東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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眼の病の東洋医学的な捉え方②

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は前回の続きで、緑風内障の弁証分類について、話していきたいと思います。

 

 

 

前回までのお話はこちら!

目が乾いて、疲れる

目のかすみ

目の痒み

光がまぶしく感じる

涙が出る

眼の病の東洋医学的な捉え方①

 

 

 

弁証分類は主に5つあり、病因は内傷によるものです。

 

 

 

1.肝胆風火

 

 

 

七情が偏ると五志化火し、肝胆の火が旺盛となります。

 

 

 

すると、内風が生じて、風火が目上攻して発症します。

 

 

 

発症が急で、激烈な頭痛を伴うことが特徴です。

 

 

 

眼球の脹痛も強く、「眼球を取り出したくなるほど」と表現されることもあります。

 

 

 

痛みに伴い、視力も急激に低下し、重篤な場合は、失明することもあります。

 

 

 

瞳内が淡緑色に変色する特徴があり、眼球が硬くなり、石のように感じられることもあります。

 

 

 

その他に、悪心嘔吐、尿赤、便秘といった症状がみられます。

 

 

 

2.痰火上壅

※壅(よう) :塞ぐ、遮るの意

 

 

 

肝鬱化火により津液を煎熬(せんごう:汁が無くなるまで煮詰めること)したり、脾の問題から痰湿を生じ、

 

 

 

痰が凝集して熱と化し、痰火となって風を生じ、頭目を塞ぐことで発症します。

 

 

 

こちらも発症が急で、頭眼の症状が出ることに関しては、肝胆風火と同様で、悪心嘔吐、尿赤、便秘も同様にみられます。

 

 

 

その他、身熱、顔面紅潮、回転性の眩暈がみられる特徴があります。

 

 

 

3.肝鬱化火気逆

 

 

 

肝鬱化火により気が上逆すると、目を襲い、発症することがあります。

 

 

 

目や頭に脹った痛みを訴え、繰り返し引き起こされます。

 

 

 

瞳内が淡緑色に変色する、眼球が硬くなるといった所見を呈して、

 

 

 

抑鬱感が強く、胸悶、ゲップがよく出るといった症状を伴います。

 

 

 

4.陰虚陽亢、風陽上擾

 

 

 

陰血の消耗・虚損により肝陽上亢し、肝陽化風して風陽が目を襲うことで発症します。

 

 

 

症状自体は、増悪緩解を繰り返す特徴があります。

 

 

 

その他、頭目脹痛、瞳神散大、目のかすみ、眼球が硬くなるといった症状がみられますが、

 

 

 

この場合、目だけでなく、健忘失眠、眩暈、耳鳴、口乾、五心煩熱もみられます。

 

 

 

5.肝胃虚寒、飲邪上犯

 

 

 

精神的抑鬱により肝を傷めたり、思慮過度が脾胃を傷めると、肝胃の気が虚してしまいます。

 

 

 

そうすると、清陽が上らないし、濁陰もくだらないし、といった状態となり、飲邪が目を犯すことで発症します。

 

 

 

この場合も、目の脹痛、瞳神散大、目のかすみがみられますが、

 

 

 

頭頂部の痛みに加えて、胃の腑の異常を思わせるような症状、乾嘔、涎をよく吐く、腹満、食欲不振、全身倦怠感を訴えます。

 

 

 

また、寒冷や雨天前になると、上記の症状が悪化する特徴を持ちます。

 

 

 

緑風内障のお話は、以上です。

 

 

 

次回は「視力の異常」についてお話ししていきたいと思います。

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

 

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六淫の外邪⑫

 

 

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こんばんは。齋藤です。

 

 

 

 

関東地方は、天気予報ですと今週は雨天が少ない予報ですね。

 

 

 

この時期は、本当に天起予報が気になります。

 

 

 

それでは前回の続きです。

 

 

 

これまでのブログはこちら。

六淫の外邪

六淫の外邪②

六淫の外邪③

六淫の外邪④

六淫の外邪⑤

六淫の外邪⑥

六淫の外邪⑦

六淫の外邪⑧

六淫の外邪⑨

六淫の外邪⑩

 

 

 

前回の話はコチラ

 

 

 

 

前回の続きです。

 

 

 

・火は瘡瘍を発しやすい。

 

 

 

瘡瘍とは、皮膚がはれて膿をもったものを指します。

 

 

 

火邪が血分に鬱することにより、気血の停滞を発生させ、局部に集まり肉腐成膿すると瘡瘍が発生します。

 

 

 

『素問・至真要大論』には「諸痛痒瘡は、みな心に属す」と記載されています。

 

 

 

ここでの心は血分に熱が至っていることを指します。

 

 

 

火は五行でいうと、心に属しており、心と火は密接に関係し、心は血脈を主るという事で、血とも密接に繋がっています。

 

 

 

その為、火邪が営血分に侵入すると、心も障害を受けやすく、精神症状が出やすくなります。

 

 

 

火邪について書いてきましたが、暑邪との違いについて改めて整理すると、火邪は夏季前半の主季と考えられており、暑邪ほど季節性が無く、湿を伴っていないという点です。

 

 

 

 

また、火は陽邪の極みなので、程度としては、火邪の方が暑邪に比べ、火の症状が強くなります。

 

 

 

また、火邪や暑邪は、温熱病の病因となります。

 

 

 

その為、症状だけでなく、気温や天候、季節などを考慮したうえで、暑邪なのか、火邪なのかを弁別していく必要があると思います。

 

 

 

参考文献

『中医学ってなんだろう』著:小金井信弘 (東洋学術出版)

『基礎中医学』 編著:神戸中医学研究会 (燎原)

『鍼灸 臨床能力 北辰会方式 理論編』 監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人 北辰会 学術部 (緑書房)

『内経気象学入門』 著:橋本浩一 (緑書房) 

『中医弁証学』著:兵頭明、 柯雪帆 (東洋学術出版)

『中医病因病機学』 主編:宋 鷺冰 訳:柴﨑 瑛子 (東洋学術出版社)

 

 

 

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