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こんばんは 浅田です
これまでの話
参照
鍼灸の名手澤田健先生の弟子の代田文誌先生が著した『沢田流聞書 鍼灸眞髄』に、「中脘」の解説が書いてあります。
院長ブログ参照
「中脘は上中下三脘の中点に当たると共に、上中下三焦の中点でもある。
従って、中脘一穴の灸は、三脘にひゞき、中焦にひゞき、三焦にひゞく」
と書いてあります。
「中脘」は十二経絡の終始点であることから、全身の気を動かすことができると、前回書きました。
参照
上中下の三焦に響くということは、十二経絡の終始点という視点と同様に、全身に影響を与えると考えることができます。
「中脘」は胃の募穴であるため、“胃の腑”そのものの反応が出ます。
参照
五臓六腑は皆、この“胃の腑”にて生産された気血を受け取り、エネルギーとしています。
中国の李東垣が主張する『脾胃論』では、
「胃虚となれば五臓六腑、十二経絡、十五絡、四肢など全身がエネルギーを得られず、あらゆる疾病を発生させることになる。」
と述べています。
“胃の腑”が弱り気血を得られず、十二経絡、三焦に気血を巡らせることができなくなると、全身にあらゆる疾病が発生します。
胃の腑の働き、即ち胃の気は、身体の大元であり、身体を健全に養うには不可欠です。
この胃の気担う“胃の腑”の気が募る経穴が「中脘」なのです。
※“胃の気”については、『胃の気の脈診』の「第一章概説 第三節胃の気について」にわかりやすくまとまっています。
従って「中脘」は、ただただ“胃の腑”の状態を窺うだけでなく、全身の状態、及び、胃の気を窺う事ができると考えられます。
(実際に、胃の気が衰亡している患者の「中脘」や腹部の胃経上に顕著な邪が出現している事が何例かありました。)
一つの経穴について詳しく調べてみると、今まで考えていなかった見解が生まれてきて、治療の幅が広がります。
「中脘」で以って動かせる幅や、診える角度が変わってきました。
今後も勉強の為にも経穴の解説シリーズを続けていきます。
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おばんでございます。樫山です。
前回までの内容
↓ ↓
前回は、食後困頓の中医学的な分類(以下)とその特徴について書かせて頂きました。
1、脾気虚による食後困頓
2、痰湿困脾による食後困頓
今回はそれぞれの分類について詳しくみていきます。
1、脾気虚による食後困頓は、飲食の不節制により脾胃虚弱となり脾の運化作用が低下して食物が消化されないために、脾陽がますます虚し、清陽が昇らなくなって発生します。
特徴は、倦怠無力感・少食・軟便などの脾気虚の症候をともなう事、と書かれています。
2、痰湿困脾による食後困頓は、長期間湿気が多い地域で過ごしたり、暑い時期に湿邪に犯されたり、もともと痰湿が盛んな体質のために湿邪が脾胃を阻害して、脾陽が清陽が昇らないため発生します。
特徴は、食後に疲れきって体を支える事ことも難しく、さらに肢体が重だるい、上腹部のつかえ、口が粘る、舌苔は膩、脈は濡などの症候をともなう事、と書かれています。
続く・・・
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