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こんばんは!樫部です。
本日は前回の続きとして中風の病因病理について、お話ししていきたいと思います。
前回までのお話はこちら!
中風の病因病理には次の要因が関係しています。
①精気の虚衰
加齢や思慮煩労過度、房事不節などによって、腎精、腎陰が虚衰すると、陽気がたかぶりやすくなり、内風が発生したり、外邪の侵襲を受けやすくなります。
②湿痰内生、化火生風
脂物、甘味の多食、飲酒過度など飲食不節によって痰濁が停滞し、鬱火して内風が生じます。
③情志不和、化火生風
過剰な精神的緊張、頭脳労働の過度、情緒の激しい変動などによって肝火を生じ、内風が起きます。
④外邪入中
気候の変化、特に急に寒冷になる時に寒邪が侵襲し、血脈の流れに影響し、血瘀(寒凝血瘀)を形成します。
①、②、③などにより、衛気が上手く巡らないと外邪の侵襲を受けやすくなります。
そうすると経気の流れが阻害されたり、内風が助長されたりします。
①から④が絡み合うことで気血が上逆したり、内風が中心となって上擾したり、
それらに痰濁や血瘀が絡んだりして発症しますが、根本原因は下虚上実であり、本虚標実が基本病理です。
中風の分類は下記の通りです。
1.中経絡
①真中風(外感表証あり)
②類中風(外感表証なし、裏証)
2.中臓腑
①閉証(邪実中心)
①-1.陽閉
①-2.陰閉
②脱証(陽気の虚衰がひどい)
長くなってしまいそうなので、続きは次回のお楽しみということで!
つづく
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
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こんばんは!樫部です。
本日は「顔面神経麻痺」について、お話ししていきたいと思います。
先日、院長ブログでも触れられていた症状ですね!
院長ブログはこちら!
顔面神経麻痺というと、口や目が歪んで閉じることが出来ないといった症状がみられますが、
東洋医学的には口眼喎斜(こうがんかしゃ)と呼びます。
その他にも、面癱、吊綫風、歪咀風、口眼歪斜などと呼ばれることもあります。
先人たちは長年の臨床経験から、口眼喎斜は中風の前兆の一つとしていて、要注意の症状であり、
口眼喎斜を丁寧に治療することは、患者さんの苦痛を取り除くだけでなく、中風の発生に対する積極的な予防となりうるとされています。
口眼喎斜の弁証分類は主に5つあり、外感によるものと内傷によるものに分類されます。
まずは外感による口眼喎斜についてです。
1.風邪外襲
風邪が顔面の陽明経脈に侵入して気血の運行を阻害し、絡脈が栄養されなくなってしまうことで発生します。
①風寒
患側顔面に緊張感、疼痛、皮膚の厚ぼったくて硬い感じ伴います。
②風熱
顔側顔面の筋肉が弛緩して、皮膚に熱感を伴います。
③風湿
患側顔面に腫れた感じがあり、眼瞼の浮腫を伴うことがあります。
次に内傷による口眼喎斜についてです。
2.肝風内動
怒りなどにより肝気が上逆し、肝陽化風となり、顔面の陽明経脈を損傷し、欠盆と両頬を牽動して顔面麻痺が起きます。
突然発生する特徴があり、重篤な場合は顔面の肌肉が痙攣します。
その他にも顔面紅潮、肢体のしびれ感、耳付け根の引きつった痛み、眩暈感の悪化、頭重足軽がみられます。
少し長くなってしまいそうなので、続きは次回のお楽しみということで!
つづく
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
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