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こんばんは 謝敷です^^
前回まではCochranライブラリーにおける緊張型頭痛と片頭痛への鍼灸施術の評価を見て参りました。
今回は、UpToDateと日本における頭痛の診療ガイドラインにおける、
鍼灸治療に対する評価をご紹介します。
まずはUpToDateから…
緊張型頭痛に対する鍼灸効果については、予防治療の記事の中で、
頭痛頻度は減少できたものの、その効果量は小さく、エビデンスレベルも中程度、
偽鍼との比較においては、統計的な効果量が示されていなかったと記載されており、
予防効果は限定的ではあるものの、鍼治療はリスクの少ない治療であり、
服薬が不可能な方でも使用できる手段であると紹介しています。
反復性の片頭痛に対する鍼灸効果についても、予防治療の記事の中で
研究においてバラつきがあるものの、プラセボ薬よりは効果があり、
鍼治療も偽鍼共に、頭痛の頻度を下げる結果が報告されていること、
また、偽鍼や伝統医学的な鍼灸と現代医学的な鍼灸との間では
統計上の効果の差は見られなかったことを報告しています。
海外では、エビデンスが限定的であるけれども、無治療や服薬が困難な方には治療や予防の選択肢となる
というニュアンスの推奨度となっているのですね。
日本における頭痛の診療ガイドライン2021でも、
非薬物療法の一つとして
「薬物療法が禁忌などで使用できない場合や薬物療法と併用する場合などにおいて考慮すべき治療」
として紹介されており、
「メタアナリシスで有効が認められているが、よりいっそうの検討が必要である」
としてエビデンスの確実性Cと記載されています。
具体的には、慢性頭痛の予防的役割のほか、
非薬物療法としても有用な可能性があることが示されています。
また慢性頭痛に対しては多職種連携によるチーム医療(集学的治療)が
推奨(弱い推奨/エビデンスの確実性B)にて紹介されており、
埼玉国際頭痛センターでは、作業療法士や薬剤師とともに鍼灸師が携わっている例が紹介されています。
疾患の病態が複雑・多様になっている現代において、
多職種連携やチーム医療は必要不可欠であると思いますが、
東洋医学という異なる生理・解剖理論をもつ鍼灸師が、
現代医療の現場で、どのようにコミュニケーションをとり、
何を強みとし、どのように生かしていくかは課題であり、
鍼灸師としての真価が問われるように思います。
参考文献
・UpToDate Tension-type headache in adults: Preventive treatment
・UpToDate Preventive treatment of episodic migraine in adults
・頭痛の診療ガイドライン2021 https://www.jhsnet.net/pdf/guideline_2021.pdf
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こんばんは 謝敷です^^
先週は片頭痛に関するCochranライブラリーの概要をご紹介致しました。
今回は、検討された論文の結果についてご紹介いたします。
(※結果の表記は大幅に省略していますので、ご興味ある方は本文をご参照ください)。
▽通常治療と比較した場合
頭痛発症回数が半減した割合は、
鍼治療を受けなかった群で17%、鍼治療を受けた群で41%と、
有意な差があったことが報告されています。
▽偽鍼と比較した場合
頭痛発症回数が半減した割合は、
偽鍼群では41%、鍼治療群では50%であり、僅かながら有意な差があったことが報告されています。
▽予防薬と比較した場合
頭痛発症回数が半減した割合は、治療から3か月時点では、
予防薬服用群では46%、鍼治療群では57%と有意差が認められたことが報告されていますが、
6か月時点では、その割合は、予防薬服用群にて54%、鍼治療群では59%となり、
両群の差は意味ある結果を示すことはできていません。
副作用については、予防薬服薬群に比べ、鍼治療群の方が少なかったことも報告されています。
これらの結果を踏まえ、Cochranライブラリーでは、
「治療前に1か月あたり平均6日の片頭痛がある人において、
通常のみのケアを行った人は5日に減少し、
偽鍼を受けた人や予防薬を服薬した人は4日に減少し、
鍼治療を受けた人は3日半に減少した」と要約して報告しています。
来週は、これらの研究結果を振り返ったCochranライブラリーの指摘事項をご紹介します!
ご参考:記事概要
データベース等にて、2名の評価者が論文要約をスクリーニングし、
2016年1月までに発表された528件のうち、22件の研究(4,985名)を抽出し効果について検討。
今回採用された文献は、ドイツ、イタリア、ブラジル、中国、スウェーデン、英国、デンマーク、オーストラリアのもの。
【対象者】突発性(一時性)片頭痛を1年以上有する者(慢性的な片頭痛は除外)
【介入方法】経穴(ツボ)や痛む場所、トリーガーポイントへの鍼刺激(鍼通電含む)
(頭皮鍼、耳鍼、指圧、レーザー鍼、経皮電気刺激、経穴への液体注入は除外)。
【比較対象】鎮痛剤の服用、偽鍼(刺さない・効果点以外への刺激等)、予防薬
(漢方、漢方と鍼灸治療の組み合わせは除外)
【評価項目】主要評価(片頭痛の頻度)
副次的評価(50%以上の発作頻度の減少)
<参考文献>
・Cochran Library
https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD001218.pub3/full/ja
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2013.09.12
2013.11.14
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