東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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耳聾・耳鳴(じろう・じめい)とは②

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「耳聾・耳鳴」の続きで、「風熱襲肺の耳聾・耳鳴」について、お話しいきたいと思います。
 
 
 
前回のお話はこちら
 
 
 
耳聾・耳鳴を弁証する場合、虚実の弁別が大切です。
 
 
 
実証は、急に発症し、耳鳴の音が大きくて低音であるという特徴をもち、風、熱、湿邪の関与があります。
 
 
 
虚証は、聴覚が次第に低下し、蝉の鳴き声のような高音の耳鳴を呈する特徴をもち、臓腑の虚損によるものが多くみられます。
 
 
 
一般的には虚証によるものが多く、実証であるものは比較して少ないとされており、
 
 
 
急性の新鮮例は治りが早く、慢性化したものは難治性のものが多いとされています。
 
 
 
では、弁証分類の話に戻りまして、風熱襲肺の耳聾・耳鳴ついてです。
 
 
 
外感風熱、または風寒の化熱により肺が風熱の邪を受けると、肺の絡は耳に入る為、火邪が上犯して竅や絡を塞ぐことで耳聾・耳鳴が引き起こされます。
 
 
 
この場合、低音が聞きづらい為、自身の発声が大きくなりやすいという特徴を持ちます。
 
 
 
その他にも、風がふくような耳鳴がして、鼻水、耳痛、耳塞感、発熱、頭痛といった表証を伴うことが特徴です。
 
 
 
鼓膜は紅色を呈して、中耳に液が溜まることがあります。
 
 
 
また、舌質紅、舌苔薄、脈浮数を呈します。
 
 
 
治法は、宣泄肺気を用います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 

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内生五邪③

 

 

 

 

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こんばんは、永井です。

 

 

 

今回は内湿についてです。

 

 

 

 

内湿病機の特徴は、脾胃の気が虚すこと、湿気が内部を塞ぐことです。

 

 

 

 

主要症状は、顔色が黄ばむ、精神疲労、食欲不振、口の中が粘る、悪心嘔吐、尿量減少、浮腫などです。

 

 

 

 

 

病機は以下です。

 

 

 

 

 

①湿蔽清陽

 

 

 

 

 

湿が清陽を覆い湿濁が胸膈に入ると、胸部の陽が遮られ、気血の循環が悪くなり、胸絡を遮り、胸痺、胸痛が起こります。

 

 

 

 

また、湿邪が充満すると、胸部の陽を阻害、清竅を塞いで意識朦朧とします。

 

 

 

 

脾の湿は痰の発生源になるため、湿胸部の陽を遮る病理には、痰濁が共存することが多いです。

 

 

 

 

症状は、粘稠性で白い痰を大量に喀出、脘部の煩悶、悪心などです。

 

 

 

 

②湿濁上泛

 

 

 

 

脾虚により湿が停滞することで発生し、多くの臓腑に影響を与えます。

 

 

 

 

上昇して頭部を犯せば、清陽が遮られ、頭帽感、頭痛、眩暈が起こります。

 

 

 

 

胸中を犯せば、心肺が損傷され、胸悶、息切れが現れ、動悸が起きる場合もあります。

 

 

 

 

 

脾胃を犯せば、清陽が上昇せず、脘腹脹満が起こります。

 

 

 

 

③湿勝傷陽

 

 

 

 

もともと脾陽不足の体質で、湿が滞留している場合に起こりやすいです。

 

 

 

 

症状は、顔面蒼白、四肢のだるさ・冷え・浮腫、味がわからない、胃もたれ、脘腹部脹悶、舌淡色、苔膩、脈沈細などです。

 

 

 

 

悪化して水湿が増えると陽気は日に日に衰え、脾腎陽虚となります。すると、精神疲労、悪寒、頭暈、動悸、排尿困難などの症状が現れます。

 

 

 

 

④湿勝成毒

 

 

 

 

湿濁が体内に増え、長く滞留すると、毒が醸成されます。湿毒が内部を塞ぐと、さまざまな部位に病変が現れます。

 

 

 

 

 

血便(色は不鮮明で黒紫色か小豆色)、帯下の異常(悪臭、黄緑色の膿状、挟雑物が混ざる等)、陰部疼痛、掻痒感、皮膚の紅潮、丘疹、水疱などが現れます。

 

 

 

 

 

次回へ続きます。

 

 

 

 

 

参考文献

『基礎中医学』 編者:神戸中医学研究所

『中医病因病機学論』 主編:宋 鷺冰

『中医弁証論』    編著 柯 雪 帆

『内経気象学入門』 著者: 橋本 浩一

 

 

 

 

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