東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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単腹脹大(たんぷくちょうだい)とは①

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「単腹脹大」の続きで、「単腹脹大の弁証分類」について、お話していきたいと思います。
 
前回のお話はこちら
 
 
 
単腹脹大の弁証分類は主に5つあり、次の通りです。
 
 
 
1.気滞湿阻の単腹脹大
 
2.湿熱薀結の単腹脹大
 
3.気滞血瘀の単腹脹大
 
4.脾腎陽虚の単腹脹大
 
5.肝腎陰虚の単腹脹大
 
 
 
以上です。
 
 
 
まずはじめに「気滞湿阻と湿熱薀結の単腹脹大」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
これはいずれも実証であり、共通する病因病理は、肝脾の失調により気滞が生じ、気滞により中焦に水湿が停滞することで単腹脹大が発生することです。
 
 
 
そのため、症候にも類似したものがありますが、湿邪が気分を阻滞したものと、湿熱が血分を阻滞したものといった違いがあります。
 
 
 
まずは、気滞湿阻の単腹脹大についてです。
 
 
 
特徴としては、食欲不振、食後の腹満が強くなる、舌苔が白膩、脈沈弦または弦緩などの湿濁の症候がみられます。
 
 
 
治法は、疏肝理脾、行湿除満を用います。
 
 
 
次に、湿熱薀結の単腹脹大についてです。
 
 
 
湿熱による気陰の消耗傾向をともない、体の熱感、口苦、顔色黄で暗、尿が濃い、舌苔が黄膩あるいは灰膩、舌質紅、脈弦数を呈します。
 
 
 
重篤になると、化火して営血を擾乱して吐血、鼻出血、血便などの血熱妄行がみられることがあります。
 
 
 
治法は、清利湿熱、健脾調気を用い、化火して血熱妄行した場合には、清営涼血を用います。
 
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は、「唇裂(しんれつ)」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
唇裂とは、口唇が乾燥して皸裂することを指します。
 
※皸…音:クン、キン、訓:あかぎれ、ひび
 
 
 
「唇焦」は口唇の乾燥であり、唇裂と病因病理が同じであるため、唇裂と合わせて述べていきたいと思います。
 
 
 
弁証分類は主に次の2つです。
 
 
 
1.脾胃実熱の唇裂
 
 
 
熱邪が裏に入ったり、辛辣なものや脂物をを多食することが主な原因となります。
 
 
 
口唇は脾の外候であり、足の陽明胃経は口を挟み口唇をめぐるため、脾胃実熱で口唇が滋養されないと発生します。
 
 
 
口唇の発赤、膨張に加えて、激しい口渇があるので水分を飲みたがります。
 
 
 
また、多食してもすぐにお腹が空いてしまい飢餓感がある、口臭、便秘といった陽明実熱の症候を伴います。
 
 
 
脈は洪大あるいは滑数あるいは沈実、舌質紅、舌苔黄厚を呈します。
 
 
 
治法は、清泄脾胃実熱を用います。
 
 
 
2.陰虚火旺の唇裂
 
 
 
急性の熱病で陰液が消耗したり、五志過極で化火したために傷陰したり、温燥の薬物を服用しすぎて傷陰し、陰虚火旺となって火炎が口を灼いて発生します。
 
 
 
特徴は、頬部紅潮、口唇の発赤、潮熱、盗汗、イライラ、不眠がみられ、舌質紅、脈細数などの陰虚内熱の症状を呈することです。
 
 
 
治法は、滋陰清熱を用います。
 
 
 
上記2つの証は、ともに熱証に属しますが、虚熱と実熱の違いがあります。
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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