東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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咳痰(がいたん)とは②

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は咳痰の続きで、「咳痰の弁証分類」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
弁証分類は主に6つあり、次の通りです。
 
 
 
1.肺熱の咳痰
 
2.肺寒の咳痰
 
3.風邪犯肺の咳痰
 
4.陰虚肺燥の咳痰
 
5.湿邪犯肺の咳痰
 
6.湿熱薀肺の咳痰
 
 
 
以上です。
 
 
 
咳痰の鑑別では、痰の性状と症候の違いを参考にし、寒、熱、風、湿、燥、湿熱などの区別をしていきます。
 
 
 
本日は「肺熱の咳痰」、「肺寒の咳痰」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
まず、肺熱の咳痰についてです。
 
 
 
湿熱の邪を外感したり、油物、甘味を過食して痰が生じ、鬱して化熱することによって、発生します。
 
 
 
特徴は、黄色で粘稠な痰で、塊や血液が混ざることがあることです。
 
 
 
その他にも、咳嗽、発熱、口渇、口唇の乾燥、顔面紅潮、目の充血、尿が濃い、便秘、舌質紅、舌苔黄、脈滑数あるいは数で有力などの熱証を呈することです。
 
 
 
治法は、清熱化痰、止咳を用います。
 
 
 
次に、肺寒の咳痰についてです。
 
 
 
冷えや冷たいものの飲食により寒飲が生じたり、陽虚で水飲が生じて寒飲が停滞した状態で風寒を感受することで発生します。
 
 
 
特徴は、白色で希薄な痰がみられることです。
 
 
 
その他にも、寒がる、四肢の冷え、悪寒強く発熱は軽度、咳嗽、胸痛、呼吸促迫、起坐呼吸、息切れ、顔色が白い、口唇がどす黒い、舌質淡白あるいは紫暗、舌苔白滑、脈沈弦あるいは緊などの寒証を呈することです。
 
 
 
治法は、温肺化痰、止咳を用います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きで「痰湿と脾虚の咳嗽」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
いずれも痰湿による咳嗽ですが、病因病理は異なります。
 
 
 
まずは痰湿の咳嗽についてです。
 
 
 
飲食不節などにより脾の運化が障害されて痰湿が生じ、肺に痰湿が停滞して肺気を阻害するために発生します。
 
 
 
この場合、白色で多量の痰のために咳が生じ、痰を喀出すると咳が止む特徴をもちます。
 
 
 
その他にも、食欲不振、胸腹が脹って苦しい、悪心、嘔吐、顔面の浮腫などの脾の運化失調の症候を呈します。
 
 
 
舌質は白膩、脈は濡滑がみられます。
 
 
 
治法は、健脾燥湿、化痰止咳を用います。
 
 
 
痰湿が鬱して化熱し、痰熱の咳嗽になると、痰は粘稠な黄色を呈し、舌苔黄膩、脈滑数などの症候を呈します。
 
 
 
治法は清熱化痰を用います。
 
 
 
痰飲、水気が内停しているところに寒邪を感受すると寒飲を形成して、表証をともなうと、咳嗽、やや白色の希薄な痰、胸が脹るといった症状がみられます。
 
 
 
重篤になると呼吸困難、悪寒などを呈します。
 
 
 
治法は、温肺化飲を用います。
 
 
 
次に、脾虚の咳嗽についてです。
 
 
 
脾気虚で水湿の運化が低下することで痰湿が生じ、痰湿が肺気を阻害するため、発生します。
 
 
 
この場合は、白色で喀出しやすい痰が多量にみられ、息切れ、顔色が白く浮腫む、少食、倦怠感、寒がる、腹満、食欲不振、口淡無味、泥状便などの脾気虚の症候がみられます。
 
 
 
舌苔は薄白、脈は細がみられます。
 
 
 
治法は、健脾益気、燥湿化痰を用います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 

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