東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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潮熱とは③

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「潮熱」の続きで、「陰虚と瘀血内結の潮熱」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
前回までのお話はこちら!
 
 
 
陰虚と瘀血内結の潮熱は、どちらも午後または夜間に発熱し、熱は微熱を呈する点は類似していますが、病因病理は異なります。
 
 
 
陰虚の潮熱は、陰虚体質、発汗、嘔吐、下痢、出血、脱水による傷陰で、虚火上炎をきたすことで生じます。
 
 
 
『素問・調経論』に「陰虚すれば、すなわち内熱す」とあるよつに、各種の慢性疾患や急性熱性症状の後期にみられ、「骨蒸潮熱」ともいわれます。
 
 
 
特徴は、午後の潮熱、頬部紅潮、五心煩熱、盗汗、舌質紅、脈細数といった虚火上炎の症候を伴うことです。
 
 
 
瘀血内結の潮熱は、打撲、外傷、寒凝気滞、血熱妄行により、血流が停滞して血瘀が生じ、内鬱した瘀血が化熱し、症状を引き起こします。
 
 
 
潮熱は、午後や夜間にみられ、固定性の疼痛・硬結、肌膚甲錯、舌の瘀斑、舌質青紫色などの血瘀の症候がみられることが特徴です。
 
 
 
ここまで、潮熱についてお話してきましたが、どの潮熱も裏証に属しますが、虚実の違いがあります。
 
 
 
実証の潮熱は、外感により生じることが多く、発熱すると高熱になり、完全に解熱せず、一定時間後に再び熱が上昇する特徴をもちます。
 
 
 
虚証の潮熱は、過労や内傷によって生じることが多く、気血を消耗した結果発生し、熱は低く、熱感を自覚する程度で経過が長引く傾向にあります。
 
 
 
実証が長引くと虚証が生じてくるため、弁証の際は、潮熱の特徴を把握し、病歴を確認した上で弁別することが大切であることが分かります。
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「潮熱(ちょうねつ)」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
潮熱(ちょうねつ)とは、潮が満ちるように一定の時間に生じる発熱のことをいいます。
 
 
 
『傷寒論』では、「日哺潮熱」と記載があり、「午後潮熱」ともいいます。
 
 
 
一日に数回の発熱があるのは一般的な発熱であり、潮熱とは区別します。
 
 
 
瘧疾(ぎゃくしつ)も周期的な発熱がみられますが、悪寒と発熱を繰り返す往来寒熱がみられるのが特徴であるため、悪寒なく発熱のみの潮熱と鑑別のポイントとなります。
 
 
 
弁証分類は、主に5つあります。
 
 
 
1.陽明腑実の潮熱
 
2.脾胃気虚の潮熱
 
3.暑熱傷気の潮熱
 
4.陰虚の潮熱
 
5.瘀血内結の潮熱
 
 
 
まずは「陽明腑実の潮熱」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
表邪が裏に入って化熱し、熱邪が腸内の不消化物、有形の邪と結びついた「胃家実」です。
 
 
 
陽明の気は、申酉の午後4時〜8時に旺盛になるため、夕方の潮熱(日哺潮熱)がみられます。
 
 
 
その他にも、手足の発汗、腹が硬く脹って痛む、便秘、意識障害、譫言、煩躁、茶褐色の舌苔、脈沈実といった燥屎内結症候がみられます。
 
 
 
『傷寒論・弁陽明病脈証並治』には、「陽明病、脈遅、汗出るといえども悪寒せざるもの、その身必ず重く、短気し、腹満して喘し、潮熱あるもの、これ外は解せんと欲す、裏を攻むべきなり。……もし汗多く、微かに発熱して悪寒するものは、外いまだ解せざるなり、その熱は潮さず、いまだ承気湯を与うべからず」とあり、潮熱は陽明腑実証が形成されたことを示し、攻下すべきであると説かれています。
 
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 

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