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こんばんは。齋藤です。
段々風が冷たくなってきましたね。
日中と夜間での寒暖差がありますので、体調管理には十分気を付けてください。
少し間が空いてしまいましたが、五味の続きを書いていこうと思います。
前回の話はコチラ。
霊枢『五味論篇』には、辛味に関して、以下の様に記載されています。
「黄帝曰、辛走気、多食之、令人洞心、何也。少兪曰、辛入于胃、其気走于上焦。上焦者、受気而営諸陽者也。薑韭之気薫之、営衛之気不時受之、久留心下。故洞心。辛与気倶行。故辛入而与汗倶出。」
以下、訳文になります。
黄帝が言う。「辛味は気分に行き、辛味の食べ過ぎは、心の中が空虚な感じにさせるが、これはどうしてだろうか。」
少兪が言う。「辛味はまず、上焦に作用します。
上焦の機能は中焦の気を受けて、それを腠理に運行し、外部を防衛する作用を発揮させるものであります。
たとえば生姜・ニラは常に上焦を薫蒸し営衛の気はしばしばその影響を受け、その気が長く胃中にとどまるので、心内が空虚な感覚を起こさせるのです。
辛味が胃に入ると腠理を開いて汗と一緒に出ます。」
辛味は気を発散させる働きがありますので、辛味を過食することにより、陽である上焦に気が昇り過ぎてしまい、心臓部に空虚感を感じてしまう事がありますよと説明しています。
生姜やニラ以外にも辛味の物を過食することは多いと思いますので、注意が必要ですね。
参考文献
『現代語訳 黄帝内経霊枢 下巻』 南京中医学院編 石田秀実監訳 (東洋学術出版)
『意釈黄帝内經霊枢』 小曽戸丈夫+浜田善利共著 (築地出版)
『霊枢ハンドブック』 池田政一著 (医道の日本社)
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こんばんは。齋藤です。
やっと関東では秋の陽気になってきましたね。
こんな天気ですと、往診で自転車を漕いでいても気持ちがいいです。
それでは前回の続きです。
前回の話はコチラ。
次は、鹹味。
鹹味とは塩辛い味のことです。
五味論篇には以下の様に記載されています。
「黄帝曰、鹹走血、多食之、令人渇、何也。少兪曰、鹹入干胃、其気上走中焦、注干脈、則血気走之、血与鹹相得則凝、凝則胃中汁注之、注之則胃中竭、竭則咽路焦。故舌本乾而善渇。血脈者、中焦之道也。故鹹入而走血矣。」
以下、訳になります。
鹹味はよく血分へゆき、その気味は中焦(脾、胃)へゆき、血脈に注ぎ血と結合します。
結合すると血は濃くなり、胃内の津液が絶えず注いで補充し調和しなければならなくなり、その結果、胃内の津液が不足し、のどの津液も足りなくなり口渇を覚えます。
塩辛いものを食べ過ぎると、単純に水分が欲しくなりますよね。
西洋医学で考えると、体内の塩分濃度を薄めるがために、水分量を増やしていくという現象です。
先人達はこの現象をしっかりと観察、考察していたのですね。
続く。
参考文献
『現代語訳 黄帝内経霊枢 下巻』 南京中医学院編 石田秀実監訳 (東洋学術出版)
『意釈黄帝内經霊枢』 小曽戸丈夫+浜田善利共著 (築地出版)
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