東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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発熱の弁証分類 その3

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は、前回の続きで、裏証における発熱の弁証分類、残りの5つについてお話ししていきたいと思います。

 

 

 

前回までのお話はこちら!

東洋医学的な発熱の考え方

発熱の弁証分類 その1

発熱の弁証分類 その2

 

 

 

6.営分・血分証

 

 

 

内生の邪熱あるいは温疫毒のような強烈な熱邪が営分・血分に入り込み、心神に影響する営分証

 

 

 

出血傾向や内風症状を呈して、営分証よりも激しく心神症状がみられると血分証に至っていることがわかり、どちらも発熱がみられます。

 

 

 

身熱がひどく、夜間に熱が上がり、朝になると下がる特徴があります。

 

 

 

特に夜は煩燥、不眠がみられます。

 

 

 

その他の症状としては、血便、鼻出血、吐血といった出血傾向、斑疹、口乾あるもさほど飲まない、震えや痙攣がみられます。

 

 

 

症状が重篤な場合は、昏睡がみられます。

 

 

 

7.気虚発熱

 

 

 

気虚により発熱することがあります。

 

 

 

発熱する時間は決まっておらず不定で、午前中に上がりやすく、午後に下がることが多いです。

 

 

 

熱の程度も高熱であったり、微熱であったりと様々です。

 

 

 

労倦後に全身倦怠感がひどくなることに伴い、発熱します。

 

 

 

寒がり、自汗あり、易感冒で外感発熱と重なることもあります。

 

 

 

口渇を訴えても温飲を好む特徴があり、その他、頭暈、息切れ、喋るのが億劫、食欲低下、腹脹、軟便といった症状を伴います。

 

 

 

8.血虚発熱

 

 

 

労倦内傷、大出血後、産後など心肝血虚が中心となって、陰血が虚すことで虚熱となり発熱します。

 

 

 

発熱の特徴としては、午後に上がることが多いです。

 

 

 

頭暈、眼花、心悸、息切れ、不眠多夢といった随伴症状がみられます。

 

 

 

女性の場合、経血量が少なくなるという変化がみられることがあります。

 

 

 

9.陰虚発熱

 

 

 

陰虚して陽気が相対的に偏盛することで発熱します。

 

 

 

陰虚が起こる原因としては、体質素因が陰虚の場合や熱病の後、内生火邪によって傷陰する場合、温燥薬過多、睡眠不足や房事過多などで傷陰する場合があります。

 

 

 

午後あるいは夜間に潮熱する傾向にあります。

 

 

 

骨から蒸されたように熱いと訴えることがあります。

 

 

 

女性の場合、月経中~後半にかけて経行発熱し、経血量は少ない特徴があります。

 

 

 

随伴症状としては、五心煩熱、心煩盗汗、不眠多夢、口乾、咽の乾燥、兎糞便、小便短赤を伴います。

 

 

 

10.陽虚発熱

 

 

 

脾腎の陽気が虚損したり、体質素因が陽虚であったり、寒証が長引いている場合や寒涼薬物の過用誤用によって陽気が損耗すると、

 

 

 

その結果、脾腎が虚弱になり、寒気が内生し、陽気が外に追いやられ、虚陽上浮の状態となり発熱してしまいます。

 

 

 

この場合は、真寒仮熱です。

 

 

 

体温がかなり高くまで上がっても、熱感を自覚しない特徴があります。

 

 

 

午前中に潮熱し、午後には下がってくることが多いです。

 

 

 

随伴症状は、寒がり、四肢厥冷、布団や防寒着を欲しがります。

 

 

 

その他、腰膝酸軟、頻尿またはあまり出なくなる、少食で便は少なく軟便~水様下痢または便秘、喉が焼けるような感じになり、口渇を訴えるも実際は飲まないといった症状を伴います。

 

 

 

以上で発熱のお話は終わりになります。

 

 

 

次回からは「鼻づまり」について、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 上下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

 

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こんばんは。齋藤です。

 

 

 

風が冷たくなってきましたね。

 

 

 

どんどん気温が下がっていきますね。

 

 

 

皆さん、風邪を引かない様、注意してください。

 

 

 

前回の続きです。

 

 

 

前回の話はコチラ

 

 

 

素問「四気調神大論」には、四気(季)に心身(神)を調和させる方法が記載されていますので、簡単ではありますが書いていこうと思います。

 

 

 

冬の三カ月は、万物の生活機能が潜伏閉蔵する季節です。

 

 

 

夏は発散しますが、冬は閉じ込めます。

 

 

 

その為、冬は全てが収納され、貯蓄する季節です。

 

 

 

発散してはいけないので、早く眠り、遅く起きて、陽気も深くに貯蔵されている為、皮膚を開いて汗を出すようなことをしてはいけません。

 

 

 

早く眠り遅く起きることで陰分を補い、寒邪が盛んになる季節なので、陽気を損なわない様に気を付ける必要があります。

 

 

 

また、発汗させることにより、余計に陽気を損なうようなことはやめましょうと説いています。

 

 

 

冬という季節に適応することは「臓気」を養う事に繋がり、この養生法に反すると、腎気を損傷し、来春になって痿厥の病を発症させますよと説いています。

 

 

 

「痿厥」とは「痿証」のことで、肢体の筋肉が弛緩・弱化し、病の進行とともに萎縮する病証です。

 

 

 

基本的に冬は、動物は冬眠する季節なので活動を控え、栄養を十分取り、睡眠時間を多めにとっていきましょう。

 

 

 

しかし、暴飲暴食は春に影響しますので、注意してください。笑

 

 

 

基本的に春と夏は陽気を養い、秋と冬には陰気を養います。

 

 

 

その為、過度な運動を控え、軽めの運動に量を調整していく必要があります。

 

 

 

現代では、24時間営業のスポーツジムなどもあり、夜中に強めの筋トレを行っている方もいらっしゃると思います。

 

 

 

その様な過度な運動は、血などの陰気を激しく消耗し、腎に影響を与える為、注意が必要です。

 

 

 

腎が弱まると抵抗力が低下する為、前述した風邪の原因となる、風寒邪などが入りやすい状態になってしまいますので、注意していきましょう!

 

 

 

参考文献

『現代語訳 黄帝内経素問 上巻』 南京中医学院編 石田秀実監訳 (東洋学術出版)

『意釈黄帝内經素問』 小曽戸丈夫+浜田善利共著 (築地出版)

『素問ハンドブック』 池田政一著 (医道の日本社)

 

 

 
 
 
 

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