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こんばんは!樫部です。
本日は「ノドの痛み」について、お話ししていきたいと思います。
ノドが痛いとは、咽喉部が痛いことで、喉嚨痛、咽嗌痛ともいいます。
咽喉痛の弁証分類は、主に6つあり、病因は外感、内傷の両方がみられます。
まずは病因が外感である咽喉痛の弁証分類についてです。
下記のどちらも、風邪の侵襲によるもので、咽喉は、肺胃の門戸であり最初に邪を感受し、肺気の宣散が出来なくなり、邪が咽喉に停滞して生じます。
1.風寒
咽喉部の軽度の疼痛あるいは刺痛が生じ、粘膜が暗紅色で腫脹がみられます。
その他に、鼻閉、くしゃみ、鼻水、咳嗽、稀薄な痰がみられます。
2.風熱
咽喉に刺痛があって嚥下時に著しく、咽喉粘膜が発赤、腫脹がみられます。
発熱、無汗、汗があってもすっきりせず、悪風や悪寒があり、頭痛、口渇、淡黄色の小水、咳嗽がみられます。
次に病因が内傷である咽喉痛の弁証分類についてです。
3.湿熱
脾胃の運化が失調し、湿熱が中焦に内蘊したり、熱邪が侵入して湿と結合した湿熱の邪が阻塞したために咽喉部痛が生じます。
咽喉部の激痛、粘膜の発赤、腫脹がみられ、小さい水疱を伴い、潰れると潰瘍を形成します。
その他に発熱、咳嗽、黄色の痰がみられます。
4.鬱火
鬱火が咽喉に結聚すると、気の昇降出入が不利となり咽喉痛が生じるもので、「喉痹」の急症に属します。
急激に咽喉部に強い刺痛を感じ、咽喉粘膜は発赤が強く、咽喉蓋に水腫が生じて、嚥下困難を伴います。
この場合、水も通らなくなり、呼吸切迫がみられます。
5.陰虚
咽喉部が乾燥して痛み、午後に疼痛が激しくなる特徴があります。
粘膜は暗紅色を呈して、口乾して水分を欲し、咽がつまった感覚があるものの喀出するものは何もありません。
6.気陰両虚
陰損及陽して生じます。
咽喉部が乾燥して鈍痛があり、疲労によって悪化する特徴があります。
その他に、無力感、潮熱、硬い便がみられます。
咽喉痛については、以上です。
次回は「痙攣」について、お話ししていきたいと思います。
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
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こんばんは!樫部です。
本日は前回の続きで、耳鳴・難聴の弁証分類について、と話していきたいと思います。
前回までのお話はこちら!
5.腎陰虚、腎陽虚
いずれも腎虚により引き起こされ、難聴は徐々に進行して、耳鳴は蝉の鳴き声のような音が夜に増強するという特徴を持ちます。
鑑別は随伴症状で行います。
五心煩熱、口乾、イライラを伴うようであれば、腎陰虚が疑われ、
寒がる、四肢の冷え、腰膝酸軟、遺精、陽萎、尿量が多い、倦怠感、食欲不振、泥状便がみられる場合は、腎陽虚が疑われます。
6.心腎不交
心腎は水火の臓で、相互に助け合い、バランスをとっていますが、水火の失調により引き起こされます。
わずかな耳鳴があり、睡眠不足により悪化しやすく、聴力も減退します。
その他症状として、焦燥感、不眠、動悸、健忘、腰膝酸軟、潮熱、盗汗、尿が濃いといった症状がみられます。
7.脾胃気虚
脾胃気虚のために清気が上昇せず、濁陰が耳部の経脈を阻滞して発症します。
耳鳴・難聴は疲労によって増悪する特徴があり、腎の関与も想起されますが、
倦怠感、食欲不振、食後の腹満、顔色が萎黄、泥状便と脾胃の症候が顕著となります。
8.痰火
痰火が鬱結し、耳の経絡を壅塞して発症します。
この場合、両耳がゴウゴウ鳴って、はっきり聞こえない特徴があります。
また、耳塞感、頭のふらつき、頭重感、胸が脹って苦しい、咳嗽、痰が多い、大小便がすっきり出ないといった症状がみられます。
9.気滞血瘀
情緒の抑鬱による肝気鬱結や外傷により、気血が停滞して発生する。
突発的に耳鳴・難聴を発症する特徴があり、
眩暈、頭痛、イライラ、胸脇苦満、全身的な気滞血瘀の症候を伴います。
耳鳴・難聴のお話は以上です。
次回は、「ノドのつまり、痛み」についてお話ししていきたいと思います。
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
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