東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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身体の痒み②

 

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

前回は「痒み」の弁証分類について、と話しました。

 

 

 

本日は、皮膚掻痒の弁証分類について、お話ししていきたいと思います。

 

 

まずは、病因が外感である場合の皮膚掻痒についてです。

 

 

風寒束表

 

 

冬季に多くみられ、全身痒く、下腿前面が顕著に痒くなる特徴があります。

 

 

この場合、寒冷に誘発され、寒い環境から急に暖房の効いた環境に移動する等、急激な気温変化により増悪します。

 

 

また、皮膚は乾燥しやすく、温めたり、発汗することで痒みが少し緩解します。

 

 

次に、外感または内傷による皮膚掻痒についてです。

 

 

1.風盛

 

 

季節でいうと、春季に多くみられ、遊走性の痒みが全身に出る特徴があります。

 

 

掻いて出血し、化膿したり、瘡蓋が出来たところを掻き崩すといったことを長年繰り返し、皮膚の肥厚がみられることがあります。

 

 

2.風湿客肌

 

 

長夏といった湿気の多い季節に多くみられます。

 

 

痒みが強く、掻き崩しを繰り返し、湿疹のようなものが持続的に発生します。

 

 

好発部位は、下腿後面~外側、外果、膝窩であり、掻きむしると黄色肌汁が出てくる特徴があります。

 

 

最後に内傷による皮膚掻痒についてです。

 

 

1.血熱生風

 

 

暑熱がきつくなる夏に発症しやすく、痒みが出ている部位には灼熱感を伴います。

 

 

この場合、温めたり、熱により痒みが増悪し、冷やすと緩解する特徴があります。

 

 

その他にも、イライラしたり精神的動揺や、辛辣物の摂取でも痒みが悪化します。

 

 

2.血虚生風

 

 

高齢者や虚弱体質の方が引き起こしやすいタイプであり、秋に発症しやすい特徴があります。

 

 

皮膚が乾燥して、掻くと爪の痕が皮膚に残りやすく、夜間や肉体疲労時に痒みが増悪する特徴があります。

 

 

その他の症状としては、全身倦怠感、気力が出ない、心悸不眠、食欲不振がみられます。

 

 

3.瘀血阻滞

 

 

この場合は、年齢、季節に関係なく痒みを発症します。

 

 

腰周囲や足背、手腕部に好発し、掻破痕が残りやすく、褐色から紫色の筋目のような痕がみられます。

 

 

皮膚の色自体も暗く煤けたような見た目となります。

 

 

4.脾虚衛弱

 

 

この場合、海鮮物を好んで食べていたり、毛皮などの接触刺激によって痒みが出ます。

 

 

皮膚には常に掻破痕がみられ、針先ほどの瘡蓋がみられる特徴があります。

 

 

その他にも、大便の異常、肉体疲労により倦怠感が出やすい特徴があります。

 

 

皮膚掻痒のお話は以上です。

 

 

次回は「アレルギー」について、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

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身体の痒み

 
 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「身体の痒み」について、お話ししていきたいと思います。
 
 
 
皮膚に掻痒感を自覚して、爪で掻きたくなる症状を「痒み」と定義されています。
 
 
 
 
皮膚掻痒の病位は皮膚の為、直接的に関係する臓腑は「肺 (肺魄)」が想起されます。
 
 
 
しかし、痒みなど感覚刺激を知覚するのは「心」である為、心神が不安定になると痒みの感覚が激しくなる特徴があります。
 
 
 
痒みの弁証分類については、病因が外感によるものと内傷によるものに分けられます。
 
 
 
まずは外感による痒みについてです。
 
 
 
1.風湿、風寒
 
 
 
外邪の侵襲によって肌膚での経気が鬱滞し、邪気が同部位に停滞していると正気とせめぎ合う際に、さらに気血の停滞が起こり、痛痒い感覚を引き起こします。
 
 
 
次に内傷による痒みについてです。
 
 
 
1.湿熱
 
 
 
飲食不節によって湿熱が内生し、湿熱邪が皮毛腠理で鬱滞していると、熱化して風を生じます。
 
 
 
その湿熱と内風を内から疏泄したり、外に発散出来ないでいると、皮毛腠理にこもってしまい痒みを引き起こします。
 
 
 
動風すると心火が助長され、血熱が皮膚を襲うと激しい痒みを引き起こします。
 
 
 
この場合、高温多湿、飲酒や辛辣物、脂物、甘味など湿熱を助長するものによって増悪します。
 
 
 
湿邪がきついほど患部がジュクジュクし、皮膚を掻いた際の肌汁の性状を問うことで湿と熱の比重を大まかに捉えることが出来ます。
 
 
 
熱がきつければ、色が濃くて、臭いもきつくなり、粘調性が高い特徴があります。
 
 
 
2.血熱
 
情志が鬱々として気が晴れない状態となったり、精神的に緊張がきつくなると、五志化火して血熱が内蘊し、化火生風して痒みを引き起こします。
 
 
 
夜中に痒みが増悪し、掻いて出血することで清熱されると痒みが緩解する特徴があります。
 
 
 
3.血虚
 
肝腎が弱ると陰血不足となり、皮膚を濡養できず、乾燥して痒みを引き起こします。
 
 
 
4.陰虚内熱
 
 
 
この場合、夕方~夜間に痒みが増悪しやすく、肉体疲労で悪化する特徴があります。
 
 
 
5.瘀血
 
 
 
この場合は、肌膚甲錯や皮膚の色素沈着がみられます。
 
 
 
痒みの弁証分類については、以上です。
 
 
 
次回は、「皮膚掻痒」の弁証分類について、お話ししていきたいと思います。
 
 
 
 
つづく
 
 
 
【参考文献】
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 

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