東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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五神⑫

 

 

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こんばんは。齋藤です。

 

 

 

日中は暖かいのですが、日が落ちてくると一気に気温も落ちてきますので、風邪を引かない様に気を付けてください。

 

 

 

それでは前回の続きです。

 

 

 

前回の話はコチラ

 

 

 

今回は「意」と「志」について書いていこうと思います。

 

 

 

「意・智」は五行で考えた場合、脾・土に属し、「志・精」は五行で考えた場合、腎・水に属します。

 

 

 

広義の「意」と「志」とは、全て心が外部から受け取った後に行われる思惟活動を指します。

 

 

 

人々の客観的事物に対する認識の過程は、感覚から思惟までに完成します。

 

 

 

思惟とは、深く考える事、対象を分別する事を意味します。

 

 

 

認識の始めの段階は、外部からの情報を受け取るという、いわゆる感覚になり、臓腑では心が担当します。

 

 

 

感覚は思惟の材料であり、思惟は感覚を以って内容としています。

 

 

 

心は外部から情報を受け取り、思惟を通して本質的、全面的な内在に関係のある事物に昇華させます。

 

 

 

要は、心が得た感覚という情報を、思惟活動によって処理するという事だと思います。

 

 

 

腎は先天の本で精を蔵すところで、脾は後天の本で気血の生化の源であることから、思惟活動を行う基礎物質として、精血が重要な役割を果たします。

 

 

 

また「意」は、思考やアイデアを形作るための活動や力の意味もあります。

 

 

 

その為、暴飲暴食などで脾胃に損傷を与えた場合は、思考力の低下や、くよくよ悩むことが多くなります。

 

 

 

「志」は、人間が考えたことや行動を貫き通す精神力といった意味もあります。

 

 

 

強い意志、記憶力、想像力、想像の持続力などの、精神的な力、持久力を意味します。

 

 

 

我々は、この「意」「志」の働きによって、心から取り入れた情報を処理し、記憶しているという事になります。

 

 

 

以上、魂、魄、意、志の役割を書いてきました。

 

 

 

これらは、各々ある程度分類、分担されていますが、神の範疇に属し、全て心神の指導のもとに進行する生命活動であることが、「心は五臓六腑の大主」と述べられている理由だと思われます。

 

 

 

細かく分類されて考えられているのを確認してみるのも楽しいですね。

 

 

 

 

参考文献

『現代語訳 黄帝内経霊枢』 編著:南京中医薬大学 監訳:石田秀実、白杉悦雄 訳:白杉悦雄、松木きか、島田隆司、勝田正泰、藤山和子、前田繁樹

『意釈黄帝内経運気』 共著:小曾戸丈夫 浜田善利

『基礎中医学』 編著:神戸中医学研究会 (燎原)

『鍼灸 臨床能力 北辰会方式 理論編』 監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人 北辰会 学術部 (緑書房)

『中医病因病機学』 主編:宋 鷺冰 訳:柴﨑 瑛子 (東洋学術出版社)

『中医心理学』 主編:王米渠、王克勤、朱文鋒、張六通 監修:磯島正、高口眞一郎 翻訳:小野正弘、松永樹浩

 

 

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は「痙攣」について、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

痙攣とは、全身あるいは四肢がひきつって筋肉が強ばり、震えるように小刻みに動くことを指します。

 

 

 

『内経』には抽搐(ちゅうちく)の一種として瘈瘲(けいしょう)が出てきますが、これは手足が伸びたり縮んだりしてひきつって止まらない状態で、小児の驚風でみられます。

 

 

 

一般に、手足が痙攣することは、四肢抽搐の範疇に属します。

 

 

 

その他にも次のような痙攣があります。

 

 

 

①牙関緊急と角弓反張

 

 

 

牙関緊急とは、口噤ともいい、歯を食いしばって口を堅固に閉じたまま開くことが出来ない症状のことを指します。

 

 

 

角弓反張とは、項背が強急して体全体が弓のように反り返ったまま硬直することを指します。

 

 

 

これらの症状は、急性熱病や破傷風などでみられ、熱盛や気血が著しく虚して、内風が生じて発症します。

 

 

 

②小児の熱性痙攣

 

 

 

熱があるときに起こる痙攣で、ひきつけと表現されることがあります。

 

 

 

約2~3分で治まり、小児だけに起こるものです。

 

 

 

ただし、脳炎、髄膜炎、先天性の代謝異常などが原因によるものは除外されます。

 

 

 

③癲癇(てんかん)

 

 

 

癲癇とは、「種種の病因によってもたらされる慢性の脳疾患であり、大脳ニューロンの過剰な放電に由来する反復性の発作を主徴とし、それに変異に富んだ臨床ならびに検査所見の表出をともなう」と、WHOは定義していますが、

 

 

 

心神が風痰に上擾されて発症するとされています。

 

 

 

ここでは、四肢抽搐の弁証分類について取り上げていきたいと思います。

 

 

 

弁証分類は、主に8つあり、病因は外感、内傷の両方でみられます。

 

 

 

まずは病因が外感によって四肢抽搐が起こる場合についてです。

 

 

 

1.風邪阻絡

 

 

 

風邪の感受によって経絡が阻塞され、気血の運行が悪くなるか、創傷から風毒の邪が侵入して営衛を阻害し、筋脈が栄養出来なくなることで痙攣が起きます。

 

 

 

悪寒、発熱、項背部の強ばり、四体が怠くて重い・痛むといった症状を伴う特徴があります。

 

 

 

次に病因が内傷によって四肢抽搐が起こる場合についてです。

 

 

 

2.風痰挟瘀

 

 

 

飲食不節による脾胃の損傷で湿や痰が生じ、さらに肝の疏泄失調により内風が生じ、肝風が痰とともに上擾して、四肢の痙攣が起こります。

 

 

 

痙攣は発作性、強直性のものがみられます。

 

 

 

また、動物のような叫び声や唸り声を出し、両眼の上方注視、口から泡をふく、大小便の失禁、意識障害を伴うものの、発作が治まると、平人と変わらない状態となります。

 

 

 

3.肝風内動

 

 

 

肝腎陰虚で筋脈が栄養されず、陰虚で陽気を抑制出来ないために肝陽が亢盛となって肝風が生じ、両者が合することで四肢の痙攣を引き起こします。

 

 

 

その他の症状として、目のかすみ、腰膝酸軟、痺れ、耳鳴、眩暈、五心煩熱、両頬部紅潮がみられます。

 

 

 

少し長くなってしまいそうなので、今日はこのへんで!

 

 

 

続きは次回のお楽しみに!

 

 

 

つづく

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

 

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