東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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遠視が起こる病因病理とは

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「遠視」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
遠視とは、近視と反対で、遠くが見えて近くが見づらい、または遠くのほうが鮮明に見えやすい状態のことを指します。
 
 
 
主な弁証分類は次の通りです。
 
 
 
1.陰精不足の遠視
 
2.陰虚火旺の遠視
 
3.気血両虚の遠視
 
4.陰陽両虚の遠視
 
 
 
陰精不足、陰虚火旺、気血両虚の遠視は、青壮年で多くみられますが、陰陽両虚の遠視は老衰により見られるものが多い為、注意して養生を指導をして進行を緩やかにすることが大事となります。
 
 
 
まず、本日は陰精不足の遠視について、お話していきたいと思います。
 
 
 
房事過多、飲食不節、肉体疲労、過度の悲嘆により、陰精が消耗して、身体の上方にある目竅に光華(陽気)を集められない事によって引き起こされます。
 
 
 
遠方を見る場合は陽火が発散している為、近くを見る場合と比較して見えやすくなります。
 
 
 
この場合、五心煩熱、口咽の乾燥がみられ、重篤になると盗汗、遺精、歯の動揺を伴い、舌質紅、少苔、脈細数を呈して、陰精不足の症候がみられます。
 
 
 
治法は、滋水益精を用います。
 
 
 
遠くがはっきり見えるのは陽気(火)が発散するからですが、『此事難知』に「目よく遠く視るは、その有火に責し、近く視るあたはざるは、その無水に責す、法はまさに補腎すべし」とある通りです。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 

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喉中梗阻(こうちゅうこうそ)とは

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「喉中梗阻(こうちゅうこうそ)」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
喉中梗阻(こうちゅうこうそ)とは、咽喉部が異物で梗塞されている感じがあり、喀出しようとしても、飲み下そうとしても取れないが、飲食物の通過には支障がないことを指します。
 
 
 
『金匱要略』では、「咽中に炙齧あるが如し」と述べられており、『古今医鑑』では「梅核気」と記載されています。
 
 
 
主な弁証分類は次の3つです。
 
 
 
1.肝気上逆の喉中梗阻
 
2.痰凝気滞の喉中梗阻
 
3.肺熱陰虚の喉中梗阻
 
 
 
まずは肝気上逆の喉中梗阻についてです。
 
 
 
内傷七情で肝の疏泄が失調し、気の昇降が停滞することで発生します。
 
 
 
咽喉部に球状物が詰まっているような梗塞感を覚え、喀出することも飲み下すことも出来ず、時々消失するものの、情緒の抑うつにより増悪する特徴を持ちます。
 
 
 
飲食物の通過には支障が無く、嚥下は正常であるという特徴を持ちます。
 
 
 
その他にも、頭のふらつき、イライラ、易怒、胸脇苦満と脹痛、曖気といった肝鬱の症候を伴います。
 
 
 
この場合、舌苔は薄く、脈弦がみられます。
 
 
 
治法は、疏肝理気を用います。
 
 
 
次に痰凝気滞の喉中梗阻についてです。
 
 
 
脾の運化が失調して痰湿が生じ、痰が凝滞することで気滞が生じて発生します。
 
 
 
この場合、咽喉部の梗塞感は増悪緩解を繰り返し、多量の粘稠な痰があるものの喀出しづらく、胸苦しくてスッキリしない特徴を持ちます。
 
 
 
その他にも、食欲不振、舌苔膩、脈濡滑がみられます。
 
 
 
治法は、化痰宣中を用います。
 
 
 
湿痰挟熱して咽喉部が発赤し、黄色の痰を伴う場合は、化痰清熱を用います。
 
 
 
最後に肺熱陰虚の喉中梗阻についてです。
 
 
 
肺熱が持続して陰液を消耗し、咽喉が濡潤されないために発生します。
 
 
 
この場合、咽喉部の発赤、乾燥、軽度の疼痛、梗塞感がみられます。
 
 
 
その他にも乾咳、少量の痰、強い熱感、盗汗をともないます。
 
 
 
また、舌苔は薄黄、舌質紅、脈細数を呈します。
 
 
 
治法は、潤肺清熱を用います。
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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