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こんばんは 浅田です
前回の続き
参照
浮脈ときたら、次は沈脈です。
◆沈脈
沈脈挙之不足按之有余.(『脈経』)
沈脈は浮脈とは逆で、指を軽く乗せた時には感じず、力を入れて押圧すると明瞭に感じる脈です。
水は潤下して下に向かう性質があるように、沈脈は陰脈の類なので水の性質に似て、肌肉の深部に現れます。
水の中に沈んだ石を探るように、必ず水底まで手を入れることよって、初めて触れることができると表現されます。
例え軽く触れただけで脈拍を感じても、深く押圧するとさらに強く感じる脈がある場合は、沈脈と言えます。
沈脈よりもっと深いところにあって、骨に強く押し付けるようにしてやっと触れることができる脈を伏脈と言い、沈脈に似た脈があります。
伏脈については、いずれ解説します。
次回は、沈脈の機序についてです。
続く…
◆参考文献
『脈経』たにぐち書店
『中医脈学と頻湖脈学』たにぐち書店
『胃の気の脈診』森ノ宮医療学園出版部
『現代語訳景岳全書 脉神章』たにぐち書店
『中医臨床のための舌診と脈診』東洋学術出版社
『基礎中医学』燎原
『難経鉄鑑』たにぐち書店
『東洋医学の宇宙』緑書房
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こんばんは 浅田です
前回の続き
参照
では、今日は浮脈が起こる機序についてです。
外邪が体表にある時は、浮脈になります。
外から入ってくる外邪に対して抵抗しようとして、正気が体内から体表に向かうため、脈はこれに応じて浅い位置に浮いてきます。
風邪をひいたら浮脈になる、と一般的には言われますが、風邪ではなくても浮脈になることは多いにあります。
(私は風邪をひいてなくても、常に浮脈です…よくないですね)
陽気が過多になって熱が表に溢れている場合や、陰血が不足して陽を抑制できない場合も、浮脈になります。
浅い位置である浮位は“陽”で、深い位置である沈位は“陰”です。
熱が盛んになると、“陽”である浅い位置に浮いていくのです。
そして、陽虚が極まった状態でも浮脈を呈します。
これを虚陽上浮と言います。
陽虚になると、陰寒内盛となり脈が沈んでいくのが一般的です。
しかし、陽虚が進み、内盛した陰が旺盛になって一定レベルを超えて極まると、陽に転化します。
この陰から陽へ転化するのは、太極陰陽論の転化の法則です。
転化の法則は、「陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる」ということです。
季節でいうと、夏至に陽が極まれば陰が生じ始めて、冬至に陰が極まれば陽が生じ始めるのが、転化の法則の一例です。
自然界と同様に、人体も陰が極まれば陽が生じて、陽が生じたことによって、陽の位置である浮位で脈を打つようになるのです。
「浮脈は表なり」と記載されていることが多いですが、内傷病でも浮脈を呈することがあるので、浮脈=表証と単純に考えず、しっかり弁証しましょう。
◆参考文献
『脈経』たにぐち書店
『中医脈学と頻湖脈学』たにぐち書店
『胃の気の脈診』森ノ宮医療学園出版部
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『難経鉄鑑』たにぐち書店
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