東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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膝腫痛(しつしゅつう)とは②

 

 

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こんばんは!樫部です。

 
 
本日は前回の続きで「気血両虚と肝腎両虚の膝腫痛」について、お話をしていきたいと思います。
 
 
 
いずれも虚証に属し、肢体がだるい、舌質淡、舌苔は薄白、脈は沈数などの症候がみられ、他疾患の病後に緩慢に発現しやすい特徴があります。
 
 
 
膝関節は、肝、脾、腎の三経が通るところであり、肝は筋、脾は肌肉、腎は骨を主るので、膝は筋、肌肉、骨が会するところでもあります。
 
 
 
病後の消耗で三陰経がともに虚すと、外邪が虚に乗じて侵入して、膝部に停滞し、膝腫痛を引き起こします。
 
 
 
まずは気血両虚の膝腫痛についてです。
 
 
 
この場合、一般的には初期は軽症であり、筋肉の痩せもさほどひどくはなく、歩行も可能なことが特徴です。
 
 
 
治法は、補気血、温経脈、散風湿を用います。
 
 
 
次に肝腎両虚の膝腫痛についてです。
 
 
 
この場合、終末期で重症である者に多く、筋肉の痩せも顕著で、歩行困難を来しやすい特徴をもちます。
 
 
 
治法は、補肝腎、填精髄、散寒湿を用います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 

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腿腫痛(たいしゅつう)とは

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「腿腫痛(たいしゅつう)」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
腿腫痛とは、下腿の腫脹、疼痛のことをいいます。
 
 
 
膝の腫脹、疼痛や下肢の腫脹とは異なり、股関節以下の下肢全体の腫脹、疼痛のことを指します。
 
 
 
弁証分類は、主に次の4つがあります。
 
 
 
1.寒湿の腿腫痛
 
2.湿熱の腿腫痛
 
3.瘀血の腿腫痛
 
4.労倦の腿腫痛
 
 
 
まずは寒湿と湿熱の腿腫痛についてです。
 
 
 
いずれも外邪によるもので、湿気の多いところに住んだり、雨露にさらされたり、水中に長く浸かったりして、湿邪が皮膚、筋肉に侵入して発生します。
 
 
 
体質が陽虚に偏っている時は寒湿であり、陰虚に偏っているときは湿熱となります。
 
 
 
いずれの場合も、湿邪が絡脈を阻滞することで下肢の腫脹、疼痛をきたし、関節の運動障害、舌苔膩などがみられます。
 
 
 
寒湿の腿腫痛では、下肢の冷え、寒冷による症状の増悪がみられ、脈は弦緊または弦遅、舌苔白膩または滑を呈します。
 
 
 
治法は、除湿散寒を用います。
 
 
 
湿熱の腿腫痛では、患部に熱感があり、特に足底部の熱感が強いといった特徴があり、脈は弦滑かす、舌苔黄膩を呈します。
 
 
 
治法は、清熱祛湿を用います。
 
 
 
次に、瘀血の腿腫痛についてです。
 
 
 
この場合、病因は複雑であり、外邪が停滞して絡脈を瘀滞したり、内傷七情の肝鬱気滞で血瘀が生じたり、捻挫などの外傷によって血瘀が生じる等、血瘀が経脈を阻滞させたために発生する。
 
 
 
この場合、下肢の腫脹と、疼痛あるいは刺痛があり、痛みは夜間に悪化しやすく、脈は渋、舌質は紫、患側下肢の皮膚の硬化などを呈することが特徴です。
 
 
 
治法は、活血化瘀を用います。
 
 
 
労倦の腿腫痛もあり、この場合、長時間の起立や歩行により筋脈が障害され、血が下腿に鬱滞して起こります。
 
 
 
特徴は、疼痛部位に青色の血管拡張がみられ、顔色が青紫を呈することです。
 
 
 
治法は、行気和血を用います。
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 

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