東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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膝腫痛(しつしゅつう)とは④

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「熱毒、風毒と湿毒の膝腫痛」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
まずは熱毒、風毒の膝腫痛についてです。
 
 
 
どちらも発症が急速で、患部は発赤し、脈数、舌質紅と熱所見を呈することが特徴的です。
 
 
 
熱毒の膝腫痛は、外傷により膝関節に内出血が生じて、瘀血が停滞し、それが化熱して熱毒となって発生します。
 
 
 
この場合、膝関節部の発赤、腫脹、疼痛、熱感があり、皮膚の軟化、関節内に膿の貯留が認められ、膿が排出されると開放に向かう特徴をもちます。 
 
 
 
その他にも、身熱、イライラ、口渇、尿赤短利、便秘、舌質紅、舌苔黄でやや乾燥、脈滑数を呈します。
 
 
 
治法は、清熱解毒、活血、利関節を用います。
 
 
 
風毒の膝腫痛は、風毒の邪が侵入して血熱が生じ、熱毒が内攻して発生します。
 
 
 
この場合、両側膝関節の強い腫脹、疼痛があり、錐を刺すような痛みで手も近づけられない状態となります。
 
 
 
この他にも、発熱、イライラをともないます。
 
 
 
治法は、清熱解毒、消腫止痛を用います。
 
 
 
次に湿毒の膝腫痛についてです。
 
 
 
熱毒と同じように毒邪が内攻することで引き起こされ、強い痛みをともなう点では類似しますが、湿邪による症状をともなうことが弁別のポイントとなります。
 
 
 
この場合、発症が緩慢で、膝関節の発赤はみられず、痛みの性質は重だるく、腫脹がみられます。
 
 
 
その他にも、頭重感、四肢が脹って苦しい、腹満、悪心、軟便、舌質淡紅または淡暗、舌苔白膩で湿潤、脈沈緩または弦滑を呈することが特徴です。
 
 
 
治法は、利湿祛風、活血解毒を用います。
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 

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こんばんは!吉澤です。

 

 

最近は雨続きですっきりしない天気が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

 

 

今週からは、「首・肩・背中のコリ、痛み」を東洋医学の考え方でご説明していきます。

 

 

 

今回は「コリ」「痛み」の定義と、問診時に注意して確認する3つのポイントを紹介します。

 

 

 

「首・肩・背中のコリ、痛み」で困っている人は少なくないと思いますので、ご参考にしていただければ幸いです。

 

 

 

まずは「コリ」と「痛み」の考え方ですが、東洋医学では以下のように考えます。

 

 

 

コリ:気血津液が停滞することによって発症すると考えられる。

 

 

痛み:「通ぜざれば痛む」、あるいは「営せざれば痛む」のいずれかであって、気血津液の不通がその原因となる。

 

 

 

湿痰や瘀血が凝集することによって肌肉が堅くなって「コリ」「痛み」「重だるさ」などの不快感を感じます。

 

 

 

次に問診時の3つのポイントに関してですが、肩がこる、頚がこる、背部がこる、いずれにしても以下の3つを注意して問診していきます

 

 

①「どの経絡上で、左右いずれの側に頻繁に起こるのか」

 

②「どういう時に起こりやすく、それは、他の症状に関連しているのか」

 

③「(この症状が主訴の場合も含め)緩解条件と増悪条件は何か」

 

『歴史の中の病と医学』によると、肩こりは「痃癖という範時に入ります。

 

 

そして、「こり」と「こころ」は“こごるという動詞で結ばれる同じ語源の言葉だそうで、

 

 

こりを実際手で掴んでみた時、その人が生きてきた過去ひとときの怠り一晩の不養生一つ一つがわずかなものであっても

 

 

過ぎ去ることなく刻々と体内に溜まり形成してきたその累積を掴んでいることになる、といわれています。

 

 

 

そのため、問診時は、こころの問題(七情の問題、生活環境、社会環境などに伴う情緒変動の問題)も忘れずに問診することが重要となります。

 

 

今週はここまでです。

 

 

また来週お会いしましょう。

 

 

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