東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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首・肩・背中のコリ、痛み2

 

 

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こんばんは!吉澤です。

 

 

先週末に梅雨が明け、一気に夏本番となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 

 

今週からは、を東洋医学の考え方でご説明していきます。

 

 

 

前回より「首・肩・背中のコリ、痛み」について書かせていただき、先週は「コリ」「痛み」の定義と、問診時に注意して確認する3つのポイントを紹介いたしました。

 

 

 

*前回はこちら

 

 

 

今週は首・肩・背中(上背部)に関与する経絡経筋にはどのようなものがあるのかと、「風寒」による肩コリの特徴をご説明いたします。

 

 

 

1)経脈;首・肩・背中(上背部)に関与する経脈には以下の6つがあります。

 

 

手陽明大腸経、足陽明胃経、手太陽小腸経、足太陽膀胱経、手少陽三焦経、足少陽胆経

 

 

 

2)経筋:経脈;首・肩・背中(上背部)に関与する経筋には以下の6つがあります。

 

 

手太陰肺経、手陽明大腸経、手太陽小腸経、足太陽膀胱経、足少陰腎経、手少陽三焦経

 

 

 

物理的負荷がかかりすぎたために引き起こされる、単なる経絡経筋病の場合は、上記のうちどの経絡経筋の変動によるものかを、井穴診切経を行い、特定していきます。

 

 

 

続いて「風湿」による、肩コリの特徴に関してですが、こちらは「外感」の分類となり、太陽病の特徴を兼ね備えております。

 

 

 

具体的には、頭項強痛が肩コリにあたり、他には脈浮、悪寒、場合によっては発熱などの症状が現れます。

 

 

 

太陽病は太陽膀胱経を中心として背部で外邪と抗争する段階を指します。

 

 

 

太陽とは、外邪の侵襲を最初に防衛しようとする、第一関門であり、第一戦線でもあるので、外邪の侵襲時に一番浅い段階となります。
 
 
 
 
 
今回は以上です。
 
 
 
 
 
次回は、「寒湿」、「気滞」の「首・肩・背中のコリ、痛み」にちいてご説明いたします。
 
 

 

 

【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
 
 

 

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脛痠(けいさん)とは

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「脛痠(けいさん)」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
脛痠とは、下腿がだるく無力なことをいいます。
 
 
 
最古の記載は、『黄帝内経・霊枢』にあり、「髄海不足」によって生じると考えられています。
 
 
 
弁証分類は、主に次の3つがあります。
 
 
 
1.腎気虚の脛痠
 
2.腎陰虚の脛痠
 
3.湿熱下注の脛痠
 
 
 
以上のように、脛痠は内傷の症候の一つで、虚証に多いとされています。
 
 
 
まずは、腎気虚と腎陰虚の脛痠についてです。
 
 
 
ともに腎虚が基本となり、房事過多、老化、慢性病などにより、腎の気陰が消耗することが引き起こされます。
 
 
 
腎のは骨を主り、骨は髄を主るので、腎が虚すと脛骨を栄養出来なくなり、脛痠が生じます。
 
 
 
鑑別のポイントは寒熱の違いであり、熱象がみられるものが腎陰虚、寒象がみられるものが腎気虚です。
 
 
 
腎気虚の脛痠は、下腿に涼感があり風を嫌う特徴をもちます。
 
 
 
その他にも、腰膝酸軟、息切れ、顔がどす黒い、ED、頻尿、排尿後の余瀝、脈沈弱で数でない、舌質淡紅、舌苔薄白といった症候を呈します。
 
 
 
治法は、益気補腎を用います。
 
 
 
腎陰虚の脛痠は、下腿の灼熱感、五心煩熱、頭がふらつく、耳鳴、顔面紅潮、口渇、咽渇、夢精、舌質紅、舌苔少、脈細数がみられる特徴をもちます。
 
 
 
治法は、育陰補腎を用います。
 
 
 
次に湿熱下注の脛痠についてです。
 
 
 
この場合、水湿の邪に侵されて生じることが多く、『素問・太陰陽明論』には「湿に傷るれば、下まずこれを受く」と記載があるように、湿邪が重たく、下に集まりやすい性質を持つため、身体の下方、特にまず先に下腿影響を及ぼします。
 
 
 
そして、湿濁が下腿の肌肉に停滞し、それが化熱して湿熱となり、湿熱が気陰を消耗して精髄による栄養が不十分となることで脛痠が発生します。
 
 
 
この場合、下腿の腫脹、疼痛、熱感があり、顔色黄で脂垢がつく、尿赤短利、脈濡数、舌苔黄膩を呈することが特徴です。
 
 
 
治法は、清利湿熱に益気活血を補助として用います。
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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