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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きのお話、食欲不振の弁証分類についてお話ししていきたいと思います。
 
 
 
前回までのお話はこちら!
 
 
 
5.脾胃虚寒(脾胃陽虚)
 
 
 
体質素因として、脾胃が弱く、中焦の陽気が伸びやかに上手くめぐりにくい体質の人が、
 
 
 
生ものや冷たいものを飲食し過ぎたり、寒涼剤を多用し過ぎたりする等、不適切な養生を続けることで脾胃の陽虚に至り、発症します。
 
 
 
この分類は、もともとベースに脾胃気虚があり、進展したものです。
 
 
 
空腹感を全く感じない、飲食しても美味しく感じないといった訴えがみられます。
 
 
 
食後には、脘腹脹悶、脘腹痞満、嘔悪感がしたり、脘腹隠痛がみられます。
 
 
 
増悪因子は腹部の冷えで、逆に温めたり、按圧すると痛みが緩解する特徴があります。
 
 
 
お通じは不消化便、軟便、水様便がみられます。
 
 
 
気虚や陽虚が著しいと、排便後に倦怠感がきつくなったり、四肢厥冷が増悪します。
 
 
 
6.脾腎陽虚
 
 
 
脾胃気虚が進展したもので、加齢や脾胃気虚、寒涼剤の多用により、陽気を損傷し、
 
 
 
脾腎の気虚を起こし、徐々に陽気も損傷した場合にみられます。
 
 
 
病呈が長いことが特徴で、全身倦怠感がみられ、腎の弱りを思わせる腰膝酸軟がみられます。
 
 
 
腹中が冷えて痛み、温めると緩和する特徴があります。
 
 
 
その他にも、不消化下痢、五更泄瀉、四肢厥冷、浮腫、お小水の出の悪さ、夜間尿の増加がみられます。
 
 
 
7.傷食
 
 
 
飲食過多により、飲食したものが停滞することで発症します。
 
 
 
厭食、呑酸、腐臭のあるゲップがみられ、その他にも脘腹膨満、大便の臭いがきつくなる、または便秘がみられたりします。
 
 
 
8.邪在半表半裏
 
 
 
風寒邪の侵襲を受け、太陽病の段階で外邪を駆逐できず、少陽病に進展して発症します。
 
 
 
口苦、咽乾、眩暈、胸脇苦満、乾嘔、寒熱往来といった症状がみられます。
 
 
 
食欲不振については、以上です。
 
 
 
次回は「食後の眠気」について、お話ししていきたいと思います。
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
空腹感はあるが、食べられないことを食欲不振、または納滞、納保、不思食といいます。
 
 
 
重篤になると、食べ物の臭いを嗅いだり、食べ物を見ただけで気分が悪くなったり、吐き気がしたりすることがあり、
 
 
 
この段階のものを厭食、悪食といいます。
 
 
 
食欲不振の弁証文例は主に8つあり、病因は全て内傷に分類されます。
 
 
 
1.肝気犯胃
 
 
 
七情の過不足によって、肝気が鬱結し、胃の腑が犯されると、胃の降濁機能が停滞して発症します。
 
 
 
上手く気が下がらなくなることで上逆して、しゃっくりやげっぷがみられます。
 
 
 
その他にも、胸脇脹悶、胸脇脹痛、精神的に抑鬱されている状態でイライラしやすくなるといった商事もみられます。
 
 
 
2.湿熱困脾(脾胃湿熱、湿熱蘊結)
 
 
 
脂物、甘味、濃い味付けを過食したり、お酒を飲み過ぎることで、脾胃に湿熱が蘊積したり、
 
 
 
外感湿熱邪の侵襲により、脾胃に湿熱邪が蘊結することにより、脾胃の昇降機能が低下して発症します。
 
 
 
吐き気を伴い、厭食、脘腹痞悶、口臭がみられます。
 
 
 
また、口渇があってもさほど飲みたがらない、全身の重怠さ、四肢が重怠く感じるといった湿邪の停滞を思わせる症状がみられます。
 
 
 
お通じも、便器についたり、臭いがきつかったりという、湿熱を思わせる特徴がみられ、スッキリ出ないという訴えがみられます。
 
 
 
お小水も色が濃い黄色となり、熱所見がみられ、湿の所見として泡立ちがみられることがあります。
 
 
 
3.胃陰虚
 
 
 
外感熱病の後期にみられやすく、熱邪によって胃陰が灼消されて発症します。
 
 
 
陰分が不足することで、口の渇き、唇、舌の乾燥がみられます。
 
 
 
また、乾嘔がみられたり、お通じが兎糞状になったり、出なくなるといった症状がみられます。
 
 
 
4.脾胃気虚
 
 
 
飲食不節や労倦によって脾胃の気が虚してしまい、発症します。
 
 
 
食欲が徐々に減退し続け、それに伴い全身倦怠感も漸増します。
 
 
 
少量飲食しただけで嘔吐したり、腹脹します。
 
 
 
嘔吐後には全身倦怠感が出る特徴があります。
 
 
 
重篤になると、全く飲食することが出来ず、少しでも飲食すると脘腹脹悶して、全身倦怠感、息切れがみられるようになります。
 
 
 
長くなってしまいそうなので、本日はここまで!
 
 
 
次回をお楽しみに!
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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