東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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問寒熱②

 

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は前回の続きで、問寒熱のポイントについて、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

前回のお話しはこちら!

問寒熱

 

悪寒発熱があれば表証の可能性が高くなり、無ければ裏証の可能性が出てきます。

 

 

 

表証とは、つまり太陽病、衛分証、上焦証のことを指します。

 

 

 

表証の場合は、悪寒発熱の所見が重要となってきますが、その他の症状についても聞いていくことで、より表証の弁証を確定することに繋がり、舌脈所見と刷り合わせることで確定させていきます。

 

 

 

頭痛や身体痛は、邪が体表部位の経絡に鬱滞して、気血の運行を妨げることによって起きます。

 

 

 

また、肺は皮毛を主り、鼻は肺の竅である為、邪気が皮毛や口鼻から侵入すると、肺の宣発粛降機能が失調してしまい、鼻閉、鼻汁、咳嗽が起こりやすくなります。

 

 

 

舌については、邪が体内に深く侵入していないと舌苔の変化は顕著に現れないものの、風寒表証では普段よりも舌が潤い、風熱表証では舌尖や舌辺が紅くなるといった特徴がみられます。

 

 

 

脈は、外邪が表を襲うと正気が抗争する為、脈気が外に向かって流れる為、一般的には浮脈となります。

 

 

 

表証の場合は、必ず悪寒か発熱のいずれか、または両方同時に存在します。

 

 

 

まずは表寒証なのか、表熱証なのかを身体症状を確認することで区別を明らかにしていきます。

 

 

 

悪寒が重く、発熱が軽いということであれば、表寒証、

 

 

 

発熱が重く、悪寒が軽いということであれば、表熱証であるといえます。

 

 

 

表寒証と表熱証の違いをまとめると、次の通りです。

 

 

 

  • 表寒証

 

無汗、口渇なし、苔薄白、舌質は不変とされるが普段よりも湿潤、脈浮緊

 

 

 

  • 表熱証

 

無汗または有汗、軽度の口渇、舌尖・舌辺が紅い、脈浮数

 

 

 

他に、畏寒はあるが発熱しないものは但寒不熱で寒、発熱のみで悪寒がしないものは寒熱往来といいます。

 

 

 

また、不定期な発作に加えて胸脇苦満、口苦、咽乾、食欲減退、脈弦がみられる場合は、少陽病の半表半裏証の可能性があります。

 

 

 

問寒熱についてのお話は以上です。

 

 

 

次回は「飲食と味覚」について、お話していきたいと思います。

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は「八綱陰陽:はっこういんよう」について、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

『素問』陰陽応象大論篇に「陰陽は天地の道」とあり、陰陽がすべてですよといった内容の記載がありますが、臨床ではどのように捉えて、活用すればよいのでしょうか?

 

 

 

張仲景の『傷寒雑病論』で初めて体系化され、弁証論治の原則が確立したとされています。

 

 

 

基本的には十問診とともに八綱陰陽弁証に沿って問診を進めていき、気血津液弁証、臓腑経絡弁証など、その他の弁証の鑑別を行っていきます。

 

 

 

八綱陰陽弁証を行うにあたり、表裏、寒熱、虚実の鑑別に役立つ問診項目は次の通りです。

 

 

 

①寒熱について問診し、表裏の鑑別、寒熱の鑑別を行います。

 

 

②飲食について問診し、虚実の鑑別、正気の状態をみます。

 

 

③口渇について問診し、裏における寒熱、虚実の鑑別を行う。

 

 

④汗について問診し、表における虚実の鑑別、裏における虚実の鑑別を行う。

 

 

⑤二便について問診し、寒熱、虚実の鑑別を行う。

 

 

 

以上の手順で、それぞれの項目に関して、ある程度の八綱陰陽弁証が弁別可能となります。

 

 

また、この八綱を正確に把握することが出来れば、患者さんを悪化させることなく安全に効果的に治療することが出来ます。

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

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