東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きとして、慢性の泄瀉についてお話していきたいと思います。
 
 
 
前回までのお話はこちら!
 
 
 
病因は内傷によるものであり、弁証分類は主に6つあります。
 
 
 
1.脾虚
 
 
 
長期にわたる飲食不節、長患い、労倦内傷により、脾胃自体が弱ってしまうと、
 
 
 
脾虚湿盛や脾虚気陥、脾陽虚により寒湿内生となり、慢性的な泄瀉を引き起こします。
 
 
 
便やお腹の状態は、軟便や下痢といった状態が長期間反復する、未消化便、お腹が張ってスッキリしないといった症状がみられます。
 
 
 
食事に関しては、飲食摂取量が減少し、食後に胃もたれする、脂物を食べると明らかに排便回数が増えるといった症状がみられるようになります。
 
 
 
その他にも四肢が重だるくて力が入りづらい、全身倦怠感、顔色が黄色っぽくなるといった症状がみられ、
 
 
 
気陥になると脱肛、陽虚なら寒湿内生して手足が冷え、腹部の冷えと痛み、水様下痢がみられます。
 
 
 
2.腎虚
 
 
 
もともと虚弱体質であったり、加齢や長患いによる腎陽虚衰があると、
 
 
 
命門の火が衰退してきてしまい、脾の陽気も衰えてきて、脾虚となります。
 
 
 
明け方前に臍腹痛や腸鳴を伴った下痢である、五更泄瀉・鶏鳴泄瀉がみられ、排便後は痛みが軽減する特徴があります。
 
 
 
この場合、その他に四肢厥冷、腰膝酸軟もみられます。
 
 
 
3.脾腎陽虚
 
 
 
脾と腎の陽気が消耗した場合に起こります。
 
 
 
腸鳴のみられる水様下痢、腹中が冷えて痛む、四肢厥冷といった冷え症状、
 
 
 
その他にも腰膝酸軟、淡白舌で色褪せがきつい、脈沈細弱といった所見がみられます。
 
 
 
少し長くなってしまいそうなので、残り3つの弁証分類については、次回のお楽しみということで!
 
 
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きとして、泄瀉についてお話していきたいと思います。
 
 
 
前回までのお話はこちら!
 
 
 
泄瀉は、便の形を為さない、下痢に相当します。
 
 
 
そして、急性のものと慢性的なものに分類できます。
 
 
 
まずは急性の泄瀉についてです。
 
 
 
病因は内傷によるものであり、弁証分類は主に3つあります。
 
 
 
1.虚寒2.湿熱の病理はほぼ同じで、次の通りです。
 
 
 
外邪の中でも、特に湿邪の侵襲によって脾の運化機能が低下して発症します。
 
 
 
風寒邪や暑熱邪が太陰胃土を侵した場合も同様に症状を引き起こします。
 
 
 
湿熱は陽明を、寒湿は太陰を傷害することが多い傾向にあります。
 
 
 
1.虚寒の特徴は、下痢が希薄で、重篤になれば水様になります。
 
 
 
随伴して、腹痛、腸鳴、腹部満悶、食欲低下がみられます。
 
 
 
2.湿熱の特徴は、腹痛を伴いつつ、激しくて勢いのある下痢がみられます。
 
 
 
排泄後も残便感があり、また出したくなります。
 
 
 
便の色は黄褐色、臭いがきつく、肛門に灼熱感があり、小水が少なくて色が濃くなる特徴があります。
 
 
 
3.傷食
 
 
 
暴飲暴食、脂物、甘味の多食、生もの、冷たいもの、腐ったものを食べることで、
 
 
 
脾胃の機能低下を招き、中焦に水湿が停滞して生じます。
 
 
 
腹痛腸鳴を伴いますが、未消化物が混ざり、腐卵臭を認めます。
 
 
 
排便後は痛みが軽減します。
 
 
 
腹痞満、ゲップ、呑酸、食欲不振を伴います。
 
 
 
急性の泄瀉についてのお話は以上です。
 
 
 
次回からは慢性的な泄瀉について、お話ししていきたいと思います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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