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肩こり、首こり、背中のこり②

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は、続きのお話として、肩こりの弁証分類についてお話ししていきたいと思います。

 

前回のお話はこちら

 

 

 

まずは、病因が外感の場合です。

 

 

 

主に風寒により、肩こりが引き起こされることがありますが、

 

 

 

太陽病の特徴である、頭項強痛と悪寒といった症状を随伴していないかの確認と、発症した際の環境や状況の確認が重要となります。

 

 

 

そして、病因が内傷の場合、分類としては9つあります。

 

 

 

患部の冷え、重い感じ、雨で寒いと悪化しやすい肩こりといいますと、

 

 

 

1.寒湿です。

 

 

 

ひどいと疼痛も伴うこともあります。

 

 

 

そして、患部が脹る感覚があり、患部表面には他覚的な冷えがみられることがあるものは、

 

 

 

2.気滞による肩こりです。

 

 

 

軽度であれば、マッサージやシャワー刺激で寛解する為、これらの情報を確認することで、気滞のレベルを確認することができます。

 

 

 

また、比較的新しい気滞であれば、督脈上に圧痛が多く出ます。

 

 

 

この気滞が長期化して起こるのが、

 

 

 

3.肝鬱気滞による肩こりです。

 

 

 

イライラや焦ることで増悪しますが、緊張している間は自覚しづらく、緊張から解放されると自覚しやすい傾向にあります。

 

 

 

上に突き上げるような症状が随伴していると、

 

 

 

4.肝気逆、肝火上炎による肩こりが疑われます。

 

 

 

のぼせやすくなったり、のぼせると肩こりが悪化します。

 

 

 

さらに、目の充血、頭痛、眩暈を伴うことがあります。

 

 

 

また、胃気の上逆も起こっていると、吐き気も伴うことがあります。

 

 

 

そして、肩上部のこりが筋ばり、肌肉にしなやかさがない肩こりは、

 

 

 

5.肝血虚による可能性があります。

 

 

 

そして、同じ時期から、他の部位の転筋が起こりやすくなっていたり、目がかすんだり、乾燥したりといった症状が出てきている可能性がある為、確認が必要となります。

 

 

 

患部の冷えと鈍重感、痺れる感覚、頭重や全身の重だるさを伴う肩こりといえば、

 

 

 

6.湿痰阻絡の可能性が高くなります。

 

 

 

湿度の高い天候や季節、飲食、飲酒の影響を受ける為、増悪因子として確認が必要となります。

 

 

 

また、痰が絡んだり、出ることもあり、患部はもっちりとして弾力のある場合が多いという特徴を持っています。

 

 

 

患部の固定性の刺痛、夜間に悪化、発症起点として打撲、捻挫といった外傷がある。

 

 

 

これらが揃うとやはり、

 

 

 

7.気滞血瘀が疑われます。

 

 

 

患部に紫暗色の細絡がみられることもあり、拒按で、硬結がきついことが特徴です。

 

 

 

肉体疲労によって悪化したり、常にこりがあって、少しの安静では回復しない。

 

 

 

虚の側面がみられると、

 

 

 

8.腎虚による肩こりが疑われます。

 

 

 

腎陽虚か腎陰虚なのか、あるいはどちらも含むものなのか、追加問診をして確認していくことが必要となります。

 

 

 

そして、湿熱や化火による内熱があると、津液が暗耗し、陰血の濡養不足が起きますが、

 

 

 

その場合の肩こりは、

 

 

 

9.邪熱傷津に分類されます。

 

 

 

初期は邪熱が傷津よりも勝っているので、熱実証の所見が目立ちます。

 

 

 

しかし、症状が長期化すると傷津が激しくなり、津液の虚損が勝ってきて、陰虚や血虚など虚証の所見が目立つようになってきます。

 

 

 

以上が、肩こりの弁証分類となります。

 

 

 

患部の感触、痛み方、随伴症状、増悪寛解因子から、証をある程度絞っていくことが出来ることがわかりますね。

 

 

 

前回もお話しましたが、「こり」は、その人が生きてきた過去の累積であるため、

 

 

 

上記の内容に加えて、七情、生活環境、社会環境などに伴う情緒変動の問題も忘れずに問診していくことが重要となります。

 

 

 

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【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

 

 

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こんばんは。齋藤です。

 

 

 

前回の続きです。

 

 

 

前回の話はコチラ

 

 

 

前回に引き続き、霊枢「五味論篇」に記載されております、苦味に関して書いていこうと思います。

 

 

 

以下、原文になります。

 

 

 

『黄帝曰、苦走骨、多食之、令人変嘔、何也。少兪曰、苦入于胃、五穀之気、皆不能勝苦。苦入下脘、三焦之道皆閉而不通。故変嘔。歯者、骨之所終也。故苦入而走骨。故入而復出、知其走骨也。』

 

 

 

以下、訳文になります。

 

 

 

黄帝が言う。「苦味のものは骨に親和性をもっており、食べ過ぎると嘔吐させるが、これはどうしてだろうか。」

 

 

 

少兪が言う。「苦味は五穀の気のすべてに勝ち、苦味が下脘に侵入すると、三焦が通ぜず、胃に入った水穀がうまく消化・吸収・輸送できず、機能に異常をきたし、胃の気が逆上し、変化して嘔吐するのです。

 

 

 

苦味は胃に入ると、骨に行き、さらに歯にゆきます。

 

 

 

それで、すでに胃に入った苦味がもう一度吐き出されるので、その苦味が骨に行ったことが分かるのです。」

 

 

 

苦味の食べ物というと、ゴーヤやゴボウなどが思いつきますね。

 

 

 

苦味には、瀉出し、水滞を乾かし、堅める作用があり、熱証や体内に湿気がこもって起こる病気に効果があります。

 

 

 

苦味が胃に入ることにより、苦味の働きにより、三焦の通路(通調水道)が堅くなって、閉塞し通じなくなるので、嘔吐します。

 

 

 

苦味が吐き出されたことが、他の臓腑や組織に行かずに、歯に入ろうとしている証拠になります。

 

 

 

少し分かりづらいですよね。笑

 

 

 

続く。

 

 

 

参考文献

『現代語訳 黄帝内経霊枢 下巻』 南京中医学院編 石田秀実監訳 (東洋学術出版)

『意釈黄帝内經霊枢』 小曽戸丈夫+浜田善利共著 (築地出版)

『霊枢ハンドブック』 池田政一著 (医道の日本社)

『中医臨床のための中薬学』 神戸中医学研究会編著 (医歯薬出版株式会社)

 

 

 

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