東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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お通じが出づらい

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は前回の続き、便秘についてお話ししていきたいと思います。

 

 

 

前回のお話はこちら!

お通じの異常

 

 

 

東洋医学的には便秘のことを大便秘結と呼びます。

 

 

 

大便秘結の弁証分類は、実秘虚秘の2つに大まかに分けられ、全部で8つあります。

 

 

 

7つの分類の病因は、すべて内傷によるものとされています。

 

 

 

まずは実秘についてですが、主に3つに分類できます。

 

 

 

1.熱秘(胃腸実熱)

 

 

 

これには3つパターンがありまして、

 

 

 

①寒邪が裏に入って熱化し、陽明腑実となる。

 

 

 

②温病から気分証へ(陽明腑実証)

 

 

 

③体質素因として陽盛体質の人が、飲酒、辛辣物、油物を過食したり、偏食することで、

 

 

 

さらに胃腸に熱邪を蘊結し、津液を損傷することで燥熱の邪気を形成して、大腸腑の実証を引き起こします。

 

 

 

この分類の場合は、排便困難を伴い、排便時には灼熱感を伴います。

 

 

 

積便により、腹部脹満の訴えがみられ、重篤な場合は、拒按の腹痛が生じます。

 

 

 

その他に、口渇、口臭、顔面紅潮、イライラ、心煩、小便短赤もみられます。

 

 

 

2.気秘(肝脾気滞)

 

 

 

情志失調、運動不足により、気の運行が滞って生じた便秘のことを指すため、気滞便秘ともいいます。

 

 

 

肝気の疏泄失調、肺気の宣発失調、胃気の気逆が起こると、大腸腑の伝導機能が低下して、発症します。

 

 

腹部手術の後遺症が、大腸の気滞が派生して気秘を引き起こすことがあるため、既往歴も要チェックです!

 

 

 

精神的緊張、旅行など環境変化で便秘になるものは、気秘に分類されます。

 

 

 

特徴は、便意があるのに排便できない、腹部と両脇部の脹満、口苦、ゲップを伴い、咳や喘息を伴うこともあります。

 

 

 

3.陽明瘀熱

 

 

 

邪熱が血を煎熬することで瘀血を形成し、大腸腑の伝導を失調させて引き起こします。

 

 

 

この場合は、大便の色、質が特徴的であり、黒く硬い便が出ます。

 

 

 

加えて、瘀血所見もみられる特徴があります。

 

 

 

大便秘結のうち、実秘についてのお話は以上です。

 

 

 

次回は、虚秘についてお話していきたいと思います。

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

GW期間中はお休みをいただき、ありがとうございました。

 

 

 

長期休みしか出来ないようなやりたいことに、じっくり時間を掛けることができましたので、有意義な時間となりました。

 

 

 

しっかりとお休みをいただきましたので、少しでも患者さんのお身体が楽になって、笑顔になっていただけるよう、日々精進して参ります!

 

 

 

では!休み明け一発目は、「眩暈:めまい」について、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

眩暈は、頭暈、暝眩ともいいます。

 

 

 

「眩」は、目がかすむこと、「暈」は頭がふらついて、物が揺れ動いて見えることで、乗り物に乗っているような感覚を指します。

 

 

 

目の前が暗くなって、頭がくらくらして、激しいときは目を開けると周囲が回転して立っていられなかったり、悪心、嘔吐して倒れることもあります。

 

 

 

臨床では、虚証が多く、実証は少ない傾向があります。

 

 

 

頭暈・眩暈の弁証分類は、主に7つあります。

 

 

 

1.痰濁中阻

 

 

 

暴飲暴食などにより脾胃が損傷し、脾の運化が失調すると、水湿が停滞して痰が生じます。

 

 

 

その痰湿が中焦を阻滞したために清陽が昇らず、濁陰も下らず、眩暈が起きます。

 

 

 

この場合の眩暈は、回転性で頭が重い特徴があります。

 

 

 

雨天や高湿度で眩暈が増悪します。

 

 

 

その他に、腹脹による苦しさ、嘔吐、悪心、食欲不振、体のだるさといった症状がみられます。

 

 

 

2.肝火上炎

 

 

 

肝鬱化火から肝火上炎となって気が上へ突き上げ過ぎると、引き起こされます。

 

 

 

この場合、易怒がみられ、怒りで眩暈が増悪します。

 

 

 

その他にも、頭痛や顔面紅潮、目の充血、口苦、口渇、心煩不眠がみられます。

 

 

 

3.瘀血阻絡

 

 

 

頭部外傷などで瘀血が経絡を阻害し、清陽が昇らなかったり、気逆が起こって眩暈が起きます。

 

 

 

この場合は、頭痛を随伴します。

 

 

 

その他にも、健忘、不眠、心悸、精神的にスッキリしないといった症状がみられます。

 

 

 

4.肝陽化風(陰虚陽亢)

 

 

 

腎陰虚の体質をもともと持っていたり、慢性病、熱病などで陰液が消耗したことで、

 

 

 

腎陰が滋潤できず、肝陽上亢を引き起こしたために眩暈が起きます。

 

 

 

虚風が起こると症状はさらに激しくなります。

 

 

 

この場合、肉体疲労や怒りで増悪し、ふらつき、脹るような頭痛、易怒、浅眠多夢が随伴します。

 

 

 

5.脾気虚

 

 

 

過労による元気の消耗や脾胃虚弱の体質があると、中気不足となって眩暈が起きます。

 

 

 

横臥したくなり、肉体負荷がかかったり、起き上がると眩暈が増悪します。

 

 

 

その他に、全身倦怠感、食欲不振がみられます。

 

 

 

6.心脾両虚

 

 

 

過度の心労、思考などで心脾が損傷して気血が消耗していたり、大病や大出血によって気血が不足して眩暈が起こります。

 

 

 

頭のふらつき、目のかすみ、漠たる不安感、動悸、全身倦怠感、食欲不振、不眠を伴いやすく、

 

 

 

心身の疲労で増悪する特徴があります。

 

 

 

7.腎精不足

 

 

 

先天不足、老化による腎気の衰弱、房事過度などにより、腎陰が消耗して、髄が不足することで発生します。

 

 

 

頭のふらつき、眩暈感が慢性的にみられる特徴があります。

 

 

 

その他に、疲労感、健忘、耳鳴、目のかすみ、腰膝酸軟、遺精、陽痿がみられます。

 

 

 

これらの他に、半表半裏証(少陽証)でも眩暈がみられ、

 

 

 

足少陽胆経に左右差が生じても回転性の眩暈がみられます。

 

 

 

眩暈についてのお話は以上です。

 

 

 

次回からは、目の症状シリーズについて、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

 

 

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