東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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食欲がない

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
空腹感はあるが、食べられないことを食欲不振、または納滞、納保、不思食といいます。
 
 
 
重篤になると、食べ物の臭いを嗅いだり、食べ物を見ただけで気分が悪くなったり、吐き気がしたりすることがあり、
 
 
 
この段階のものを厭食、悪食といいます。
 
 
 
食欲不振の弁証文例は主に8つあり、病因は全て内傷に分類されます。
 
 
 
1.肝気犯胃
 
 
 
七情の過不足によって、肝気が鬱結し、胃の腑が犯されると、胃の降濁機能が停滞して発症します。
 
 
 
上手く気が下がらなくなることで上逆して、しゃっくりやげっぷがみられます。
 
 
 
その他にも、胸脇脹悶、胸脇脹痛、精神的に抑鬱されている状態でイライラしやすくなるといった商事もみられます。
 
 
 
2.湿熱困脾(脾胃湿熱、湿熱蘊結)
 
 
 
脂物、甘味、濃い味付けを過食したり、お酒を飲み過ぎることで、脾胃に湿熱が蘊積したり、
 
 
 
外感湿熱邪の侵襲により、脾胃に湿熱邪が蘊結することにより、脾胃の昇降機能が低下して発症します。
 
 
 
吐き気を伴い、厭食、脘腹痞悶、口臭がみられます。
 
 
 
また、口渇があってもさほど飲みたがらない、全身の重怠さ、四肢が重怠く感じるといった湿邪の停滞を思わせる症状がみられます。
 
 
 
お通じも、便器についたり、臭いがきつかったりという、湿熱を思わせる特徴がみられ、スッキリ出ないという訴えがみられます。
 
 
 
お小水も色が濃い黄色となり、熱所見がみられ、湿の所見として泡立ちがみられることがあります。
 
 
 
3.胃陰虚
 
 
 
外感熱病の後期にみられやすく、熱邪によって胃陰が灼消されて発症します。
 
 
 
陰分が不足することで、口の渇き、唇、舌の乾燥がみられます。
 
 
 
また、乾嘔がみられたり、お通じが兎糞状になったり、出なくなるといった症状がみられます。
 
 
 
4.脾胃気虚
 
 
 
飲食不節や労倦によって脾胃の気が虚してしまい、発症します。
 
 
 
食欲が徐々に減退し続け、それに伴い全身倦怠感も漸増します。
 
 
 
少量飲食しただけで嘔吐したり、腹脹します。
 
 
 
嘔吐後には全身倦怠感が出る特徴があります。
 
 
 
重篤になると、全く飲食することが出来ず、少しでも飲食すると脘腹脹悶して、全身倦怠感、息切れがみられるようになります。
 
 
 
長くなってしまいそうなので、本日はここまで!
 
 
 
次回をお楽しみに!
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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視力の異常②

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は、視力の異常の続きで「暴盲」についてお話していきたいと思います。
 
 
 
 
 
 
片側、両側の視力が突然急速に低下し、視力を喪失をきたすことを「暴盲」といい、
 
 
 
眼底出血や血栓に相当する症状です。
 
 
 
弁証分類は全て内傷によるもので、主に4つに分類されます。
 
 
 
1.熱入営血
 
 
 
発熱性疾患の後期に生じる特徴があります。
 
 
 
熱邪が営血に内陥して玄府(汗腺)が閉阻され、血熱妄行して頭目を上衝すると目系を傷つけて生じます。
 
 
 
突然の視力喪失に加えて、高熱、口乾、意識障害、うわごと、斑疹がみられます。
 
 
 
2.肝火上逆
 
 
 
 
激しい怒りにより肝火が上炎し、眼球あるいは黒睛が損傷して生じます。
 
 
 
突然の片眼または両眼の視力喪失に加え、
 
 
 
眼痛、頭暈、頭痛といった上半身の症状が多くみられます。
 
 
 
また、顔面紅潮、目の充血といった熱所見や、
 
 
 
胸脇痛、口苦、イライラ、易怒といった肝の異常を思わせる症状がみられます。
 
 
 
3.陰虚火旺
 
 
 
陰虚体質、心労による心陰の消耗などで心陰虚が起き、心火が旺盛となって眼球や黒睛を損傷して生じます。
 
 
 
目の前が煙がかかったようにぼんやりと見えて、徐々に視界が広がっていき、赤い光の塊となって視力が消失するとされています。
 
 
 
頭のふらつき、眩暈もみられ、
 
 
 
その他にも、頬部紅潮、潮熱、動悸、五心煩熱といった陰虚を思わせる症状や、
 
 
 
動悸といった心の臓の異常を疑う症状もみられます。
 
 
 
4.気血瘀阻
 
 
 
イライラして怒りっぽい性質で、酒や辛辣物を嗜好する場合、気火が上逆して目系を侵してしまいます。
 
 
 
すると、眼球内の絡脈を阻滞し、気滞血瘀となり、清竅が栄養されなくなって生じます。
 
 
 
この場合、一瞬にして片眼の視力が消失し、頭痛や口苦がみられます。
 
 
 
暴盲についてのお話は以上です!
 
 
 
今回で目の症状シリーズは終わりになります。
 
 
 
次回は「眠れない」ことに関して、お話していきたいと思いますので、お楽しみに!
 
 
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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