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手足のひきつり

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は前回の続きで、手足のひきつりについて、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

前回までのお話はこちら!

手足の痛み

手足のだるさ

手足のほてり

手足のしびれ

手足の震え

 

 

 

手足がひきつることは、四肢拘急ともいいます。

 

 

 

拘急は、腱に異常があることで、四肢を伸ばしたり曲げたりしづらくなる状態を表しています。

 

 

 

四肢拘急といいますと、四肢の筋肉が収縮してひきつり、屈伸しにくい状態ということが分かります。

 

 

 

身近なものですと、下腿のふくらはぎの筋肉がひきつって痛む、いわゆる「こむら返り」があります。

 

 

 

「こむら返り」は、東洋医学的には転筋と呼んでいます。

 

 

 

肝血虚によるものが多くみられますが、絶対的な肝血虚なのか、相対的な肝血虚であるのか、弁別する必要があります。

 

 

 

そして、転筋は肝血虚によるものが多いですが、血虚イコール転筋とは限らず血虚以外でも発症する可能性はあります。

 

 

 

たとえば、寒い日のマラソン大会中に転筋が起こり、路肩でストレッチしてもらっている市民ランナーさんを見掛けることがありますが、

 

 

 

風寒邪が侵襲し、寒邪の病勢がきつい場合、寒邪の収斂作用によって肌肉が収斂して関節痛とともに四肢のひきつりが出ることがあります。

 

 

 

これは、気の温煦作用が不足して肌肉が温まらなくなって起こってしまいます。

 

 

 

そして、湿熱が四肢に浸淫していても起こることがありますが、

 

 

 

この場合は、陽が相対的に過多になり、陰血不足が起き、陰血の濡養低下から転筋が起きます。

 

 

 

また、四肢のこりと緊張により通常の屈伸が制限されることを拘攣攣急といいますが、

 

 

 

項背が強ばったり、こる、強直といった症状が見られることを項背拘急といいます。

 

 

 

少し長くなりそうなので、詳しい弁証分類は、次回お話していきたいと思います。

 

 

 

院長 関連ブログ

スタッフ 関連ブログ

 

 

 

つづく

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

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手足のしびれ

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は前回の続きで、手足のしびれについて、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

前回までのお話はこちら!

手足の痛み

手足のだるさ

手足のほてり

 

 

 

皮膚の知覚が麻痺することを麻木といい、手足がしびれることを四肢麻木といいます。

 

 

 

また、皮膚の正常な感覚の欠如やしびれを肌膚麻木といい、麻痺のことを不仁といいます。

 

 

 

知覚が麻痺している不快な感覚を「しびれ」として訴える場合もあります。

 

 

 

問診では、まず始めに症状が

 

 

 

・左右どちら側で起こっているのか

 

・どの経絡上で起こっているのか

 

 

 

を確認し、見極めていきます。

 

 

 

四肢麻木の弁証分類は、主に6つあります。

 

 

 

まずは外感により四肢麻木が引き起こされる場合の分類です。

 

 

 

1.風中経絡

 

 

 

風邪や風寒邪が侵襲して、経脈が濡養されず気血不和となってしまい、四肢の麻木を発症します。

 

 

 

遊走性の麻木で軽度の口眼喎斜を伴っていた場合は、風邪中心

 

 

 

固定性の疼痛、四肢の冷え、悪寒を随伴していた場合は、寒邪中心であることが分かります。

 

 

 

そして次の5つは、内傷により四肢麻木が引き起こされる場合の分類です。

 

 

 

2.気血両虚動風

 

 

 

過労などにより、気血が損耗してしまい、経絡の気が虚すことで風が生じて発症します。

 

 

 

この場合、四肢に力が入りづらかったり、気虚や血虚所見を伴います。

 

 

 

3.気滞血瘀

 

 

 

精神的ストレスがかかるなどの情志の問題や外傷、慢性的な疾患によって邪が経絡に侵襲して気滞血瘀が引き起こされますが、

 

 

 

そのことによって経絡の通りを阻害してしまい、濡養失調を引き起こして発症します。

 

 

 

麻木に軽度の痛みを伴い、痛み方に波がある場合は、気滞中心

 

 

 

固定性かつ持続性の疼痛を伴い、他にも瘀血所見がみられれば、瘀血中心である可能性が高くなります。

 

 

 

4.肝陽化風

 

 

 

喜怒が激しいなど肝気が旺盛な状態では、化火生風して四肢の麻木を発症することがあります。

 

 

 

この場合、風による振戦を伴い、煩燥して怒りっぽくなるという特徴があります。

 

 

 

5.風痰阻絡

 

 

 

痰飲を長期間溜め込んでいると、内風を生じたり、外風をきっかけにして、

 

 

 

風痰に変化して経絡の気血の流れを阻害して発症します。

 

 

 

この場合も風が関与することで、振戦がみられますが、掻痒感や頭暈を伴うことが多いという特徴があります。

 

 

 

6.湿熱鬱阻

 

 

 

甘味、脂物、辛味、酒を摂りすぎてしまう等の飲食不節や多湿となるような天候の影響により、

 

 

 

身体に湿熱が溜め込まれてしまい、それが経絡を阻害して四肢の麻木を発症します。

 

 

 

灼重感を伴うことが特徴で、特に足に顕著にみられ、冷たいものに触れることで緩解します。

 

 

 

手足のしびれについては、以上です。

 

 

 

次回は、手足の震えについて、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

院長 関連ブログ

スタッフ 関連ブログ

 

 

 

つづく

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

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