東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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盗汗(とうかん)とは①

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「盗汗(とうかん)」について、お話ししていきたいと思います。
 
 
 
盗汗は、いわゆる「寝汗(ねあせ)」のことをいい、睡眠中に汗がでて、目覚めると汗が止まる状態を指します。
 
 
 
『傷寒明理論』には、「盗汗は、睡して汗出でるものをいうなり」と記載があるとおりです。
 
 
 
弁証分類は、主に次の4つです。
 
 
 
1.心血虚の盗汗
 
2.陰虚内熱の盗汗
 
3.脾虚湿阻の盗汗
 
4.邪在半表半裏の盗汗
 
 
 
まずは「心血虚と陰虚内熱の盗汗」についてです。
 
 
 
共通点はいずれも虚証であることですが、陰虚内熱だと虚熱が顕著となります。
 
 
 
まずは心血虚の盗汗についてです。
 
 
 
心身の疲労などで心血を消耗して、心血不足が起こり、心気が浮越して、心液である汗が蔵することができなくなり、外泄するために盗汗が生じます。
 
 
 
特徴は、盗汗が頻繁に起こり、動悸、浅眠などの症状を伴うことです。
 
 
 
気血不足があるため、顔色にツヤが無く、息切れ、疲労感があり、舌質淡、脈虚を呈します。
 
 
 
治法は、補血養心、斂汗を用います。
 
 
 
次に陰虚内熱の盗汗についてです。
 
 
 
亡血、失精、肺癆久咳などで陰血が消耗し、陰虚で内熱が発生して虚火が盛んになることで陰液を収蔵できず、盗汗が発生します。
 
 
 
特徴は、盗汗が頻繁にみられることに加えて、午後の潮熱、両頬の紅潮、五心煩熱をともなうことであり、
 
 
 
陰血が不足するため、女性では月経不順がみられ、
 
 
 
陰虚で相火が妄動するため、男性では夢精、滑精が起こります。
 
 
 
陰精が消耗することでるい痩し、陰虚内熱による舌質紅、少苔、脈細数を呈する特徴を持ちます。
 
 
 
治法は、滋陰降火、斂汗を用います。
 
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「多夢(たむ)」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
多夢(たむ)とは、睡眠中に夢をよくみることで、多くは嫌な恐い夢をみて、日中は頭がぼーっとして疲労感が残るようなものを指します。
 
 
 
ときどき夢をみたり、夢をみても目覚めた後に不快感を残さない場合は、正常と判断され、多夢にはあてはまりません。
 
 
 
弁証分類は、主に次の4つです。
 
 
 
1.心脾両虚の多夢
 
2.心腎不交の多夢
 
3.心胆気虚の多夢
 
4.痰火内擾の多夢
 
 
 
多夢は虚実に分かれるものの、虚証に多いとされており、気血不足、陰液不足などで発生しやすい為、臨床的に重視すべき項目となります。
 
 
 
本日は、まずは「心脾両虚と痰火内擾の多夢」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
心脾両虚の多夢は、脾虚で運化機能が低下し、気血生化の源が不足して気血両虚となり、心神が養われないため、眠りが浅くなり、多夢がみられるようになります。
 
 
 
この場合、食欲不振、泥状〜水様便、腹満感、息切れ、嬾言といった脾気虚の症候がみられることが特徴となります。
 
 
 
その他にも、顔色白、動悸、驚きやすい、健忘がみられ、倦怠無力感、舌質淡、脈濡細を伴います。
 
 
 
治法は、健脾養心を用います。
 
 
 
次に、痰火内擾の多夢についてです。
 
 
 
これは他の分類と違い、実証です。
 
 
 
憂鬱、悩み、怒りなどで肝の疏泄が失調すると、気鬱化火して、その熱が津液を濃縮して痰が生じ、痰火が心神を擾乱することで多夢が発生します。
 
 
 
多夢に加えて、イライラ、易怒、胸苦しい、多痰、舌質紅、舌苔黄膩、脈滑数などの熱と痰の症候がみられる特徴をもちます。
 
 
 
治法は、清熱化痰を用います。
 
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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