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こんばんは。齋藤です。
前回の続きです。
前回の話はコチラ。
今回は、津液について、簡単ではありますが書いていこうと思います。
津液とは、血液を除いた、体内のあらゆる種類の正常な液体の総称です。
もちろん、浮腫や腹水などは含みません。
摂取した飲食物をもとに、胃腸で生成された水穀の精微の水液の部分で、一部は血中に入り血液の成分となり、一部は肺に運ばれ、肺から全身に散布されます。
「津」とは、気血とともに循環する液体のことで、さらさらした性質で、涙、唾、小便、汗などとして、体表や体外に出るものです。
「液」とは、身体の九竅(両目、両耳、両鼻、口、肛門、尿道口)、内臓や腸、関節腔、頭蓋骨などに蓄えられている、粘稠な液のことで、体内にあり、生理的機能を果たします。
さて、津液ですが、どのように体内で生成されていくのでしょうか。
『素問・経脈別論』には、「飲は胃に入り、精気を游溢し、脾により上輸す。脾気は精を散じ、上り肺に帰り(おくり)、推動を通調し、下り膀胱に輸す、水精は四布し、五経に並び行る」と記載されています。
腎陽の蒸騰気化のもと、脾胃の運化によって飲食物から生成された水穀の精微を、肺へ上輸させ、肺の宣発作用により、三焦を通じて全身に散布します。
一部は汗などとして体外に排出され、一部は全身を栄養・滋潤したのち、肺の粛降作用により、膀胱に下輸され、尿として排泄されます。
と難しく書くと、こういう表現になります。
実際に、もっと細かく書くことはできますが、専門用語を並べて書くことになるので、意味が分からなくなってきます。
物凄く簡単に書くと、津液の生成に関与する臓は、肺・脾・腎です。
摂取した飲食物を、胃腸(脾胃)で消化吸収し、その飲食物に含まれる水分を、小腸や大腸から吸収したものが津液となります。
東洋医学では、色々な臓腑が関与しうまく連携を取ることにより、生命活動が維持されていると考えます。
津液の生成一つとってみても、そのことがよくわかります。
参考文献
『中医病因病機学』 主編:宋 鷺冰 訳:柴﨑 瑛子 (東洋学術出版社)
『鍼灸・漢方の名医になるための 気血弁証論治学』 編者:神野英明
『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』 著:小金井信宏(東洋学術出版)
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論編』 監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人 北辰会 学術部 (緑書房)
『基礎中医学』編著:神戸中医学研究会 (燎原)
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こんばんは!樫部です。
本日は、「嗜眠・不眠の病因病機」について、お話していきたいと思います。
嗜睡、嗜臥とは、疲労倦怠感に伴って、昼夜関係なく眠ることをいい、
嗜眠とも呼ばれ、知らぬ間に寝入ってしまう状態を指します。
湿困脾土、脾気虚(脾虚湿困)、腎陽虚、腎精不足などで起こります。
失眠、不寐、不得眠とは、異常な不眠のことをいい、睡眠の病的現象で、常に睡眠が不足することをいいます。
一時的な精神緊張、悩みごと、住居環境の変化、異常な暑さや寒さなどに起こる不眠は含まれない。
また、発熱や疼痛、咳嗽、喘息により二次的に起こる不眠は、それぞれの原因に対して処置する。
西洋医学的な不眠症とは、入眠や安定した睡眠の持続が妨げられることに悩んだり、それが原因となって心神の不調が生じている状態として、単なる不眠とは区別しています。
東洋医学では、『黄帝内経』に「目不瞑」、「不得眠」、「不得臥」、『難行』に「不寐」、『中蔵経』に「無眠」、『外台秘要』に「不眠」、『聖済総録』に「少睡」、『太平恵民和剤局方』に「少寐」、『雑病広要』に「不睡」といった名称が挙げられています。
不眠の病因としては、精神的ストレス、飲食の乱れ、肉体疲労、先天的虚弱、房事過多、久病、年老などが挙げられます。
病機は、実証の場合は、実火(肝火、痰火、心火)による、心神上擾、
虚証の場合は、陰虚火旺による心神上擾、血虚による心神失養、気虚あるいは脾胃のよわりによる心神不安が挙げられます。
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
2013.09.12
2013.11.14
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