東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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腹瀉(ふくしゃ)とは②

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「腹瀉」の続きのお話で、「食積と肝脾不和の腹瀉」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
前回のお話はこちら!
 
 
 
いずれも実証の腹瀉であり、腹痛して瀉下しますが、病因病理がそれぞれ異なります。
 
 
 
食積の腹瀉は、脂っこいもの、生もの、冷たいもの等を食べて、脾胃の運化機能が失調し、宿食が中焦に停滞すると発生します。
 
 
 
この場合、腹満して痛み、排便後に腹痛は軽減するものの再度腹痛と排便を繰り返します、便は水様で腐卵臭があり、未消化の食物残渣が混じります。
 
 
 
他にも腐臭のある噯気、呑酸、厭食、舌苔垢膩などの食滞の症候がみられます。
 
 
 
治法は、消食導滞・健脾和胃を用います。
 
 
 
肝脾不和の泄瀉は、肝気が脾に横逆した為に生じ、気滞が中心であり、精神的刺激や緊張により誘発されます。
 
 
 
『景岳全書・泄瀉』に「およそ怒気に週えばすなわち泄瀉をなすは、必ずまず怒時に食を挟むをもって脾胃を傷るを致す、ゆえにただ犯す所あればすなわち触に随いて発す、これ肝脾二臓の病なり、肝木は土を克するをもって、脾気受傷して然り」と述べられています。
 
 
 
特徴は、腹鳴に続いて水様便が出て、その後も腹鳴が軽減しないか増強します。
 
 
 
また、脇胸部の脹痛や遊走痛があり、同時に食欲不振、口酸、噯気、失気などの症候がみられます。
 
 
 
治法は、疏肝健脾を用います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 

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大便艱難(だいべんかんなん)とは②

 

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

本日は、「大便艱難(だいべんかんなん)」の続きで、「大腸熱結と湿熱の大便艱難」について、お話していきたいと思います。

 

 

前回のお話はこちら!
大便艱難(だいべんかんなん)とは

 

 

大腸熱結の大便艱難と湿熱の大便艱難は、いずれも実熱証で病位が同じという点が共通ですが、それぞれ病因病理が異なり、治療法も違ってきます。

 

 

まず、大腸熱結の大便艱難についてです。

 

 

熱邪が陽明の腑に伝入して大腸に結したり、辛辣なものを過食したり、飲酒したりして熱が胃腑に停滞し、熱邪が津液を消耗して腸内の津液が不足することで引き起こされます。

 

 

実熱の大便秘結ほどではないものの、腸管内に燥屑が形成されます。

 

 

特徴は、腹部膨満、腹痛、圧痛、押さえると糞塊を触れるといった症状を呈することです。

 

 

治法は、瀉熱通便となります。

 

 

次に、湿熱の大便艱難についてです。

 

 

これは湿邪と熱邪が胃腸を阻滞して引き起こします。

 

 

湿邪は粘膩であるため、臓腑の機能を障害し、昇降、伝導が困難になり、大便困難となります。

 

 

特徴は、胸苦しい、上腹部のつかえ、身体が重い、口渇無し、舌苔膩がみられ、湿熱の症候がみられることです。

 

 

治法は、清熱化湿、通便となります。

 

 

つづく

 

 

 

【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店

『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

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