東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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消痩とは②

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「消痩(しょうそう)」の続きのお話していきたいと思います。
 
 
 
前回のお話はこちら!
 
 
 
まずは「肺陰虚の消痩」についてです。
 
 
 
長期の咳嗽により肺の損傷、燥熱が肺を傷害することで、肺津・肺陰を消耗することで消痩が生じます。
 
 
 
肺陰不足により肺絡が損傷されているため、咳は乾性で、痰は少なめ、痰に血が混じったり、喀血がみられたりします。
 
 
 
また、陰虚火旺の症候である、潮熱、盗汗、五心煩熱、午後の頬部紅潮がみられます。
 
 
 
次に胃熱と肝火の消痩についてです。
 
 
 
いずれも実熱の症候ですが、随伴症状により、主体は胃なのか、肝なのかを明らかにします。
 
 
 
胃熱の消痩は、辛味、熱いもの、甘味、脂物などの食べ過ぎによる化熱、熱邪が裏に入るなどの原因により、熱が津液を消耗して発生します。
 
 
 
特徴は、胃熱により食欲が出て多食しても飢餓感があり、津液不足により口渇があって、喜冷飲、胸焼け、口臭、大便が硬いといった症候を呈します。
 
 
 
肝火の消痩は、陰虚体質、抑うつ、怒り、悩みなどの肝鬱化火により、肝火が亢盛となり営陰が消耗して発生します。
 
 
 
頭のふらつき、めまい感、イライラ、易怒、胸肋部の灼熱感と疼痛といった肝火による疏泄失調症候がみられます。
 
 
 
そして、虫積の消痩という弁証分類もあります。
 
 
 
これは不潔な飲食物により寄生虫が生じ、胃中不和や脾の運化失調が生じたために起きます。
 
 
 
特徴は、顔面萎黄、食欲不振、軟便といった脾の運化失調の症候と、発作的に臍周囲の痛み、異食症などの虫積による胃中不和の症候がみられることです。
 
 
 
以上のように、消痩は栄養不良により起こるものですが、消痩=虚証とは言えないため、虚実とその程度をはっきりさせる必要があります。
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 

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肥胖とは

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は肥胖(ひはん)について、お話していきたいと思います。
 
 
 
肥胖とは、肥満のことを指し、体形が一般の人よりも太っていることを指します。
 
 
 
随伴症状として、頭のふらつき、無力感、懶言、息切れがみられることが多いです。
 
 
 
ただし、身体が太っていても、顔色が良く元気で、舌脈が正常で、診察上も異常がない者は肥満の範疇には入らない。
 
 
 
弁証分類は主に2つあり、次の通りです。
 
 
 
1.湿痰内薀の肥胖
 
 
 
暴飲暴食、長期に渡る食欲亢進、美食、甘味、脂物ものを好むなどにより、脾の運化が失調して湿痰が生じ、湿痰が肌肉に流注することで発生します。
 
 
 
先天的素因とも一定の関係があり、実証に分類されます。
 
 
 
特徴は、胸のつかえ、身体が重くだるい、痰が多い、舌質胖、舌苔膩などがみられることです。
 
 
 
2.気虚の肥胖
 
 
 
疲労、飲食不節などにより脾気虚となり発生します。
 
 
 
見た目は肥満しているが、実際には元気が虚している状態で、虚証に属します。
 
 
 
特徴は、息切れ、無力感、悪風、自汗がみられます。
 
 
 
肥満の原因は、複雑で、体質、年齢、食習慣、労逸、情緒、遺伝などと関係があります。
 
 
 
弁証において、虚実のウエイトが異なるものの、多くは虚実挟雑で、痰湿が盛んな者も長期間経過すると気虚を伴い、気虚のものは脾の運化が低下して痰湿を生じます。
 
 
 
また、鍼灸による治療だけではなく、飲食を節制したり、適度な肉体労働や運動するように養生指導を行い、総合的に治療を進めることが特に重要になる疾患の1つといえます。
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店

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