東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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水分摂取量と飲み方

 

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

前回の続きで「水分摂取量と飲み方」について、お話していきたいと思います。

 

 

 

前回のお話はこちら!

口渇と口乾の違い

 

 

 

まずは、「飲み方」についてです。

 

 

 

少しずつちびちび飲むのは、脾の昇清作用が低下して、津液を十分に口内まで上昇させられなくなった場合にみられることが多いです。

 

 

 

逆に、一気にゴクゴクと飲むのであれば、内熱があり、それを冷まそうとする働きが作用していることがわかります。

 

 

 

また、潤す程度で良いということであれば、津液が停滞している可能性があります。

 

 

 

次に「水分摂取量と口渇」についてです。

 

 

 

1.口渇多飲

 

 

 

口渇して、冷たいものを多飲するということであれば、熱証、燥証、陽明証、気分証の可能性があります。

 

 

 

口渇が強く、喜冷飲であれば熱盛傷津であり、

 

 

 

非常に口渇して、多飲するものの、すぐに渇き、飲んでいる以上に小便が出る場合は、消渇(糖尿病)に相当します。

 

 

 

2.口渇少飲

 

 

 

口渇あるものの飲みたがらないか、あまり多く飲まないのは熱邪が営血分に入っている場合に起こります。

 

 

 

また、口渇して水を口に含むものの飲めない場合は、瘀血が気機を阻滞して、津液が上昇できなくなることで口渇が起こっているだけなので、実際は津液不足は起こっていない状態です。

 

 

 

口渇して冷たいものを欲するが、量はあまり飲めない場合は、湿熱証で、湿邪の比重が大きいほど飲みたがらない特徴があります。

 

 

 

口渇、少飲、熱いものを欲する場合は、陽気が虚弱で津液が口まで到達させられなかったり、下焦に虚寒があり、腎陽が弱り気化機能が失調して水津を蒸騰させて上昇させることができなくなったりするとみられます。

 

 

 

口渇して飲みたがるが、飲めば嘔吐するのは、痰飲、水飲内停の可能性が高いです。

 

 

 

水湿や痰濁が中焦に停滞して、津液の上昇や散布を阻滞することで口渇が生じますが、飲邪が内停していて少ししか飲めず、飲めばすぐに吐いてしまう特徴があります。

 

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は前回の続きで、痿証の証候分類についてお話ししていきます。

 

 

 

前回のお話しはこちら!

手足が思うように動かない

 

 

 

まずは病因が外感の場合の痿証についてです。

 

 

 

1.湿熱壅滞

 

 

 

外邪としての湿熱邪を感受し、経絡に伝わり、筋を傷ることで、気血が肌肉筋骨を濡養できず発症します。

 

 

 

この場合、外感発熱期あるいは発熱後に四肢が軟弱無力となります。

 

 

 

重篤になると物を持ったり、足を地につけて体重を支えることが難しくなります。

 

 

 

徐々に肌肉が痩せ細り、皮膚まで乾燥して艶がなくなってきます。

 

 

下肢に浮腫がみられることがあり、手足の感覚麻痺、微熱が続き、悪熱となります。

 

 

また、全身重だるく、顔面が黄色くなり、食欲不振、脘腹満悶、小便の色が濃くてスムーズに出ないといった症状がみられます。

 

 

 

次に病因が内傷の場合の痿証についてです。

 

 

 

1.肺熱傷津

 

 

 

温熱邪の感受、燥邪が肺を傷る、邪熱が肺を犯す、病後の邪熱を清熱しきれない等など…

 

 

肺の宣発粛降、水道通調失調により津液が筋を濡養できないと痿証の中でも、皮痿・肺痿を発症します。

 

 

 

両足の筋肉が軟らかくなってきて、力が入らなくなり、徐々に肉自体も痩せてきてしまいます。

 

 

 

津液不足により、皮膚が乾燥して艶がなくなり、空咳が多く、咽喉の痛みと乾燥、違和感の訴えがみられます。

 

 

 

その他に心煩、口渇、小便短赤、排尿時の灼熱感がみられます。

 

 

 

2.脾胃気虚

 

 

 

脂物や甘味の過食、飲酒過多など飲食不節により、脾の機能失調が起き、脾が主る肌肉を濡養出来なくなることで痿証となります。

 

 

 

普段から全身倦怠感、食欲不振、大便の異常(便秘、軟便、下痢など)がみられます。

 

 

 

下肢の筋肉は弱って痩せてくる為、力が入らず、重篤になると下肢の肌肉自体が萎縮してきてしまいます。

 

 

 

3.肝腎両虚(肝腎陰虚)

 

 

 

腎精がおおいに虚損すると、肝血も不足してしまいます。

 

 

 

すると、肌肉、筋骨を濡養出来ず、痿証のなかでも脈痿・骨痿・筋痿となります。

 

 

 

大腿部や下腿部の筋肉、肌肉が徐々に痩せ細ることで下肢に力がはいらなくなり、長く立っていることが難しくなります。

 

 

 

重篤になると、足がまったく踏み出せなくなります。

 

 

 

その他に、遺尿、遺精、早泄、腰の酸痛、脊柱に柔軟性がない、咽の乾燥、目眩、夜間発熱がみられます。

 

 

 

4.瘀血阻絡

 

 

 

産後の悪露が出きらないために腰膝の経絡の流れが阻害されるか、

 

 

 

外傷打撲によって血の流れが阻害され、四肢が気血の濡養を受けられなくなることで痿証を発症します。

 

 

 

四肢が萎えて力が入らない、手足の痺れ、感覚麻痺、四肢に細絡や静脈瘤が出てきます。

 

 

 

また、四肢に固定性の刺痛がみられることが多いということが特徴です。

 

 

 

痿証についてのお話は以上です。

 

 

 

次回は「八綱陰陽」について、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

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『基礎中医学』

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