東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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健忘(けんぼう)とは①

 

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

本日は「健忘(けんぼう)」について、お話していきたいと思います。

 

 

健忘とは、新しく体験したことを、覚えて保持する能力である記銘力が減退することで、すぐに物事を忘れてしまうことを指します。

 

 

重篤になると、話の前後が一貫せず、一瞬にして忘れてしまうこともあります。

 

 

他にも喜忘、多忘、好忘、易忘といった名称で呼ばれることがあります。

 

 

健忘は、精神薄弱による物忘れとは異なり、精神薄弱によるものは先天的な知能低下によるものとされています。

 

 

また、高齢者で体力が衰えたために健忘がみられるようになる場合がありますが、多くは生理的現象とされています。

 

 

弁証分類は主に5つあり、次の通りです。

 

 

1.腎精不足の健忘

2.心腎不交の健忘

3.心脾両虚の健忘

4.痰濁擾心の健忘

5.瘀血衝心の健忘

 

 

本日は「腎精不足の健忘」について、お話していきたいと思います。

 

 

東洋医学でいう腎の臓は、精という生理物質を蔵しています。

 

 

また、骨を主り、髄を生じますので、腎精が不足すると髄海と呼ばれる脳髄が空虚となってしまい、健忘を発症します。

 

 

特徴は、記憶力や認知能力の低下がみられ、ぼんやりする、歯の動揺脱落、白髪になり毛が乾燥して抜けやすい、筋力低下による歩行困難、舌質淡、舌苔白、脈虚などの症候がみられることです。

 

 

治法は、填精補髄を用います。

 

 

 

【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店

『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

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肛門生痔(こうもんせいじ)とは①

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「肛門生痔(こうもんせいじ)」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
これまで、肛門周囲の症状について、お話してきましたが、この項目でシリーズ最後となります。
 
 
 
これまでのお話はこちら!
 
 
 
 
肛門生痔(こうもんせいじ)とは、直腸末端および肛門の血脈瘀結による小腫瘤(静脈叢の鬱滞による静脈瘤の形成)のことであり、出血、疼痛、脱出をともなう症状をともないます。
 
 
 
これは内外痔核に相当します。 
 
 
 
『医学網目・痔漏』では、「大沢のうちに小山の突出あるがごときは痔たり。人の九竅中において、およそ小肉の突出あるものは皆痔といい、独り肛門の辺において生ずるにあらざるなり」と述べているように、「鼻痔」、「耳痔」などもあります。
 
 
 
今回は、肛門直腸末端に生じる痔について述べていきたいと思います。
 
 
 
弁証分類は主に4つあり、次の通りです。
 
 
 
1.風火燥結の肛門生痔
 
2.湿熱蘊結の肛門生痔
 
3.気滞瘀血の肛門生痔
 
4.気虚下陥の肛門生痔
 
 
 
本日は、「風火燥結と湿熱蘊結の肛門生痔」について、詳しくお話していきたいと思います。
 
 
 
まずは、風火燥結の肛門生痔についてです。
 
 
 
風熱の邪が侵入して直腸肛門に停滞したために発生し、張仲景も「熱ある者は必ず痔す」と述べています。
 
 
 
特徴は、排便時に痔核が脱出して、出血量が比較的多く、滴下性あるいは进出性(しんしゅつせい)であり、腫脹、熱感、疼痛を伴い、大便は硬くて兎糞状であり、便秘しやすいことが特徴です。
 
 
 
その他にも、口や舌の乾燥、焦燥感、頭のふらつき、腹が脹る、尿が濃くて少ない、舌質紅で乾燥、舌苔黄、脈浮数あるいは洪を呈します。
 
 
 
治法は、疏風瀉火、潤燥涼血を用います。
 
 
 
次に湿熱蘊結の肛門生痔についてです。
 
 
 
この場合、排便時に痔核が脱出しますが、出血は滴下性であり、肛門に下墜するような脹り、灼熱感がみられます。
 
 
 
他にも、排便もスッキリせず、裏急後重をともない、腹脹、食欲不振、身体が重だるい、舌苔黄膩、脈滑数などの湿熱の症候を呈します。
 
 
 
治法は、清熱利湿、祛瘀消結を用います。
 
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 

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