東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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風邪⑩

 

 

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こんばんは、永井です。

 

 

 

 

ゴールデンウィーク、お休みの方もお仕事の方もいかがお過ごしでしょうか。

街全体が賑やかな休日の雰囲気であふれています。

 

 

 

 

今回も陽明病の続きです。(前回の記事はこちらです。)

陽明病の寒証についてみていきます。

 

 

 

 

これまでみてきたように、陽明病は胃家実熱がメインですが、虚寒証のこともあります。

 

 

 

 

陽明病の虚寒証を引き起こす原因は、胃陽の不足、体内で寒が発生、飲食物の消化吸収機能の低下などです。

 

 

 

 

症状としては、食欲不振、腹部膨満感、眩暈、小便不利(小便が出にくい)、先硬後軟の便、手足の大量発汗

脈は遅、無力(但し臨床上では、脈遅、無力だからと言って全て虚寒であるとは限らず、邪に経脈を塞がれて遅脈になることもあります。)

 

 

 

 

脾胃が虚寒だと、運化機能が落ちるため、飲食物から生成される、水穀の精微(栄養分)を全身に巡らせることが出来なくなります。

 

 

 

 

その結果、食欲不振や、小便不利、排便状況は先硬後軟、手足に発汗しやすいといった症状が現れます。

 

 

 

 

治療は、温胃散寒、降逆止嘔を目的に、呉茱萸湯(ごしゅゆとう)を用います。

 

 

 

 

次回へ続きます。

 

 

 

 

 

 

参考文献

『中国傷寒論解説』 著者:劉 渡舟

『基礎中医学』 編者:神戸中医学研究所

『中医病因病機学論』 主編:宋 鷺冰

『中医弁証論』    編著:柯 雪 帆

 

 

 

 

 

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こんばんは。齋藤です。

 

 

前回の続きです。

 

 

前回の話はコチラ

 

 

前回は、気虚の一因である「先天の精不足か後天の精の失養」について書きました。

 

 

今回は、「労傷、過度な消耗(過度な下痢、嘔吐、発汗、出血)」による気虚に関して、書いていこうと思います。

 

 

大病や長患い、老化による体力の衰え、過労などにより、臓腑機能が減退することで、気が十分に生成されないことにより、気虚が発生します。

 

 

気は前回も書いたように、基本的には飲食物を摂取することで作られた水穀の精微を元に、生成されます。

 

 

その為、何かしらの原因により、臓腑機能が減少すると、気の生成機能が低下したり、そもそも食事が摂取出来なくなったりすることなどが、気虚を引き起こす一因になります。

 

 

また、過度な下痢、嘔吐、発汗、出血により、津液や血が損傷されることになります。

 

 

例えば、怪我により出血することで血が大量に減少したとします。

 

 

血は気の乗り物の様な役割を果たしているので、乗り物がなくなった気は浮遊し、いなくなると考えられております。

 

 

正常な範囲であれば、自然と回復するので問題ないのですが、何かしらの原因で大量に血が損傷した場合、気虚を引き超す原因になることが考えられます。

 

 

怪我以外にも、手術時に大量に出血したり、出産時に大量に出血する方もいます。

 

 

そういった後に、気虚の症状が出るようになっていないか、もちろん血虚の症状が出ていないか、津液の不足の症状や陰虚の症状が出ていないかを、問診で確認する必要があると思います。

 

 

長くなってしまったので、続く。

 

 

 

参考文献

『中医病因病機学』 主編:宋 鷺冰 訳:柴﨑 瑛子 (東洋学術出版社)

『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』 著:小金井信宏(東洋学術出版)

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論編』 監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人 北辰会 学術部 (緑書房)

『基礎中医学』編著:神戸中医学研究会 (燎原)

『鍼灸・漢方の名医になるための気血弁証論治学』 編著;神野英明 (たにぐち書店)

 

 
 
 
 
 

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