東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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乳がんの内分泌療法によるホットフラッシュ・関節痛と鍼灸④

 

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こんばんは 謝敷です

 

 

 

前回は、乳がんの内分泌療法によるホットフラッシュについて、

ガイドラインでの記載と、そちらで参照されていた論文についてご紹介致しました。

 

 

 

 

今回は、ホットフラッシュと同様に起こる

乳がんの内分泌療法による関節痛についてご紹介致します。

 

 

 

エストロゲンの合成を抑え、乳がん細胞が増殖しないように働く

アロマターゼ阻害薬というお薬を服薬することで、

副作用として、関節のこわばりや痛みが生じることがあるようです

AI関連筋骨格症候群(AI-associated musculoskeletal syndrome;AIMSS)。

 

 

 

この副作用が原因で、約1~2割の方が治療を中止することもあり、

服薬中は症状が消えることはほぼなく、現状発症を予防するような方法は見つかっていない

と報告されています。

 

 

 

関節の痛みに対しては非ステロイド系の抗炎症剤(NSAIDs)をはじめとした

お薬を服用することもできますが、

薬物療法以外の対処法として、週2回の筋力トレーニングや

ヨガなどの運動療法に加えて、鍼治療の有用性も紹介されています。

 

 

 

 

参照されていたのは

早期乳がん患者さんを対象に、鍼治療と偽鍼治療/無介入を比較した研究と、

AIMSSに対して鍼治療を行った4本の論文をまとめて検討した論文の2本です。

 

 

 

 

次回は、これらの内容について見てみたいと思います!

 

 

 

<参考資料>

・乳癌診療ガイドライン2022年版 https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/y_index/bq10/

・Hershman DL, et al. Comparison of Acupuncture vs Sham Acupuncture or Waiting List Control in the Treatment of Aromatase Inhibitor-Related Joint Pain: A Randomized Clinical Trial. JAMA Netw Open. 2022 Nov 1;5(11):e2241720. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9652759/

・Bae K et al. Acupuncture for Aromatase Inhibitor-Induced Arthralgia: A Systematic Review. Integr Cancer Ther. 2015 Nov;14(6):496-502. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26220605/

 

 

 

 

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乳がんの内分泌療法によるホットフラッシュ・関節痛と鍼灸①

 
 

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こんばんは 謝敷です

 

 

 

今日から数回は、「乳がん診療ガイドライン2022」に記載されている
「乳がんの内分泌療法によるホットフラッシュ・関節痛の対策」としての鍼灸についてご紹介したいと思います。

 

 

まず、乳がんについての疫学ですが、

 

 

2018年の全国がん登録データによると、
女性のがん罹患者数は、約42万2千人で、
そのうち乳がんは、約9万4千人と全部位の22.2%を占め、
女性のがんの中では最も頻度が高い部位と報告されています。

 

 

罹患率は45~54歳の年齢で高く、
45歳以上ではおおむね増加傾向で、69歳をピークに横ばいとなる傾向のようです。

 

 

 

2019年の人口動態統計では、日本の女性のがん死亡数は、約15万6千人で、
そのうち乳がんは、大腸、肺、膵臓、胃に続く第5位で、
14,839名(全ガン死亡の9.5%)だったと報告されています。

 

 

 

乳がんの発症には、生活習慣や既往歴をはじめ、様々なリスクとの関連が検討されていますが、
女性ホルモンの一つである「エストロゲンの分泌されている期間の長さ」が
関連していることが報告されています。

 

 

 

よって初経年齢が早い、出産歴がない・回数が少ない、
閉経年齢が遅いといったことが関連する可能性があるようです。

 

 

症状としては、胸のしこりや乳房から血の混じった分泌物が出る、
乳房の陥凹や変形などが見られます。

 

 

治療は、手術等の外科療法や、ホルモン療法や抗がん薬などの薬物療法、放射線療法などがありますが、

 

 

このうち、ホルモン療法薬では、血液中のエストロゲンが少なくなり,
体温調節がうまくできなくなるために、のぼせやほてりといったホットフラッシュの副作用が
軽いものを含めると約半数の患者さんで見られ、

 

 

他にも骨密度の低下による骨折、関節のこわばりや痛み、
頭痛や気分の変化、睡眠障害などの副作用を生じることもあるようです。

 

 

そこでガイドラインでは、乳がんの内分泌療法によるホットフラッシュ・関節痛の対策として
鍼灸に触れていますので、次回はそちらをご紹介します。

 

 

(参考資料)
・乳癌診療ガイドライン2022年版 https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/c/
・患者さんのための乳がん新良ガイドライン2023年版 https://jbcs.xsrv.jp/guideline/p2023/

 
 

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