東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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口膩(こうじ)とは①

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「口膩(こうじ)」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
口膩とは、口や舌が粘って気持ち悪く、重篤になると食べても味がわからないことをいいます。
 
 
 
口膩には、口苦、口甘、口酸、口淡(味が無い)といった口味の異常をともないますが、口の粘った感覚が主症状です。
 
 
 
弁証分類は、主に3つあります。
 
 
 
1.寒湿困脾の口膩
 
2.湿熱中阻の口膩
 
3.痰熱阻滞の口膩
 
 
 
まずは、寒湿困脾と湿熱中阻の口膩についてです。
 
 
 
いずれも湿邪による状態ですが、寒熱が異なります。
 
 
 
脾は水湿の運化を主り、津液を胃に行らせます。
 
 
 
潮湿気候、霧露にあたる、水中を歩く、雨に濡れる、汗に濡れた衣服を身に着ける、湿気の多い場所で生活するといった原因で、外湿が侵入したり、
 
 
 
生もの、冷たいもの、脂っこいもの、甘いものなどを過食して脾胃を障害すると、湿邪が停滞して口に上泛してしまい、口や舌が粘って気持ち悪くなります。
 
 
 
寒湿困脾の口膩は、脾胃虚寒の体質により湿邪が寒化し、脾陽を阻害して運化が失調することによって発生します。
 
 
 
この場合、口膩は軽度で、味がしないことが特徴です。
 
 
 
その他にも、口渇がない、食欲不振、上腹部が張って苦しい、倦怠無力感、泥状〜水様便、尿が少ない、舌体胖、舌質淡、舌苔白滑または水滑、脈濡で緩を呈します。
 
 
 
治法は、芳香化濁、健脾燥湿を用います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 

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心下痞(しんかひ)とは①

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「心下痞(しんかひ)」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
心下痞とは、心窩部が痞えて膨満感があり、苦しいことを指します。
 
 
 
『傷寒論』には、「ただ満して痛まざるもの、これ痞となす」、「これを按じて自ずと濡、ただ気の痞するのみ」と記載がありますが、これは心下痞が脾胃の機能が失調したことで発生することを説明してくれています。
 
 
 
心下痞は、傷寒の誤治や脾胃の内傷により、脾胃の昇降機能が失調して生じます。
 
 
 
治法は、脾胃の昇寄与降濁を調整することがメインとなり、中気を調整して心下痞の消失を目指します。
 
 
 
弁証分類は主に5つあり、次の通りです。
 
 
 
1.熱痞
 
 
2.陽虚の熱痞
 
 
3.痰気の痞
 
 
4.飲気の痞
 
 
5.客気上逆の痞
 
 
 
本日は「熱痞と陽虚の熱痞」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
いずれも太陽病に誤って下法を用いたことで脾胃の機能が失調してしまい、客気(邪気)が上逆し、心下を阻塞したために発生します。
 
 
 
熱痞の場合、焦燥感、口渇、鼻出血、吐血、尿が濃い、舌苔薄黄などの熱証を呈します。
 
 
 
治法は、泄熱消痞を用います。
 
 
 
陽虚の熱痞の場合は、熱痞の症候に加えて、悪寒、自汗などの陽虚の症候がみられることが特徴となります。
 
 
 
舌苔は薄白で、脈は浮弱あるいは数がみられます。
 
 
 
この場合の痞えは、膨満感があるものの、圧しても軟かいことが特徴です。
 
 
 
治法は、清熱扶陽・消痞を用います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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