東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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現代人に多い熱の発生と治療(その2)

こんばんは、森岡です(^_^)

前回までのお話・・・

現代人に多い熱の発生と治療(その1)

続き行きます!!

今日は「熱証」についてです。

体に”熱がある”と聞くと、東洋医学をあまり知らない方は、

「風邪を引いた時に体温計ではかると高くなってる、あれね」と、

”体温の発熱”を想像する方がほとんどなんじゃないかと思います。

鍼灸師でもそう思っている方々がたまにいらっしゃいますが・・・

しかし、東洋医学において”熱がある”というのは、それとは異なります。

”体温計で熱をはかる”という行為は、もちろん古代にはありません。

これは、西洋医学における診断行為です。

しかし、数千年前に書かれた東洋医学の古典には「熱」の記載が多くあります。

この辺を混同してしまうと訳わかんなくなっちゃうんです。

院長ブログでもそのように言っております。

湿熱について  参照

では何をもって、東洋医学的に”熱がある”と診断できるのでしょうか。

それは文頭にも書きました、「熱証」という症状があるということで診断できます。

代表的な症状・所見としては、

1.暑がる、または皮膚を触ると熱い

2.寒冷を好む

3.口や喉が渇き、ごくごく勢いよく飲む

4.冷たい飲食物を好む

5.顔が赤く紅潮し、目が充血する

6.落ち着きがなく、不安がり、動きがせわしない

7.大便が硬くなる、または便秘となる

8.小便が濃い黄色となり、少なくなる

9.大・小便の臭いがきつくなり、時に排泄時に灼熱感を伴う

10.舌の色が赤くなる(正常は明るいピンク色)

この辺が代表的な症状です。

なぜ、このような症状となるかの詳しいメカニズムは割愛しますが、簡単に言えば、

体の”余分な熱”が悪さをしているのですから、体内の正常なお水が乾かされ、減少するため、

体全体が水分不足の”乾燥状態”となる訳です。

問診や体表観察でこういった症状・所見が数個見られれば、「熱証」と判断できます。

ですから、たとえ体温計で熱をはかった時に高熱でも、本人が、

”寒がっていたり”、”悪寒があったり”、”温めた方が楽だったり”、”顔が青白かったり”、”喉が乾かなかったり”

する場合は「熱証」とはならないのです。

上の様なケースではむしろ、冷え症状がメインの「寒証」となり、治療としては”温める”という方法が中心となってきます。

この辺が陰陽論の素晴らしいところでしょう。

では「熱証」が証明されたら治療はどの様にしていくのでしょうか?

次回に続く。

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現代人に多い熱邪の発生と治療(その1)

こんばんは、森岡です(^_^)

以前、熱についてのお話をしました。

動物治療から考察する「臭い」と「熱」

マイコプラズマ肺炎急増(その1~8)  

この熱ですが、全てが悪い訳ではなく、ある程度の熱は体にとって必要です。

体を温め、護り、五臓六腑の活動を円滑にします。

しかし、これが過剰になると体にとって有害な「邪」となり、様々な悪影響を与えるようになります。

有害な邪となったものを「熱邪」とか「火邪(かじゃ)」と呼びます。

現代人は、この「熱邪」・「火邪」による病気が非常に多いです。

では、この二つの邪はどのようにして発生するのでしょう?

原因は大まかに分けて、以下のものがあると考えられます。

1.ストレスや感情の起伏などによる精神的疲労

2.暴飲暴食
 (特に味の濃いもの・甘いもの・脂っぽいもの・辛いもの・酒など)

3.睡眠不足やオーバーワークなどによる肉体的疲労

4.ある種の風邪

5.季節・天候(暑さや乾燥など)

ストレス社会、食生活の欧米化、過労、環境破壊による異常気象etcetc・・・

現代に「熱邪」による病気が増えるのは必然的であると思います。

また、これらがいくつか絡み合うことによって、更に「熱邪」を発生させやすくなります。

そして、「熱邪」によって引き起こされた症状を、

「熱証(ねつしょう)」

と言い、特徴的な症状を呈します。

次回に続く。

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