東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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頭脹(ずちょう)とは

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「頭脹(ずちょう)」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
頭脹は、「脳脹」とも呼ばれ、割れるように頭が脹る感覚を指します。
 
 
 
「頭重」と似ていますが、「頭重」であれば頭が締めつけられるように重い感覚を訴える為、問診では意識して聞き取り、鑑別に役立てます。
 
 
 
弁証分類は、主に2つあり、次の通りです。
 
 
 
1.肝火の頭脹
 
2.湿阻の頭脹
 
 
 
以上の通りです。
 
 
 
まずは、肝火の頭脹についてです。
 
 
 
悩み、怒り、感情の抑うつにより、肝気の疏泄が障害されて鬱して化火したり、辛いものを偏食して内熱が生じ、肝火が上逆して清竅を擾乱することによって頭脹が生じます。
 
 
 
重篤になると、清竅の閉塞により、突発性難聴を併発することもあります。
 
 
 
この場合、精神的変動に随伴して増悪緩解し、胸脇苦満、口乾、口苦、イライラ、易怒、舌苔薄黄、脈弦数などの肝火の症候がみられることが特徴です。
 
 
 
治法は、清肝瀉火を用います。
 
 
 
次に、湿阻の頭脹についてです。
 
 
 
長期間湿気の多い土地、建物に住んでいたり、水中を歩いたり、雨にうたれることなどにより、湿邪を受け、湿邪が陽気を阻滞することによって、清陽が昇らず濁陰は下らなくなることで頭脹が生じます。
 
 
 
この場合、頭脹に加えて重く締め付けられる感覚も起こることが特徴です。
 
 
 
また、その他の症状としては、食欲不振、肢体が重だるい、腹部膨満、悪心、嘔吐、舌苔白膩、脈濡で滑などの湿阻の症候がみられます。
 
 
 
治法は、祛湿昇清を用います。
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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暈厥(うんけつ)とは④

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きで「痰濁上擾と暑熱の暈厥」について、お話させていただきます。
 
 
 
どちらも実証ですが、病因病理、症候は異なります。
 
 
 
まずは痰濁上擾の暈厥についてです。
 
 
 
湿痰がある人に悩み、怒りなどの七情不和が生じ、気が上逆して痰をともない、痰が清竅を蒙閉して発生します。
 
 
 
この場合、頭のふらつきや目眩がして周辺が揺れ動き、体を動かすと増強し、悪心、嘔吐、頭が締め付けられるように重いといった前駆症状の後、突然意識が消失する特徴をもちます。
 
 
 
また、喘鳴、呼吸が粗い、よだれが出るなどの症候をともない、次第に覚醒します。
 
 
 
舌苔は白膩、脈弦滑を呈します。
 
 
 
一般的には重症ではないですが、反復しやすい特徴をもちます。
 
 
 
治法は、行気豁痰を用います。
※豁(かつ)…ひらく、ゆるすの意
 
 
 
暑熱の暈厥は、暑邪が侵襲して熱が鬱し、気が上逆して神明を擾乱して発生します。
 
 
 
この場合、炎熱酷暑の日や高温作業のときに突然意識障害が発生し、歯を食いしばる、身熱、顔面紅潮、重篤になると譫言、舌質紅で乾燥、脈洪数などを呈することが特徴です。
 
 
 
内閉外脱した場合、顔面蒼白、冷や汗、四肢が冷たい、口を開ける、手をだらんと拡げる、脈虚数で大などを呈します。
 
 
 
治法は、辛涼開竅を用い、内閉外脱の場合は、脱閉兼治を用います。
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 

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