東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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鼻流涕(びりゅうてい)とは③

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「湿熱と燥熱の鼻流涕」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
いずれも裏熱ですが、湿と燥の違いがあります。
 
 
 
湿熱の鼻流涕は、湿熱の邪が脾胃の運化を障害し、鼻竅を阻塞して肌膜を蒸灼することで発生します。
 
 
 
特徴は、腥い臭いのある濁黄〜黄緑色の混濁した多量の鼻汁が出ることです。
 
 
 
また、鼻閉、嗅覚障害もみられ、甚だしくなると喉に鼻汁が逆流します。
 
 
 
他にも、頭痛、頭重、胸腹が脹って苦しい、胃が重苦しい、食欲不振、口苦、口粘、水を飲みたがらない、尿が濃い、舌質紅、舌苔黄膩、脈滑数あるいは濡数などの湿熱の症候を呈することが特徴です。
 
 
 
治法は、清熱利湿、通竅を用います。
 
 
 
次に燥熱の鼻流涕についてです。
 
 
 
この場合、燥熱の邪が鼻竅を上犯し、津液を煎灼して発生します。
 
 
 
黄色で粘稠な鼻汁が出て、鼻汁の量は少ないことが特徴であり、鼻腔の乾燥と疼痛、鼻閉、血性または膿血性の鼻汁もみられます。
 
 
 
加えて、頭痛、胸苦しさ、口苦、咽の乾燥、口渇があり喜冷飲、硬便、尿が濃い、舌質紅、舌苔黄、脈細で数などの燥熱傷津の症候がみられます。
 
 
 
治法は、清燥瀉火を用います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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耳痒(じよう)とは

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「耳痒(じよう)」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
耳痒とは、耳介、外耳道を含めた外耳の掻痒を指します。
 
 
 
主な弁証分類は、次の3つです。
 
 
 
1.風熱湿毒の耳痒
 
2.血虚風燥の耳痒
 
3.腎虚火旺の耳痒
 
 
 
まずは風熱湿毒の耳痒についてです。
 
 
 
この場合、風熱湿毒の外邪が侵入して耳に蘊結して、気血が鬱滞して起こるものであり、実証です。
 
 
 
局所症状が比較的激しく、風邪が強ければ掻痒、湿熱が強ければ外耳道の湿潤、発赤、灼熱、黄色い滲出液、熱毒が強ければ発熱、煩躁が生じます。
 
 
 
長期にわたると出血、疼痛をともなうようになります。
 
 
 
舌苔は黄膩、脈は数で有力を呈します。
 
 
 
治法は、祛風清熱、除湿解毒を用います。
 
 
 
次に血虚風燥の耳痒についてです。
 
 
 
これは風熱湿毒の耳痒が慢性化してくると起こることが多く、邪によって気血が消耗して血虚生風となり発生します。
 
 
 
耳介が肥厚、乾燥、皸裂を呈し、掻痒があって、痂皮形成、落屑をともなうことが特徴で、外耳道まで蔓延することもあります。
 
 
 
また、湿邪が脾胃の運化を阻害することで、顔色萎黄、皮膚にツヤがなくなる、羸痩、食欲不振、元気がない、舌質淡、脈虚細などを呈します。
 
 
 
治法は、養血祛風、健脾和胃を用います。
 
 
 
最後に腎虚火旺の耳痒についてです。
 
 
 
先天不足や過労による腎精不足により、陰虚火旺となって耳を上擾して発生します。
 
 
 
この場合、外耳の局所症状は軽いものの、掻痒は強く、耳介には局所症状がみられないことが特徴です。
 
 
 
その他にも、腰膝酸軟、耳鳴、目眩、脈細数、舌質紅などの腎陰虚の症候がみられることがポイントとなります。
 
 
 
火旺が強いと、耳痛や滲出液がみられます。
 
 
 
治法は、補腎降火を用います。
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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