東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「頭痛」について、続きのお話で、弁証分類についてお話していきたいと思います。
 
 
 
前回のお話はこちら!
 
 
 
頭痛の弁証分類は、主なものでも8つもあり、次の通りです。
 
 
 
1.外感風寒の頭痛
 
2.外感風熱の頭痛
 
3.外感風湿の頭痛
 
4.肝陽上亢の頭痛
 
5.気虚の頭痛
 
6.血虚の頭痛
 
7.血瘀の頭痛
 
8.痰濁上蒙の頭痛
 
 
 
本日は特に1〜3の外感によって生じる頭痛について、お話していきます。
 
 
 
『蘭室秘蔵・頭痛門』に「風は上よりこれを受く」、「高巓の上、ただ風のみ到るべし」といった記載があるように、外感の頭痛はすべて風邪が絡んでおり、風邪は寒邪、熱邪、湿邪をともなうことが多く、邪の種類によって症状の違いが生じてきます。
 
※巓(テン、いただき)…山頂、一番高いところを意味する。
 
 
 
 
外感風寒の頭痛は、風寒の邪によるもので、風に当たって冷えた後に生じます。
 
 
 
 
太陽経は表を主り、経脈は上は巓頂を循行し、下方は項背をめぐるため、風寒の邪が侵入して清陽を阻遏すると、上の後ろに頭痛が生じて痛みが項背に放散します。
 
※遏(アツ)…とめる、さえぎる、とどめる、ふさぐを意味する。
 
 
 
寒邪は収引の性質があるため、疼痛に緊束感がある特徴を持ちます。
 
 
 
『証治匯補・頭痛』では、「寒によりて痛むものは、細急して悪寒戦慄す」と記載されています。
 
 
 
また、寒邪は陰邪であり、温めると緩解するため、帽子をかぶったり、マフラーをつける等風や寒さを避けて温めたくなるといった行動がみられるようになります。
 
 
 
風寒が表にあり、化熱していないため、口渇はみられないことが特徴となります。
 
 
 
脈浮は邪が表にあること、脈緊は寒邪をあらわしており、舌苔が薄白であるのは風寒が表にあることを示しています。
 
 
 
弁証する際のポイントは、寒がる、身体が冷える、締め付けるような頭痛、暖まると緩解し、風に当たったり冷やしたりすると増悪することであるため、そういった症状がないか、お聞きしてチェックしていきます。
 
 
 
治則治法は、疏風散寒を用います。
 
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「頭痛」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
医書の古典には、「真頭痛」、「脳痛」と記載されており、『霊枢・厥痛篇』には、「真頭痛は、頭痛甚だしく、脳ことごとく痛み、手足寒えて節に至り、死すとも治せず」、『中蔵経』には「脳痛を病み、その脈緩にして大なるものは、死す」とあるように、これは重篤な頭痛を示している文章とされています。
 
 
 
「首風」、「脳風」、「頭風」などの名称もあり、いずれも頭痛を含めた症状とされています。
 
 
 
『素問・風論』には「首風の状は、頭面汗多く、悪風し、まさに風先だつこと一日にしてすなわち病甚しく、頭痛はもって内より出ずるべからず」とあり、
 
 
 
後世には「頭風」、「脳風」を頭痛の一種として捉えるものが多くみられます。
 
 
 
頭痛は多種の急性、慢性疾患によくみられる症状であるが、今回は頭痛が主症状である場合について、お話していきたいと思います。
 
 
 
頭痛は、外感によるものと内傷によるものとがあります。
 
 
 
外感による頭痛は、急性で経過が短く、表証を伴い、痛みは激しく持続性です。
 
 
 
外感は、風寒、風熱、風湿があるため、弁別して治療を行う必要があります。
 
 
 
内傷による頭痛は、一般に慢性的で経過が長く、症状はやや緩やかで、頭痛は断続的に生じ、虚実を弁別して治療することが大切になってきます。
 
 
 
頭は「諸陽経の会」で、三陽の経脈すべて顔面をめぐり、厥陰経も頭頂部に達するため、古人は頭痛の部位により病変の所在を判断しています。
 
 
 
太陽経の頭痛は、後頭部から項背部にかけてみられ、陽明経では前額部から眉稜部に、少陽経では側頭部と耳にみられることが多いとされています。
 
 
 
厥陰経の頭痛は、頭頂が痛み、目に放散して痛むことがあります。
 
 
 
六経のすべてが頭痛に関係するという説もありますが、各弁証分類型に分類することは可能であるため、症状、舌苔、脈を総合し、はっきりと鑑別していきます。
 
 
 
 
つづく
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 

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