東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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五味⑭

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こんばんは。齋藤です。

 

 

 

前回の続きです。

 

 

 

前回の話はコチラ

 

 

 

前回に引き続き、霊枢「五味論篇」に記載されております、甘味に関して書いていこうと思います。

 

 

 

以下、原文です。

 

 

 

「黄帝曰、甘走肉、多食之、令人悗心、何也。少兪曰、甘入于胃、其気弱小、不能上至于上焦、而与穀留于胃中者、令人柔潤者也。胃柔則緩、緩則虫動、虫動則令人悗心。其気外通於肉。故甘走肉。」

 

 

 

以下、訳文です。

 

 

 

「黄帝曰く、甘味は肌肉にいき、食べ過ぎると人の心中を煩悶させるが、これはどうしてだろうか。

 

 

 

少兪が言う。甘味の気は柔和ですので、上って上焦へ到達することが出来ず、飲食物とともに胃中にとどまります。

 

 

 

胃の気も柔潤なので、胃が柔弱ですと、胃の機能が減弱し、胃の機能が減弱すると腸中の寄生虫が機に乗じて活動し、虫が活動しだすと悶えさせ心を乱します。

 

 

 

甘味は脾に入り、脾は肌肉を主るので、甘味は身体外部の肌肉へゆくのです。」

 

 

 

甘味は、滋養強壮作用があるので、身体気血の虚に有効とされています。

 

 

 

甘味は五味の中で一番弱く、上焦に上ることができず、胃腸に留まります。

 

 

 

甘味には緩める作用もあるので、胃腸が緩むことにより、蛔虫が力を得て動き出します。

 

 

 

蛔虫とは寄生虫で、その蛔虫が動き出すことにより、心臓部に煩悶感を起こすと考えられています。

 

 

 

長い事色々と書いてきましたが、今回で五味論篇は終了になります。

 

 

 

続く。

 

 

 

参考文献

『現代語訳 黄帝内経霊枢 下巻』 南京中医学院編 石田秀実監訳 (東洋学術出版)

『意釈黄帝内經霊枢』 小曽戸丈夫+浜田善利共著 (築地出版)

『霊枢ハンドブック』 池田政一著 (医道の日本社)

 

 

 

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五味⑫

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こんばんは。齋藤です。

 

 

 

前回の続きです。

 

 

 

前回の話はコチラ

 

 

 

前回に引き続き、霊枢「五味論篇」に記載されております、苦味に関して書いていこうと思います。

 

 

 

以下、原文になります。

 

 

 

『黄帝曰、苦走骨、多食之、令人変嘔、何也。少兪曰、苦入于胃、五穀之気、皆不能勝苦。苦入下脘、三焦之道皆閉而不通。故変嘔。歯者、骨之所終也。故苦入而走骨。故入而復出、知其走骨也。』

 

 

 

以下、訳文になります。

 

 

 

黄帝が言う。「苦味のものは骨に親和性をもっており、食べ過ぎると嘔吐させるが、これはどうしてだろうか。」

 

 

 

少兪が言う。「苦味は五穀の気のすべてに勝ち、苦味が下脘に侵入すると、三焦が通ぜず、胃に入った水穀がうまく消化・吸収・輸送できず、機能に異常をきたし、胃の気が逆上し、変化して嘔吐するのです。

 

 

 

苦味は胃に入ると、骨に行き、さらに歯にゆきます。

 

 

 

それで、すでに胃に入った苦味がもう一度吐き出されるので、その苦味が骨に行ったことが分かるのです。」

 

 

 

苦味の食べ物というと、ゴーヤやゴボウなどが思いつきますね。

 

 

 

苦味には、瀉出し、水滞を乾かし、堅める作用があり、熱証や体内に湿気がこもって起こる病気に効果があります。

 

 

 

苦味が胃に入ることにより、苦味の働きにより、三焦の通路(通調水道)が堅くなって、閉塞し通じなくなるので、嘔吐します。

 

 

 

苦味が吐き出されたことが、他の臓腑や組織に行かずに、歯に入ろうとしている証拠になります。

 

 

 

少し分かりづらいですよね。笑

 

 

 

続く。

 

 

 

参考文献

『現代語訳 黄帝内経霊枢 下巻』 南京中医学院編 石田秀実監訳 (東洋学術出版)

『意釈黄帝内經霊枢』 小曽戸丈夫+浜田善利共著 (築地出版)

『霊枢ハンドブック』 池田政一著 (医道の日本社)

『中医臨床のための中薬学』 神戸中医学研究会編著 (医歯薬出版株式会社)

 

 

 

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