきます。

 

 

 

「一日中しんどいんです」という訴えがあったとしても、「休日はスポーツをするし、身体を動かした後はスッキリして、元気が出てくる」ということであれば、

 

 

 

神疲であり、仕事場での精神的負荷が原因で気の停滞が起こっているものと判断する材料となります。

 

 

 

肉体労働者で「朝は元気だけど、夕方18時頃から横になりたくなるくらい、しんどくなる」という場合はどうでしょう?

 

 

 

この場合は、乏力で、労倦による気虚の可能性が出てきます。

 

 

 

「朝しんどい」という訴えがあった場合、活動してしばらくすると倦怠感がとれてくるのであれば、

 

 

 

気虚ではなく、睡眠という安静状態が一定の気血の停滞を引き起こしたことで生じたものと判断出来ます。

 

 

 

疲乏の弁証分類は、主に4つあり、全て病因は内傷に分類されます。

 

 

 

1.暑耗肺胃気陰

 

 

 

暑邪の発泄する性質により、気や津液を消耗して生じます。

 

 

 

盛夏の暑熱の時期に起こりやすく、元気が出ない、全身の無力倦怠感、息切れ、懶言、身熱、発汗、心煩、口渇、食欲不振、軟便がみられます。

 

 

 

2.脾虚湿困

 

 

 

疲労や飲食不節により脾が虚し、脾の運化が低下して水湿が停滞すると、

 

 

 

湿邪の重濁性により、清陽が上昇できず、全身の疲労・倦怠・無力感が生じます。

 

 

 

夏から秋によくみられる特徴があります。

 

 

 

この場合、倦怠感、懶言、身重、口苦、口乾、軽度の寒気、胸腹部が脹って苦しい、食欲低下、尿量が少ないといった症状がみられます。

 

 

 

3.気血両虚

 

 

 

先天不足、病後、慢性病などで気血が不足し、栄養状態が低下して生じます。

 

 

 

疲労倦怠感、息切れ、懶言、声に力が無い、眩暈、不眠、自汗、動悸、手足の痺れ、顔に艶が無いといった症状がみられます。

 

 

 

また、北辰会方式では、肝鬱気滞による疲乏についても弁別します。

 

 

 

なかには心神に問題があることで、実際には疲れる要因がなくても「疲れやすい」と訴える場合もあります。

 

 

 

肝鬱や心神に問題がある場合は、疲れてやる気が出ない、善太息、倦怠感、漠然とした不安感や鬱々とした患者に支配されるといった症状がみられ、

 

 

 

何か楽しいことをして気が紛れると、疲れを感じなくなる特徴があります。

 

 

 

疲乏についてのお話は、以上です。

 

 

 

次回は「先天性の異常がある」ことについて、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

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『基礎中医学』

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