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こんばんは!樫部です。
本日は前回の続きで「気虚と血虚の暈厥」について、お話していきたいと思います。
いずれも虚証ですが、違いは次の通りです。
まずは気虚の暈厥についてです。
この場合、元気が消耗して宗気が下陥し、脾気が昇らなくなることで生じます。
特徴は、心身の疲労(労すればすなわち気耗す)や悲しみ、恐怖(悲しめばすなわち気耗し、恐れればすなわち気下る)などにより気が消耗することで、突然意識がなくなることが多いです。
また、陽気が不足して温煦できない為、四肢が冷え、衛気虚の為に自汗が出たり、宗気下陥により呼吸微弱がみられたり、吸気が少なく呼吸停止を起こしそうになったり、覚醒後も声が弱い特徴がみられます。
気が虚して血がめぐらないことで、顔面、口唇にチアノーゼがみられたり、脈も沈弱あるいは結代し、重篤になると脈が振れない場合もあります。
治法は、補気回陽を用います。
次に血虚の暈厥についてです。
この場合は、多量の出血、嘔吐後、産後などで、気が血とともに脱して発生します。
特徴は、突然立ち上がったり、座ったりする際、あるいは出血後に、血が不足して上承しない為、意識の喪失が発生することです。
その他の随伴症状としては、顔面蒼白、口唇の色が淡でつやがない、呼吸が遅い、目が落ちくぼむ、目に輝きがない、脈が糸のように細いあるいは、細数で無力、重篤になると脈が浮大で中空などをともなうことです。
治法は、益気斂陰、補養気血を用います。
つづく
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
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こんばんは、永井です。
空気が冷たく風が強い日が続いていますね。
電車などで風邪を引いていそうな人を多く見かけます。
今日は風邪症候群についてです。
東洋医学での風邪は症状一つ一つに対して原因が異なります。
また六経分類といって、病の進行具合により、
程度が軽いものから順番に、太陽病、少陽病、陽明病、太陰病、
普段一般的な風邪症状と言われるのは、
まず、太陽病とは、外感病の初期段階で、正気が外邪に対して抵抗を始めたばかりの段階です。体表部位のみでの正邪闘争であるため、表証と言います。
太陽病の条文には、脈浮、頭項強痛して悪寒す、とあります。これは、脈が浮いて頭痛がしたり、項(うなじ)
どうして脈が浮くのか。これは、外から外邪に人体の体表を襲われると、衛気(人体の最外層にあり、皮膚を温め、汗腺の開閉をし、邪気から人体を防衛している)が邪気に抵抗しようと気血が体表に向かってくるためです。
次回へ続きます。
参考文献
『中国傷寒論解説』 著者:劉 渡舟
『基礎中医学』 編者:神戸中医学研究所
『中医病因病機学論』 主編:宋 鷺冰
『中医弁証論』 編著:柯 雪 帆
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