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こんばんは!樫部です。
本日は「正気虚と邪気実」について、お話ししていきたいと思います。
八綱弁証により、虚実を明らかにすることができますが、実際の臨床では虚実夾雑であることもあります。
その場合、正気の弱りと邪気実のどちらのウエイトが重いのか、または同程度なのか、標本主従を明確にし、治療方針を確定します。
正気が充実しており、邪気が虚しているのは健康な身体といえます。
虚実という言葉は、虚は正気の虚であり、邪気の虚ではなく、
実に邪気の実であり正気の実ではないことを頭に入れておきます。
正気の虚とは、気血、津液、精が虚すことをいいます。
そのうち虚であり、かつ冷えの証候が顕著であれば陽虚、熱の証候が顕著であれば陰虚といいます。
気血両虚、気陰両虚など、正気の弱りの種類の組み合わせによって、様々な虚の病態の表現法があります。
さらに、これらがどこの臓腑で起こっているのかで、肺気虚、心気虚、腎精不足、腎陰気虚、肝腎陰虚、脾腎両虚などに細分化されていきます。
次に、話は変わって邪気実についてです。
六淫の邪気に加え、気滞や瘀血、湿痰などがあり、もともと正気であっても、その機能が発揮できないような状態になったものを邪気といいます。
本来、風や湿なども自然界に無くてはならないものですが、風は風でも、暴風、強風、竜巻などになった場合は、害を及ぼすことがあります。
また、そよ風であっても、それを感受する身体の状態によって、悪影響となることもあります。
各々の身体にとって害になっている場合、邪という概念に変わります。
気血、津液も同様なことが言え、滞りなくスムーズに全身満遍なく流れていれば問題無く、健康な状態と言えますが、
どこかで停滞すると、淀みが生まれて、気血津液がスムーズに流れなくなり、邪気となります。
その状態が進行すると、瘀血や湿痰といった有形の邪を形成してしまいます。
つづく
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
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こんばんは!樫部です。
本日は、「嗜眠・不眠の病因病機」について、お話していきたいと思います。
嗜睡、嗜臥とは、疲労倦怠感に伴って、昼夜関係なく眠ることをいい、
嗜眠とも呼ばれ、知らぬ間に寝入ってしまう状態を指します。
湿困脾土、脾気虚(脾虚湿困)、腎陽虚、腎精不足などで起こります。
失眠、不寐、不得眠とは、異常な不眠のことをいい、睡眠の病的現象で、常に睡眠が不足することをいいます。
一時的な精神緊張、悩みごと、住居環境の変化、異常な暑さや寒さなどに起こる不眠は含まれない。
また、発熱や疼痛、咳嗽、喘息により二次的に起こる不眠は、それぞれの原因に対して処置する。
西洋医学的な不眠症とは、入眠や安定した睡眠の持続が妨げられることに悩んだり、それが原因となって心神の不調が生じている状態として、単なる不眠とは区別しています。
東洋医学では、『黄帝内経』に「目不瞑」、「不得眠」、「不得臥」、『難行』に「不寐」、『中蔵経』に「無眠」、『外台秘要』に「不眠」、『聖済総録』に「少睡」、『太平恵民和剤局方』に「少寐」、『雑病広要』に「不睡」といった名称が挙げられています。
不眠の病因としては、精神的ストレス、飲食の乱れ、肉体疲労、先天的虚弱、房事過多、久病、年老などが挙げられます。
病機は、実証の場合は、実火(肝火、痰火、心火)による、心神上擾、
虚証の場合は、陰虚火旺による心神上擾、血虚による心神失養、気虚あるいは脾胃のよわりによる心神不安が挙げられます。
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
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2013.09.12
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