東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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頭傾(とうけい)とは

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「頭傾(とうけい)」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
頭傾とは、頚に力が無く、頭が前方に傾いて挙上することが難しい状態で、頭が下垂した状態を指します。
 
 
 
『傷寒論・陰陽易篇』に「頭重して、挙するを欲せず」と記載がありますが、頭傾と頭重はしばしば同時にみられます。
 
 
 
頭重の病因は多種多様で比較的軽症であるのに対し、頭傾は臓腑の気が虚衰した重篤な症候である為、両者を区別することが重要になります。
 
 
 
頭傾の弁証分類は、主に次の2つです。
 
 
 
1.中気虚衰の頭傾
 
2.髄海不足の頭傾
 
 
 
まずは中気虚衰の頭傾についてです。
 
 
 
飲食不節、過労、慢性病、重症疾患などにより、中気が傷害されて清陽が上達出来なくなることで、頚が坐らず、頭が前方に傾いてしまい、挙上することができなくなります。
 
 
 
弁証のポイントは、顔色萎黄、息切れ、懶言、疲労感、食欲不振、泥状〜水様便、舌質淡胖で歯痕あり、脈細無力など気虚の症候がみられることです。
 
 
 
治法は、補中益気、昇拳清陽を用います。
 
 
 
次に髄海不足の頭傾についてです。
 
 
 
房事過多、老化などで腎精が虚し、髄海を充養することができなくなったために、頭傾と難聴が生じます。
 
 
 
弁証のポイントは、腰膝酸軟、長く立っていられない、歩行困難、舌質淡、舌苔少、脈沈微などの腎精虚の症候を伴うことです。
 
 
 
治法は、補腎益精を用います。
 
 
 
いずれも虚損により生じる為、治法は「虚すればすなわちこれを補す」の原則により、中気不足であれば脾胃を補益して生化の源を補充し、髄海不足では補腎益精によって髄海を補充する処置を行います。
 
 
 
頭がグラグラして傾垂し、目が陥凹して意識が不明瞭になってきたものは、予後不良であるものが多いとされています。
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「湿熱と燥熱の鼻流涕」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
いずれも裏熱ですが、湿と燥の違いがあります。
 
 
 
湿熱の鼻流涕は、湿熱の邪が脾胃の運化を障害し、鼻竅を阻塞して肌膜を蒸灼することで発生します。
 
 
 
特徴は、腥い臭いのある濁黄〜黄緑色の混濁した多量の鼻汁が出ることです。
 
 
 
また、鼻閉、嗅覚障害もみられ、甚だしくなると喉に鼻汁が逆流します。
 
 
 
他にも、頭痛、頭重、胸腹が脹って苦しい、胃が重苦しい、食欲不振、口苦、口粘、水を飲みたがらない、尿が濃い、舌質紅、舌苔黄膩、脈滑数あるいは濡数などの湿熱の症候を呈することが特徴です。
 
 
 
治法は、清熱利湿、通竅を用います。
 
 
 
次に燥熱の鼻流涕についてです。
 
 
 
この場合、燥熱の邪が鼻竅を上犯し、津液を煎灼して発生します。
 
 
 
黄色で粘稠な鼻汁が出て、鼻汁の量は少ないことが特徴であり、鼻腔の乾燥と疼痛、鼻閉、血性または膿血性の鼻汁もみられます。
 
 
 
加えて、頭痛、胸苦しさ、口苦、咽の乾燥、口渇があり喜冷飲、硬便、尿が濃い、舌質紅、舌苔黄、脈細で数などの燥熱傷津の症候がみられます。
 
 
 
治法は、清燥瀉火を用います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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