東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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痔がある

 

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は「痔」について、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

「痔」は、直腸末端および肛門のところで、血脈が瘀結し小腫瘤を形成し、出血、疼痛、脱出を伴う症状のことを指します。

 

 

 

内痔核、外痔核を合わせて、肛門生痔と呼びます。

 

 

 

内痔は、直腸と肛門皮膚の境界線より上方に出来る痔を指し、

 

 

 

外痔は、直腸と肛門皮膚の境界線より下方に出来る痔を指します。

 

 

 

脱肛は、肛門が脱出することをいい、

 

 

 

肛漏・肛瘻は、肛門周囲の膿瘍が潰破したのちに創口が癒合しないか、反復して膿瘍が生じ、膿や浸出物が漏出する状態を指します。

 

 

 

肛門生痔の弁証分類は次の通りです。

 

 

 

病因は、外感、内傷の両方がみられ、合わせて4つに分類されます。

 

 

 

まずは外感により起きる肛門生痔についてです。

 

 

 

1.風火燥結

 

 

 

風火燥熱の外邪を感受し、肛門で結して痔になります。

 

 

 

排便時に痔核が脱出して血が滴下したり、勢いよく放射したりします。

 

 

 

痔周辺に灼熱感があり、痛みを伴います。

 

 

 

お通じは、便秘しやすく、出ても硬くて兎糞状であり、排便困難といった特徴をもっています。

 

 

 

次に内傷による肛門生痔についてです。

 

 

 

2.湿熱蘊熱

 

 

 

飲食不節によって湿熱が内生し、湿熱が大腸に蘊結すると、血脈が失調して瘀結し、痔となります。

 

 

 

排便時に痔核が脱出して、滴下性の出血がみられます。

 

 

 

肛門が下墜するように脹って灼熱感を伴い、排便がスッキリできず、裏急後重します。

 

 

 

3.気滞瘀血

 

 

 

長時間座っていたり、立っていたり、力む動作を繰り返していたり、肝気鬱結して肛門部で気血が瘀結して、痔を形成します。

 

 

 

排便時に痔核が脱出して出血量が多く、肛門が下墜するように痛み、

 

 

 

内外痔核の腫大のために排便が困難で残便感や腹脹を伴います。

 

 

 

4.気虚下陥

 

 

 

出血が長期に及び、気血ご損耗したり、加齢や房労過度で脾腎が弱り、中気が不足して、固摂低下により肛門に痔が出来ます。

 

 

 

排便ときに痔核が脱出するので、手で押し込む必要がある。

 

 

 

時に出血や脱肛を伴い、排便する力が弱く、力むと息切れや倦怠感が出る特徴があります。

 

 

 

痔についてのお話は以上です。

 

 

 

次回は「疲れやすい」ことについて、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

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手足が冷える②

 

 

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こんばんは!樫部です。

 

 

 

本日は前回の続きとして、「四肢厥冷」の弁証分類の残り3つについて、お話ししていきたいと思います。

 

 

前回のお話はこちら!

手足が冷える

 

 

 

2.熱厥

 

 

 

この場合は、さらに二つに分類することができます。

 

 

①熱邪内鬱(実熱)

 

 

 

外邪が化熱して裏に入り、裏熱が盛んなために陽気が鬱閉され、四肢末端に達することができず、四肢厥冷を引き起こします。

 

 

 

これは、熱病の極期段階でみられます。

 

 

 

厥冷の程度がひどく、汗の出ない高熱を伴います。

 

 

 

顔面紅潮、心煩、口渇して水分を欲します。

 

 

 

また、胸腹部の灼熱感が強く、お通じは便秘、小水は少なくて色が濃い特徴がみられます。

 

 

 

②陽気鬱阻

 

 

 

熱邪内鬱と同様な四肢厥冷の発症メカニズムによるものであるが、これは正気(陽気)の鬱滞により、引き起こされます。

 

 

 

四肢厥冷は肘膝まで至らない特徴があります。

 

 

 

その他の症状として、胸脇苦満、ゲップ、嘔吐、下痢、腹痛、咳、動悸、小便不利がみられます。

 

 

 

3.痰厥:痰濁内阻

 

 

 

痰湿が盛んな体質で胸陽が宣発されないために四肢厥冷が起きます。

 

 

 

この場合は、風邪を引いたり、悩みや怒りによって厥冷が出現します。

 

 

 

その他の症状として、胸や脘腹が満悶し、喉でゼロゼロと痰が絡む音がします。

 

 

 

痰涎、空腹感はあるが、実際にはそれほど食べない特徴があります。

 

 

 

4.蛔厥:蛔虫擾乱

 

 

 

蛔虫が動き回ったために気が逆流して生じます。

 

 

 

蛔虫が寄生すると脾胃が虚弱となり、軽度の腹痛がみられ、

 

 

 

蛔虫が動いて脾胃を乱すと気の昇降が停滞し、陽気が四肢に達しないために四肢厥冷を生じます。

 

 

 

これは児童に多くみられるとされています。

 

 

 

四肢厥冷が重篤になると、肘膝を越えて冷えを訴えるようになります。

 

 

 

上腹部の劇痛に伴って冷えが出現し、水様物・胆汁を嘔吐したり、時に蛔虫自体を嘔吐します。

 

 

 

嘔吐の際は、顔面蒼白、全身からの冷や汗がみられ、腹痛が治まってくると厥冷も落ち着いてくる特徴を持っています。

 

 

 

四肢厥冷の弁証分類については、以上です。

 

 

 

次回は「痔」について、お話ししていきたいと思います。

 

 

 

 

 

【参考文献】

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』

藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

『症状による中医診断と治療 下』

神戸中医学研究会、燎原書店

 

『基礎中医学』

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