東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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気の病㉜

 

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こんばんは。齋藤です。

 

 

 

前回の続きです。

 

 

 

前回の話はコチラ

 

 

 

前回は、「労傷、過度な消耗(過度な下痢、嘔吐、発汗、出血)」が引き起こす気虚に関して、書きました。

 

 

 

今回は、「久病、肺脾腎などの臓腑機能の減退、それに伴う、気の生成不足」について、書いていこうと思います。

 

 

 

まず、「久病」とは何?という話になりますが、長患いという意味です。

 

 

 

長期間病を患うということは、何かしらの臓腑の失調を起こしており、邪気が正気を消耗させるため、気血が徐々に消耗していくと考えられています。

 

 

 

また、肺脾腎などの臓腑機能の減退は、これまでに説明してきているので、簡単に説明します。

 

 

 

肺は気を主り、呼吸を主ります。

 

 

 

呼吸により吸入した、自然界の清気と、脾胃で生成された水穀の精微が胸中にて、混ざり合い、宗気を生成します。

 

 

 

清気は、気の原料として考えられ、肺は原料の供給という立場で、気の生成に関与しています。

 

 

 

そのため、肺が弱ることで、宗気の生成に影響し、宗気が不足します。

 

 

 

この宗気は、呼吸を支えたり、気血の運行を支える作用があります。

 

 

 

脾は飲食物を消化し、気の元である、水穀の精微を生成し、後天の精を補います。

 

 

 

腎は、腎が蔵する先天の精が、後天の水穀の精微の充養を受けて形成された腎精から、気を生成します。

 

 

 

肺脾腎だけではないですが、これらの臓腑の失調により、気の生成不足が発生し、気虚を招く可能性があると考えられています。

 

 

 

参考文献

『中医病因病機学』 主編:宋 鷺冰 訳:柴﨑 瑛子 (東洋学術出版社)

『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』 著:小金井信宏(東洋学術出版)

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論編』 監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人 北辰会 学術部 (緑書房)

『基礎中医学』編著:神戸中医学研究会 (燎原)

『鍼灸・漢方の名医になるための気血弁証論治学』 編著;神野英明 (たにぐち書店)

 

 

 

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こんばんは、永井です。

 

 

 

 

ゴールデンウィーク、お休みの方もお仕事の方もいかがお過ごしでしょうか。

街全体が賑やかな休日の雰囲気であふれています。

 

 

 

 

今回も陽明病の続きです。(前回の記事はこちらです。)

陽明病の寒証についてみていきます。

 

 

 

 

これまでみてきたように、陽明病は胃家実熱がメインですが、虚寒証のこともあります。

 

 

 

 

陽明病の虚寒証を引き起こす原因は、胃陽の不足、体内で寒が発生、飲食物の消化吸収機能の低下などです。

 

 

 

 

症状としては、食欲不振、腹部膨満感、眩暈、小便不利(小便が出にくい)、先硬後軟の便、手足の大量発汗

脈は遅、無力(但し臨床上では、脈遅、無力だからと言って全て虚寒であるとは限らず、邪に経脈を塞がれて遅脈になることもあります。)

 

 

 

 

脾胃が虚寒だと、運化機能が落ちるため、飲食物から生成される、水穀の精微(栄養分)を全身に巡らせることが出来なくなります。

 

 

 

 

その結果、食欲不振や、小便不利、排便状況は先硬後軟、手足に発汗しやすいといった症状が現れます。

 

 

 

 

治療は、温胃散寒、降逆止嘔を目的に、呉茱萸湯(ごしゅゆとう)を用います。

 

 

 

 

次回へ続きます。

 

 

 

 

 

 

参考文献

『中国傷寒論解説』 著者:劉 渡舟

『基礎中医学』 編者:神戸中医学研究所

『中医病因病機学論』 主編:宋 鷺冰

『中医弁証論』    編著:柯 雪 帆

 

 

 

 

 

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