東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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耳痛(じつう)とは②

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きで「風熱邪毒の耳痛」と「肝胆熱毒の耳痛」について、お話ししていきたいと思います。
 
 
 
まずは風熱邪毒の耳痛についてです。
 
 
 
耳介の擦過傷、外耳道の掻破などの外傷部の皮膚から風熱邪毒が侵入したために起こります。
 
 
 
つまり肌膚が傷を受けて経絡が阻滞されると、気血が凝聚して痛みを生じます。
 
 
 
特徴は耳痛に腫脹を伴うことであり、病変部位によって違いがあります。
 
 
 
①耳介の疼痛
→耳介部の痛みが強く、程度が強いと発赤、腫脹して耳介が肥厚します。
 
 
 
②外耳道の疼痛
→外傷などの初期に生じ、耳の灼熱性疼痛が咀嚼や欠伸により増悪し、外耳道の皮膚にも発赤、腫脹がみられます。
 
 
 
③中耳病変の疼痛
→外感風熱の初期にみられ、耳内の疼痛、聴覚の減退、鼓膜の充血や水疱形成、鼻閉、鼻汁を呈します。
 
 
 
上記の局部症状以外は、発熱、頭痛、悪寒、倦怠感などの症状を呈し、舌質紅、舌苔薄黄、脈浮数をともないます。
 
 
 
治法は、疏風清熱、解毒消腫を用います。
 
 
 
次に肝胆熱毒の耳痛についてです。
 
 
 
この場合、肝鬱化火して熱が生じ、それに湿が絡んだ熱毒が上行して耳竅を蒸灼することで発生します
 
 
 
病変部位の違いは風熱邪毒の場合と同様です。
 
 
 
激しい耳痛とともに、皮膚の発赤、腫脹、膨隆が見られ、鼓膜の充血、聴力減退がみられます。
 
 
 
その他にも、発熱、口苦、咽乾、便秘、尿が濃いといった症状や舌質紅、舌苔黄膩、脈弦数といった所見がみられます。
 
 
 
治法は、清肝瀉火を用います。
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 
 

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内傷病因⑥

 

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こんばんは、永井です。

 

 

 

 

今回はその他の発病因子の一つである、瘀血についてです。

 

 

 

 

瘀血は血液の運行が阻滞されて生じた病理産物で、多くの継発病変の病因にもなります。

 

 

 

 

瘀血の瘀は積滞で、血液は経脈・絡脈内を休む事なく運行して一時も停滞しません。

 

 

 

 

何らかの素因による全身あるいは局所の血液運行が緩慢になる事を血滞と言い、血液の流動が停止、部分的に血液が聚集することを血瘀と言います。

 

 

 

 

瘀血の主な症状は、

 

 

 

 

固定性の刺痛、疼痛が昼は軽く、夜に増強、腫塊形成、不正性器出血、吐血、血便、全身症状としては、顔面、口唇が青紫色、舌質が紫暗、瘀斑、瘀点、脈が沈渋、沈弦、結代などです。

 

 

 

 

瘀血の病変の特徴は以下です。

 

 

 

 

・血気互阻

 

 

 

 

気滞が瘀血を引き起こし、瘀血が気機をさらに不利にして、気血が相互に阻滞しあうという悪循環が生じます。

 

 

 

 

・病変が多端

 

 

 

 

瘀血は広汎に障害を及ぼすため、多彩で複雑な症状が現れます。

 

 

 

 

例えば、気血互阻で水道を妨害し、水湿内停すると、水腫、腹水が生じます。

 

 

 

 

瘀血が経脈を阻滞し、血が肌皮を充養出来ない場合は、肌膚甲錯となります。

 

 

 

 

瘀血が内停し、敗血が心に上攻すると、昏厥を引き起こします。

 

 

 

 

次回へ続きます。

 

 

 

 

 

参考文献

『基礎中医学』 編者:神戸中医学研究所

『中医病因病機学論』 主編:宋 鷺冰

『中医弁証論』    編著 柯 雪 帆

 

 

 

 

 

 

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